ホームページ制作の過去・現在・未来を語る|TREVOが伝える、15年の進化を味方にするデザインと技術
2019.12.12.
執筆・編集
板浪 雅樹
2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」
大阪のホームページ制作会社TREVOでは、ホームページ制作に関する情報を掲載しています。最短2日で仮サイトを公開するサービスやSEO対策に特化したホームページ制作、オリジナルホームページデザイン、ライティング、リスティング広告、WEBマーケティングなどのサービスをご紹介しています。
株式会社TREVOの板浪です。この記事は、以前2019年末に公開していた「2019年のホームページ制作のトレンドをデザインで振り返る」という記事をベースに、より広い視点で大幅にリライトしたものです。
当時の記事では「シンプルなサイト」と「動きの多いリッチなサイト」というデザイン傾向の二極化に注目しましたが、現在の視点から見ると、あれは長く続く進化のひとつの通過点だったと感じます。
今回は視野を大きく広げ、2010年から2025年にかけて、日本におけるホームページ制作・ウェブデザインの変化を振り返るとともに、大阪で制作現場を支えてきたTREVOの視点から、実感として得られた変化や判断基準も交えてまとめてみました。
特に、スマートフォンの普及によって変わった「レスポンシブデザインの定着」、CMSの技術革新、モダンJSフレームワークの進化、AIの台頭、そしてE-E-A-TをはじめとするSEOの変化といった、制作現場が常に向き合ってきた変革の波を中心に構成しています。
これからウェブ制作に関わる方や、企業のWeb担当者の方にとっても、「今、何を重視すべきか?」を見極めるヒントになるはずです。
15年の進化を振り返る
スマホの普及とモバイルファーストの台頭
2010年代前半、日本におけるホームページ制作は、まだデスクトップ中心の時代でした。しかし、iPhoneやAndroidスマートフォンの登場と爆発的な普及により、ウェブデザインの常識は大きく変わっていきます。
かつては「PCサイトとモバイルサイトを別々に作る」ことも珍しくありませんでしたが、レスポンシブウェブデザイン(RWD)が主流になり、やがて「モバイルファースト」が当たり前の戦略に。表示速度、操作性、視認性といった要素が、デザイン以上に重要視されるようになりました。
Googleのモバイルフレンドリーアップデートやモバイルファーストインデックス(MFI)は、こうした流れをさらに加速させ、「スマホで使いやすいサイトが正義」という新たな基準を打ち立てたのです。
TREVOが見てきた現場の変化とは?
大阪でホームページ制作を手がけてきたTREVOでも、この15年の変化は肌で感じてきました。
2010年当時は、立体的なエンボスボタンや光沢のあるバナーが当たり前でしたが、現在ではフラットデザインやミニマルなUIが主流となり、視覚的な「装飾」よりも「意味のある配置と導線設計」が求められるようになっています。
特に2015年〜2019年頃は、Googleのマテリアルデザインの影響もあり、「派手すぎず、情報が自然に伝わるデザイン」が評価される傾向にありました。弊社TREVOでも、情報を正確に伝えることを目的に、シンプルで視認性の高いレイアウトを多く採用しています。
ただ一方で、プロモーションサイトなどでは、Appleの公式サイトに代表されるようなインタラクティブな演出や大胆なアニメーションも求められるようになり、「リッチ vs シンプル」の二極化が進んだのもこの頃です。
この記事の読みどころ
この記事では、以下のようなポイントにフォーカスしています:
- デザインの進化:スキューモーフィズムからフラット、そしてマテリアルデザインと没入型UXへ
- 技術的な進歩:jQueryからReact/Vueへの移行、CMSの多様化、PWA・AMPなどのモバイル最適化技術
- SEOとアクセシビリティの重要性:E-E-A-T、モバイルファーストインデックス、JIS X 8341-3への対応
- 文化的特性:日本市場特有の情報密度とユーザー心理に根差したUI設計
- 未来予測:2025年以降に向けたAI・Web3・ハイパーパーソナライゼーションの可能性
各年代ごとのトレンドだけでなく、実際の制作事例や判断の裏側、Google検索で上位を狙うための実践的なヒントも盛り込んでいます。
大阪で15年近くWeb制作を手がけてきた視点から、現場感のあるリアルな「ウェブの進化」を読み解いていただければ嬉しいです。
2010年代前半はスキューモーフィズムからフラットデザインへ
装飾的なリアル表現の時代
2010年代のはじめ、日本のホームページ制作ではスキューモーフィズム(Skeuomorphism)と呼ばれるデザインスタイルが主流でした。
これは、現実世界にある質感や立体感をそのままWeb上に再現することで、ユーザーにとっての「分かりやすさ」や「親しみやすさ」を重視する考え方です。
たとえば、当時のボタンは押せる感じを出すために影やグラデーションを多用し、まるで物理的なボタンのような質感を再現していました。書類をイメージした紙の質感、レザー調の背景、メタルパーツのようなアイコンも珍しくありませんでした。AppleのiOS 6以前のデザインが、その代表例として有名です。
私たち株式会社TREVOでも、2010年頃は「高級感を出したいから立体的にしたい」といったご要望が多く、エンボス効果を使ったメニューボタンや、グラデーションで質感をつけたバナーなどが定番でした。
こうした装飾的な手法は、パソコンが主流だった当時には視覚的な訴求力が強く、「分かりやすく・印象的なデザイン」として広く支持されていたのです。
レスポンシブ対応とRWDの出現
ところが2011年を過ぎたあたりから、ウェブ制作の現場ではある決定的な変化が起こり始めます。それが、「レスポンシブウェブデザイン(Responsive Web Design / RWD)」の登場です。
従来は、PC用とガラケー用の2つのサイトを別々に用意する「マルチデバイス対応」が一般的でした。しかしスマートフォンやタブレットなど画面サイズの異なるデバイスが急速に普及したことで、1つのHTMLで複数画面に対応するRWDという考え方が注目されるようになりました。
2010年にアメリカのウェブデザイナー、イーサン・マルコッテ(Ethan Marcotte)が「Responsive Web Design」という概念を提唱し、世界中の制作者に影響を与えました。
日本国内でも、2012年〜2013年ごろから本格的にレスポンシブデザインを導入する企業が増えはじめ、TREVOでもお客様から「スマホでも見やすくしたい」という声が急激に増えたのを覚えています。
ただし当初は、画像サイズやレイアウトの調整、ナビゲーションの切り替え設計などに多くの工夫が必要で、制作者側の負担も大きい技術でした。それでも、PC・スマホ・タブレットを同時にカバーできる利便性と、Googleのモバイル対応推奨が後押しとなり、RWDは一気にスタンダードへと進化していきます。
スマホ普及が変えた「当たり前」
レスポンシブデザインの普及を加速させた最大の要因は、スマートフォンの爆発的な普及です。2010年当時、まだスマホの普及率は30%前後に過ぎませんでしたが、数年で過半数を超え、若年層を中心に「情報収集=スマホで検索」という行動が定着しました。
この行動変化は、ホームページの設計思想そのものを大きく変えることになります。
- ファーストビューは縦長で構成(スマホ前提の設計)
- クリックではなくタップを意識したUI設計
- 文字は12ptでは小さすぎ、16pt以上が推奨される流れに
- 画像の軽量化、スクロールしやすいレイアウト
- JavaScriptで無理に動きをつけず、スムーズなUXを重視
TREVOでもこの頃から、お客様との打ち合わせで「スマホでどう見えるのか」「読みやすいか」「指で押しやすいか」といった点が必ず話題にのぼるようになりました。
また、Googleが2015年に「モバイルフレンドリーアップデート」を導入したことで、スマホ対応の有無がSEOにも直結する時代に突入します。
結果として、スキューモーフィズムのような重たい装飾表現は、スマホには不向きだという認識が広がり、よりシンプルで読みやすく、情報が素早く伝わるデザイン=フラットデザインへとシフトしていくのです。
2015年~2019年はミニマリズムとマテリアルデザインの融合期
マテリアルデザインの登場とその影響
2014年にGoogleが提唱した「マテリアルデザイン(Material Design)」は、フラットデザインの次なる進化として、ウェブデザイン業界に大きなインパクトを与えました。
フラットデザインは、装飾を排したシンプルさが魅力でしたが、あまりに「平坦」で情報の優先度が分かりにくいという課題もありました。そこでマテリアルデザインでは、「紙とインクの比喩」をベースに、影や奥行きを使って階層構造を明確にしつつ、動き(アニメーション)で意味のあるUIを実現しようとしました。
具体的には以下のような特徴があります。
- 要素の階層構造をシャドウで表現
- クリックやタップに対して波紋のような動きでフィードバック
- カラーパレットやタイポグラフィに明確なルール
- UIの一貫性と操作性の担保
AndroidのUIやGoogleの各種サービス(Gmail、Google Mapsなど)が採用したことで世界中に広まり、日本国内でも影響は大きく、企業サイトでもマテリアルデザインを意識した設計が見られるようになりました。
ただし、すべてのWebサイトにマテリアルデザインが合うわけではなく、「動きが多すぎる」「画一的になりがち」という声もあり、日本市場では部分的に取り入れるスタイルが主流となっていきます。
フラット2.0、セミフラットの進化
マテリアルデザインの影響を受けつつも、より実用的な方向へと進化したのが「フラット2.0」や「セミフラットデザイン」と呼ばれるスタイルです。
これは、従来のフラットデザインのミニマルさを維持しつつも、
- 微細なグラデーション
- 控えめなドロップシャドウ
- アイコンやボタンの質感の強調
など、視覚的な階層やアクセントを加えることで、より使いやすく・分かりやすくした表現です。
ユーザビリティを重視する日本市場では、完全なフラットよりもこうした「ちょっとだけリッチ」な表現の方が受け入れられやすい傾向にありました。
またこの時期には、シンプルな幾何学模様や、斜めや非対称レイアウト、タイポグラフィの遊びなども多用されるようになり、デザインの幅が広がった印象があります。
TREVOでの実装例と判断基準
TREVOが2015年〜2019年にかけて制作したホームページでは、フラット〜セミフラットの中間を取るデザインを多く採用していました。
理由は明快で、私たちの基本的な考えとして「ユーザーにとってわかりやすく、ストレスのない導線設計が第一」という姿勢があったからです。
実際、当時ご依頼いただいたお客様からは、
- 「とにかく情報を伝えたいから、見やすい構成にしてほしい」
- 「アニメーションが多すぎると、ユーザーが離れてしまうのでは?」
- 「社内でも更新しやすいように、構造はシンプルにしてほしい」
といった声が多く寄せられていました。
そのためTREVOでは、JavaScriptによる派手な動きはあえて抑えめにしつつ、要所にだけアニメーションを加えるというバランスを大切にしていました。
また、影や動きで階層を明示する設計は、Googleのマテリアルデザインの考え方をベースにしつつ、お客様のブランドトーンやターゲット層に合わせてカスタマイズしています。
このように、トレンドをそのまま追うのではなく、「お客様が伝えたいことが正しく伝わるか?」を第一に、柔軟に取り入れる姿勢でデザインを行ってきました。
大阪の事例で見えた2極化:シンプル or リッチ
大阪エリアでの制作事例や競合サイトを見ていて、当時特に印象的だったのは「デザインの二極化」です。
一方では、企業サイトや医療・製造系の業種を中心に、情報を丁寧に整理し、落ち着いたトーンで構成されたシンプルなサイト。これらは、ユーザーの信頼を得るために余計な演出を避け、タイポグラフィや余白を活かして情報を伝える設計が多く見られました。
一方で、美容、アパレル、飲食、プロモーション用LPなどの分野では、スクロールアニメーションや大きなビジュアルを多用した「魅せる」サイトが増え始めていました。Appleのようなモーション表現や、背景動画を大胆に使ったページなど、ユーザーの没入体験を意識したサイトも多く登場し始めたのがこの時期です。
大阪という地域性から見ると、「テンポの良さ」「直感的な導線」「商売っ気」がデザインにも反映される傾向があり、私たちも案件によって表現の幅を変えて対応してきました。
このように、目的や業種によって「静」と「動」を使い分けることがデザインに求められる時代だったと言えるでしょう。
2020年~2024年は体験重視とノスタルジックな回帰
UX最優先のデザイン思考
2020年代に入ると、ホームページ制作における中心的な価値観が、「見た目の美しさ」から「ユーザー体験(UX)の最適化」へと大きくシフトしました。
特に新型コロナウイルスによるパンデミック以降、多くの人がオンラインを生活の主軸とするようになり、ウェブサイトは「見るもの」から「使うもの・感じるもの」へと変化していきました。
これにより、デザインの現場でも「誰に」「何を」「どう伝えるか」だけでなく、「どのように体験させるか」という視点が求められるようになったのです。
株式会社TREVOでも、お客様との打ち合わせで「ユーザーが迷わずに目的の情報へたどり着けるか」「スマホで直感的に操作できるか」といった議題が増えました。
- CTA(お問い合わせボタンなど)への動線設計
- スクロールに合わせて情報を徐々に提示する構成
- マイクロアニメーションでの操作フィードバック
といった、UXを意識した細部の調整が、デザインの成果を大きく左右するポイントとなっていきました。
一言で言えば、2020年代のウェブデザインは「気持ちのいい体験を提供すること」がゴールになったと言えるでしょう。
レトロ、Y2K、手作り感のあるUIの流行
一方で、感情に訴えかけるデザインとして「懐かしさ」や「アナログ感」を演出するスタイルも大きな注目を集めました。
とくに以下のようなビジュアルトレンドが2020年代前半に広まりました。
- Y2Kデザイン:2000年前後のウェブ黎明期を彷彿とさせるカラフルでサイバーなUI
- レトロポップ:90年代風の淡いトーンや手書き風アイコン
- ピクセルアート:ドット絵やゲーム風のインターフェース
- ハンドクラフト系UI:手書きメモやスクラップブック風の演出
これらの表現は、とくに若い世代に向けたブランドサイトやSNSプロモーションページでよく使われており、「洗練されたミニマリズム」ではない“遊び心”や“親しみやすさ”を演出するために選ばれていました。
TREVOでも、特定の業界やターゲット層を意識した案件では、あえてノスタルジックなグラフィックやレトロフォントを用いたり、余白や動きをあえて“ラフに”見せる手法を採用したりしています。これは、整いすぎたデザインが逆に「よそよそしく見える」というユーザー心理を逆手に取った手法とも言えます。
タイポグラフィと色彩表現の深化
2020年以降、文字のデザイン=タイポグラフィの重要性は、これまで以上に高まりました。
- 見出しに特大サイズのフォントを使用し、インパクト重視
- 複数のウェイト(太さ)を組み合わせたヒエラルキーの設計
- 手書き風フォントや可変フォント(Variable Font)の導入
- PCとスマホでフォントサイズや行間を自動調整する設計
これにより、従来以上に情報の「読みやすさ」や「印象づけ」が重視されるようになりました。フォントが“空気”のような存在から、“主役級のビジュアル要素”へと進化したと言っても過言ではありません。
また色彩面でも、以下のような傾向が見られました:
- 反転カラー(黒地に白文字など)の活用
- ダークモードへの対応
- 透明感のある色(グラスモーフィズム)の台頭
- パーソナルカラーやブランドカラーの再解釈
たとえば、TREVOではサブカラーである#FDD141(イエロー)をアクセントに使いながら、主張しすぎずに印象に残るレイアウトを設計することが増えました。
単なる視覚的な美しさではなく、「記憶に残る情報の伝え方」として、タイポグラフィと色彩が融合していったのがこの時期の大きな特徴です。
ランディングページ化する下層ページ
もうひとつ、2020年代に明確になった流れとして挙げられるのが、下層ページの“ランディングページ(LP)化”です。
これまで、ランディングページと言えば「広告からの流入を受け止める専用ページ」としてトップページとは切り離されていましたが、現在では下層ページそのものが“流入の入口”としての役割を担うケースが増えています。
- サービス詳細ページにヒーロービジュアル+キャッチコピー
- 下層にもCTAボタンを複数配置
- スクロールで段階的に情報を伝える構成・動線
- 説明文にストーリーテリング要素を加える
といった設計が、一般的な企業サイトでも広く取り入れられています。
TREVOでもこの流れを受けて、ブログ記事やサービスページにファーストビュー的な構成を盛り込んだり、CTAの配置を強化した構造へと見直したりといった対応を積極的に行っています。
検索エンジンやSNSから直接「下層」に訪れるユーザーが大半を占める現在において、どのページでも第一印象と目的到達を叶える設計が求められているのです。
CMSと技術の変遷|WordPressが切り拓いた世界
WordPressの台頭と日本での独自進化
2020年代のウェブ制作において、もはやWordPressなしに語れるCMS(コンテンツマネジメントシステム)は存在しないと言っても過言ではありません。
とくに日本では、その人気と普及率が世界平均を上回る勢いで拡大し続けており、2025年現在でも依然としてCMS市場の約83%以上を占めていると言われています。
その理由は明快で、WordPressは以下の点で非常に優れているからです。
- 無料で導入できるオープンソース
- デザインや機能を自由にカスタマイズできる拡張性
- 日本語対応が進んでおり、ドキュメントや学習リソースも豊富
- プラグインやテーマが数万単位で用意されている
株式会社TREVOでも、2012年以降はほとんどの案件でWordPressを導入しており、現在は独自テーマやカスタム投稿、ACF(Advanced Custom Fields)などを駆使したフルオーダー構築を中心に制作しています。
「見た目だけでなく、運用のしやすさまで一括で設計できるCMS」として、お客様からの満足度も高く、制作会社としても構築スピードと柔軟性の両立ができる強力なプラットフォームです。
一方で、WordPressはセキュリティ対策やアップデート対応を怠ると脆弱性が生まれやすい側面もあるため、TREVOでは定期メンテナンスや保守契約もセットでご提案するケースが増えています。
「作って終わり」ではなく、「運用して育てる」ホームページづくりにおいて、WordPressはその中心的な役割を果たしています。
国産CMS(MovableType、EC-CUBEなど)の存在感
WordPressが圧倒的なシェアを誇る一方で、日本市場にはニッチながら根強い人気を持つ国産CMSも存在しています。代表例が以下の2つです。
■MovableType(ムーバブルタイプ)
商用パッケージ型CMSとして、特に自治体・大学・大企業などのエンタープライズ領域で導入されているCMSです。
日本では「国産CMS」としての安心感と、以下のような特徴から独自の地位を確保しています。
※もともとはアメリカで開発されたソフトウェアです。現在は日本企業であるシックス・アパート株式会社が開発・提供しているCMSです。
- セキュリティの高さ
- 静的ファイル出力による高速表示
- 細かな権限管理や承認フロー
- ベンダーによる有償サポート
TREVOではMovableTypeでの制作実績は少ないものの、堅牢性と可読性を重視する公共系プロジェクトでは依然として選定されるケースがあり、「更新頻度は低いが確実に守りたいコンテンツ」には向いていると感じています。
■EC-CUBE(イーシーキューブ)
日本発の国産EC専用CMSで、中小企業や地方店舗を中心に高い支持を受けています。
独自の商習慣や日本語対応が求められるネットショップ運営に特化している点が強みで、
- 日本の税制・配送に合わせた柔軟な設定
- フルカスタマイズ可能な設計
- 国産サポートと導入支援
などが評価されています。
Shopify、Studio、Jimdoなどの役割
2020年代に入ってからは、「ノーコード・ローコードCMS」や、「専門用途に特化した海外製CMS」の導入も目立つようになってきました。中でも注目すべきは以下の3つです。
■Shopify(ショッピファイ)
カナダ発のECサイト構築プラットフォームで、2020年代以降は日本でも導入が急増。
「テンプレートで簡単に始められて、サブスクリプション型で拡張もできる」ということで、
- 個人〜中小企業のネットショップ開業
- 海外販売を視野に入れたEC展開
- デザインより販売機能を重視する業種
に最適なCMSとして人気です。
TREVOでもご相談いただくケースが増えており、必要に応じてテーマカスタマイズやアプリ導入支援を行うことで、Shopify独自の制約に柔軟に対応しています。
■Studio(スタジオ)
日本発のノーコードCMSで、コーディング不要で高品質なデザインを誰でも作れることが最大の魅力です。
- Web制作の知識がない方でも使いやすい
- UIが直感的で、実用レベルのデザインも可能
- サーバーや更新作業がほぼ不要
という点から、起業したばかりの方や、小規模なビジネスの立ち上げに選ばれることが多くなっています。
ただし、SEOの柔軟性や構造化の細かさには限界があるため、TREVOでは将来的な拡張を考えるお客様にはWordPressへの切り替えも視野に入れた設計をご提案することが増えています。
■Jimdo(ジンドゥー)
日本国内では一時期テレビCMなどで広まり、「とにかく早く安くホームページを持ちたい」というニーズに応える形で普及しました。
Jimdoは非常に簡単にページを作成できますが、カスタマイズ性やSEO対応が限られるため、現在は一時的な仮サイトやプレゼン資料的な役割で使われることが多い印象です。
フロントエンドとバックエンドの変革
jQueryからReact/Vueへの移行
2010年代前半、Web制作においてJavaScriptといえばjQueryが定番でした。TREVOでも2015年ごろまでは、jQueryによるスライダーやアコーディオン、アニメーションなどを多用しており、「プラグインを入れて動かす」のが主な手法でした。
jQueryの最大の魅力は、クロスブラウザ対応の簡便さと即効性です。Internet Explorerのような仕様の異なるブラウザ間でも、比較的安定して動作し、初心者でも使いやすいという点で広く普及していました。
しかし、2018年頃からフロントエンド開発のトレンドは大きく変化します。
React(Facebook製)やVue.js(オープンソース)といったモダンJavaScriptフレームワークの登場により、UI設計がより構造化・最適化されるようになったのです。
TREVOでも、2020年頃からReact(Next.js)やVue(Nuxt.js)によるヘッドレスCMSとの連携やアプリ的UI構築の相談が増加しました。
特に以下のような理由で、jQueryからの移行が進んでいます:
状態管理がしやすい
- コンポーネント単位で再利用性が高い
- 保守性が高く、チーム開発に向いている
- SSR(サーバーサイドレンダリング)や静的出力が可能
jQueryが“軽く動かす”ためのツールだったのに対し、ReactやVueは「UI全体を構築・設計するための基盤」へと進化しています。
SPA化とコンポーネント志向の普及
React/Vueが広がる中で、もう一つの重要な潮流がSPA(シングルページアプリケーション)の普及です。
SPAとは、ページ遷移時にHTML全体を再読み込みせず、必要なデータだけを取得して動的に描画する設計のことで、まるでアプリのような滑らかなユーザー体験を実現できます。
たとえば、検索機能・フィルター・リアルタイムのチャート表示などを搭載する業務系Webシステムや、管理画面などに多く採用されています。
TREVOでも、会員制サイトや予約管理システム、CMSのカスタムUIなど、SPAベースでの提案や開発を一部導入しており、特に以下のような点で評価されています:
- 高速でストレスのない操作性
- 部分的な更新によりサーバー負荷を軽減
- APIベースでバックエンドと分離できる構造
加えて、モダンJSフレームワークの根底にある思想が「コンポーネント志向」です。
UIを小さなパーツごとに分割し、それぞれを独立して開発・管理できることで、
- 複数人開発の効率向上
- 再利用性の高いデザイン設計
- テストと保守性の向上
といった恩恵を得られます。
ただし、小規模なコーポレートサイトや更新頻度の高いCMSサイトでは、SPAやモダンフレームワークが「オーバースペックになるリスク」もあるため、TREVOでは案件ごとに慎重に使い分けています。
モバイル対応と高速化の歩み
モバイルファーストとGoogleアルゴリズム
2010年代後半から2020年代にかけて、Web制作の潮流は「モバイルファースト」という言葉に象徴されるように、PCではなくスマートフォンでの最適表示が基準となりました。
これは単なるデザイン上のトレンドではなく、Google検索のアルゴリズムが大きく影響しています。
特に2018年の「モバイルファーストインデックス(MFI)」の本格導入により、GoogleはPC版ではなくモバイル版のコンテンツをもとに検索順位を評価するようになりました。
この変化により、以下のような要素がSEOの評価基準として重視されるようになりました:
- モバイル画面での視認性(フォントサイズや行間)
- タップしやすいボタンやリンクの間隔
- 表示速度やパフォーマンス指標(LCP、CLS、INPなど)
- モバイル版とPC版でのコンテンツの差異がないこと
TREVOではこの頃から、レスポンシブWebデザイン(RWD)を標準対応としつつ、より軽量で高速に表示できるように画像の圧縮、WebP対応、CSS・JSの最適化なども積極的に行ってきました。
「スマホで見やすいかどうか」がSEOにもコンバージョンにも直結する時代が、この時期から明確に到来したのです。
PWAやAMPの登場と活用事例
スマートフォン対応が進むなかで、「表示されるだけではなく、アプリのように使えるWebサイト」という新しい考え方も登場しました。
それがPWA(プログレッシブウェブアプリ)です。
PWAは、
- ホーム画面への追加
- オフライン閲覧
- プッシュ通知
- 高速表示
など、ネイティブアプリのような体験をWebで実現できる技術です。
実際に、日本経済新聞社が導入したPWA版「日経電子版」では、以下のような効果が報告されています。
- 表示速度2倍
- デイリーアクティブユーザー数49%増
- 購読数58%増
出展:日経がマルチページ PWA で新たな品質とパフォーマンスを実現
このような事例からも分かるように、情報系メディアや繰り返し訪れるユーザーが多いサイトでは特にPWAが有効とされています。
もうひとつの技術がAMP(Accelerated Mobile Pages)です。
こちらは、Googleが主導した高速表示技術で、HTMLやJavaScriptの仕様を制限することで、検索結果から瞬時にページを読み込めるようにします。
たとえば、三井住友カードのオウンドメディア「ヒトトキ」では、AMP導入によってページ表示速度が約6.9倍に改善し、カード申込率が約2.1倍に向上したという成果が得られました。
出展:[ブログ記事] AMP 採用によりモバイルサイトのコンバージョン率を約 2.1 倍向上させた三井住友カード
ただしAMPは構造やデザインの自由度に制約があるため、TREVOでは情報提供型コンテンツや特定のキャンペーンページなどに限って活用を検討しています。
SEOとユーザビリティ|日本独自の検索体験とUI
E-E-A-Tと長文コンテンツの浸透
2020年以降、SEOにおいてE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という考え方が、ますます重要視されるようになりました。
特にGoogleがYMYL(Your Money or Your Life)と呼ぶ「健康・お金・暮らし」に関わる領域では、誰が書いたのか、どんな実績があるのか、信頼できる情報源かという視点が検索順位に大きな影響を与えます。
この背景を受け、日本でも「著者情報の明示」や「企業としての信頼性の強調」が標準的なSEO施策となっていきました。
株式会社TREVOでも、ブログやサービス紹介ページにおいて以下のような対策を実践しています:
- 執筆者情報に「株式会社TREVOの板浪が書いています」と明記
- 実際の制作経験に基づいた具体例や失敗談を交える
- 外部リンクは一次情報への参照を基本
- お客様の声・実績・導入効果など、信頼性のある証拠(ファクト)を記載
また、2018年以降のコアアップデートでは、ページの情報量や網羅性も評価対象となり、長文かつ体系的なコンテンツが上位表示される傾向が強まりました。
TREVOのブログでも「SEO」「コーポレートサイト」「アクセス解析」などのカテゴリ記事は、5,000〜10,000字超のコンテンツとして丁寧に構成しており、Googleインデックスの安定性や順位上昇の実感があります。
ただし長ければ良いというわけではなく、「構造化された見出し設計」「内部リンクの適切な配置」「図解やイラストによる補足」など、読まれる工夫=ユーザビリティの向上が不可欠です。
ローカルSEOと「ホームページ制作 大阪」の実践例
日本の中小企業にとって特に重要なのが、ローカルSEO(地域密着型の検索最適化)です。
TREVOでは「ホームページ制作 大阪」というキーワードでの上位表示を目指し、下記のような施策を長年にわたって継続しています。
実践している主なローカルSEO施策
- Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の最適化
→ 住所・電話番号・営業時間・サービス説明の定期更新 - サイト内に「大阪」「関西」「堺」「阿倍野」など地域名を自然に配置
- 地元の制作実績や事例紹介ページの作成(例:「大阪市内の税理士事務所様のLP」など)
- 地元イベントや商工会との関わりをブログ等で紹介
- 外部ブログやポータルサイトからの地域リンク対策(NAP一致)
また、タイトルタグやh1・h2に「大阪」の地名を入れる際は、不自然にならないよう文章に馴染ませる工夫も必要です。
例
- ダメな例:「ホームページ制作 大阪 格安 即納」
- 良い例:「大阪で信頼されるホームページ制作会社 TREVOの実例紹介」
Googleはユーザー意図に敏感になっているため、「検索する人が自然に読み取れるタイトル」が評価される傾向にあります。
さらに、Googleマップとの連携やスキーママークアップ(構造化データ)など、ローカルパックへの表示強化もSEO効果を高めるポイントです。
TREVOでは現在、「ホームページ制作 大阪」で自然検索+ローカルパックの両軸での露出を強化しており、問い合わせ数の安定化にもつながっています。
高齢化社会とアクセシビリティ(JIS X 8341-3)
日本の社会的背景として無視できないのが、急速に進む高齢化と、それに伴うウェブアクセシビリティの重要性です。
JIS X 8341-3(ウェブコンテンツのアクセシビリティ指針)は、特に公共サイトや大学、福祉関連の制作では必須要件となることも増えてきました。
この規格は、W3Cの「WCAG 2.0」に基づいており、すべてのユーザーがウェブにアクセスできることを目的としています。
JIS X 8341-3の基本的な配慮事項
- 文字サイズの拡大対応(相対指定)
- 色覚に配慮したコントラスト(色だけで情報を伝えない)
- キーボード操作の代替性
- 音声読み上げソフトへの対応(適切なalt属性や見出し階層)
株式会社TREVOでは、2020年代に入ってから「見やすさ・操作しやすさ・読みやすさ」の三軸を大切にし、以下のような設計を意識しています。
- フォントサイズを16px以上、行間を広めに設計
- 主要ボタンに文字+アイコンを併記
- 画像には代替テキスト(alt)を明確に
- キーボードやタブ操作でも迷わず遷移できる構造
- スマホ利用者のタップ範囲に配慮したUI
特に大阪の高齢者施設や医療機関のホームページを手がけた際は、PC+スマホの両対応、かつ文字の拡大・読み上げ機能に配慮した構築が求められ、制作側の意識も大きく変化しました。
アクセシビリティ対応は、SEO効果だけでなく、より多くの人に情報を届けるための“ユーザー中心設計”とも言えます。
今後、企業の社会的責任(CSR)やSDGsの観点からも、「すべての人に届くデザイン」が当たり前になるでしょう。
日本独自のデザイン感覚と文化的背景を考慮したUX
情報密度と信頼性の関係
日本のWebサイト、とくに企業サイトやサービスページを見て「情報が多い」「ごちゃごちゃして見える」と感じた経験はないでしょうか。
これは単なるデザインの未熟さではなく、日本の文化的な価値観や購買行動と密接に関係しているUX設計なのです。
たとえば、日本では詳細なスペックや料金の説明、安心できる根拠(導入実績・口コミ・Q&Aなど)を豊富に掲載するほど、信頼されやすい傾向があります。
これは、「十分に情報を与えられたうえで、自分で判断したい」というリスク回避志向の強さや、「相手に迷惑をかけないように」という丁寧な情報提供文化が背景にあります。
TREVOが大阪の中小企業様と制作を進める中でも、「もう少し説明を入れたい」「なぜそれが必要かまで明記してほしい」といったご要望をいただくことが多く、
- トップページにサービス導線+導入メリット+料金目安までを集約
- サブページでも文章+図+事例+Q&Aの構成
- スマホでは縦長になりすぎないようアコーディオンやカードUIで整理
といった、情報の“密度”と“可読性”のバランスをとる工夫が求められます。
海外の「ホワイトスペースを活かした引き算デザイン」に比べると、日本では足し算で安心感を生むUXが根付いており、この違いを理解することが、国内向けサイト制作には不可欠です。
漢字混在のタイポグラフィとレイアウト課題
もう一つ、日本のWebデザインが特有の設計思想を持つ理由として挙げられるのが、文字の構成の複雑さです。
日本語は「漢字・ひらがな・カタカナ・英数字」が混在する言語であり、英語ベースのタイポグラフィ設計とは前提がまったく異なります。
- 文字ごとのサイズ感・重さの違い
- 行間や余白のバランスが均等に見えづらい
- 漢字が縦にも横にも圧縮されにくい
- 欧文フォントのようなウェイトのバリエーションが少ない
といった課題があり、単純に欧米のデザインを“輸入”しても整って見えないという壁に多くのデザイナーがぶつかります。
TREVOでは、こうした日本語特有の課題に対応するために、
- モリサワやフォントワークスの日本語Webフォントを活用
- スマホ閲覧を前提に行間を1.7〜1.9emで設計
- タイトルやCTAにはゴシック体の太めフォントを使って印象を統一
- フォントサイズの上限を設定して縦方向の暴れを抑える
といったアプローチを取っています。
また、日本語の「縦書き文化」や「文字詰めの緻密さ」も影響しており、コンパクトに、かつ正確に情報を伝えることが日本語Webの特徴と言えるでしょう。
グローバルデザインとの相互作用
こうした日本特有のUXやUI設計がある一方で、2020年代以降はグローバルなデザイントレンドとの融合も進んできました。
実際、TREVOでも海外製テンプレートをベースにしたLP制作や、外資系クライアントとの共同案件などで、グローバルスタンダードと日本的表現の“折衷案”を模索する機会が増えています。
たとえば以下のような対応が求められます。
- 海外風の余白が多いミニマルデザインを基調にしながらも、
→ 日本語では説明補足をツールチップやアコーディオンで補完 - CTAボタンはシンプルにしつつ、
→ 「お問い合わせはこちら」など丁寧な文言を採用 - ユーザー導線を1本に絞る海外LPに対して、
→ 日本では比較資料や導入事例を途中に挟むことで離脱を防止
こうした相互作用によって、今では「海外風か日本風か」ではなく、“ハイブリッド型のUI/UX”こそが最も成果を出しやすいデザインスタイルになりつつあります。
特にBtoBサイトでは「安心感」と「洗練された印象」の両立が必要とされるため、文化的背景を理解した上での設計力が、これまで以上に重視される時代となっています。
2025年の展望と戦略
AIと共創するデザインの未来
2025年現在、Web制作の現場ではAIを活用したデザインやコンテンツ生成が着実に実用フェーズへと進んでいます。
デザイン生成AI(例:Uizard, Adobe Firefly)、ライティングAI(例:ChatGPT, Notion AI)、コーディング支援(例:GitHub Copilot)など、制作フローの随所にAIツールが導入されはじめています。
TREVOでも、ブログ記事の構成案の作成や、参考デザインの自動生成、画像のリサイズ・バナー案のたたき出しなど、“時間を奪われやすい部分をAIに任せ、判断・仕上げは人が行う”という役割分担で活用が進んでいます。
特に注目しているのが、AIが「選択肢を出す力」に長けているという点です。
あくまで「代替」ではなく、「共創(Co-Creation)」としての活用を前提にすることで、
- アイデア出しの初動が高速化
- バリエーションの幅が広がる
- 人間の判断力・表現力に集中できる
といった人間中心のクリエイティブ強化が可能になります。
TREVOでは今後も、AIを“効率化ツール”としてだけでなく、“創造力を引き出すパートナー”として捉え、現場に最適な使い方を模索していく方針です。
ユーザーに寄り添うハイパーパーソナライズ
これからのWebサイトは、単なる「情報を並べる場」ではなく、ユーザー1人ひとりの文脈に合わせた体験(パーソナライズ)を提供する場へと進化しています。
2025年時点では、以下のような実装が中規模以上のサイトでも一般的になってきました。
- アクセス地域や閲覧履歴に応じてバナーやおすすめ商品を変える
- ユーザーの興味関心ごとにCTAの表現を出し分ける
- メールマーケティングやLINE連携でシナリオ型の体験を設計する
TREVOでは、アクセス解析(GA4)やヒートマップ分析(Clarity, Microsoft Session Replayなど)を用いて、「どのユーザーがどこで迷っているか」を可視化し、そのうえで動的コンテンツの出し分けやABテストを実施しています。
特に近年重視しているのが、パーソナライズ≠押しつけにならないこと。
- 行動に応じて“寄り添う”
- 興味がある情報だけを“そっと提示する”
- 「読まれなかった理由」をデータで見つけて改善する
といったナチュラルな接客を意識したコンテンツ設計がカギとなります。
TREVOでは2025年も、「押しつけがましくない、でも心地よい」パーソナライズを目指して、ツール選定とクリエイティブ設計を両立させていきます。
Web3・可変フォント・グリーンウェブ開発の可能性
2025年以降のWeb業界を語るうえで見逃せないのが、「構造」「表現」「環境」という3つのキーワードです。これらはまだ主流ではないものの、未来のWebをかたちづくる可能性を秘めています。
Web3と分散型設計
Web3(分散型Web)は、ブロックチェーンやNFTといったキーワードで語られがちですが、Web制作者にとっての本質は、
- 中央管理を前提としない構造設計
- ユーザーが自らデータを所有する未来
という点にあります。
TREVOでは、Web3に関するご相談はまだ少ないものの、「会員情報をブロックチェーンで守る」「履歴や投票記録の改ざん防止」など、行政・教育・研究分野での応用可能性を感じています。
可変フォント(Variable Fonts)
デザイン面では、可変フォントが注目を集めています。
これまで、フォントの太さ(ウェイト)や幅(ワイド)は複数のファイルに分かれていましたが、可変フォントは1つのフォントファイルで幅広い表現を実現できます。
- 読みやすさとデザイン性の両立
- レスポンシブ対応時の柔軟な調整
- Web表示の軽量化(パフォーマンス改善)
といったメリットが生まれます。
日本語でも「百千鳥(ももちどり)」のような試験的なフォントが登場しており、TREVOでも段階的な導入を検討しています。
グリーンウェブ開発(サステナブルWeb)
そして近年、Web開発の環境負荷に目を向ける動きも広がっています。
表示速度や省エネ設計はユーザー体験だけでなく、CO₂排出量の削減という視点からも注目されています。
- 不要スクリプトの削除、画像の軽量化
- CSS/JSの最小化と遅延読み込み
- LiteSpeed Cache等を用いたサーバー側の高速化
- ダークモードや低輝度設計で消費電力を抑える試み
これらは、環境意識の高まりとともに、「選ばれる企業・ブランド」となるための要素になっていくでしょう。
2025年、Webは「つくる」時代から「育てる」時代へと完全に移行しました。
TREVOでは今後も、AIとの協業、文化的UXの理解、テクノロジーの適切な選択を通じて、ユーザーと事業者が共に成長できるWeb体験を設計していきます。
TREVOが考える、これからのホームページ制作とは
普遍的な価値とユーザーに伝わるデザイン
どれだけWebの技術が進化しても、「誰に、何を、どう伝えるか」という本質は変わりません。
TREVOが考えるホームページ制作の根幹は、「ユーザーに伝わること」です。
ビジュアルが美しくても、読み込みが速くても、「何が言いたいのか分からない」サイトでは意味がありません。
逆に、多少見た目が地味でも、「このサービスが自分に合っている」と納得できるサイトであれば、ユーザーのアクションに繋がります。
私たちは、企業やサービスが持つ想いや価値を、わかりやすく・魅力的に・誤解なく伝えるために、デザイン・ライティング・構成すべてに意図を持たせて設計しています。
そして、訪問者に「ちょっと見てみようかな」「問い合わせてみようかな」と思ってもらえる――
その“気持ちの動き”を生むことが、ホームページの最も重要な役割だと考えています。
進化を受け止め、地に足のついた実践を
AI、PWA、Web3、可変フォント…。
この15年の間に、Webの世界は驚くほど進化しました。
TREVOでも、最新のテクノロジーを研究し、適切に取り入れる努力を続けています。
ですが、「新しいから使う」ではなく、「目的に合っているか?」を冷静に判断することが何より大切です。
- 更新頻度が高いサイトにはCMS(WordPress)を
- 瞬発力が求められるキャンペーンにはLPを
- 検索対策が重要な企業にはSEO設計を
- 誰にでも伝わるサイトにはアクセシビリティを
TREVOでは、流行に流されるのではなく、“地に足のついた提案”をする制作会社でありたいと考えています。
そのために、技術・デザイン・言葉・運用、あらゆる面から企業にとって本当に成果につながるホームページを一緒に育てていきます。
大阪で培った制作現場の知見から
TREVOは、大阪を拠点にこれまで500以上のホームページ制作に携わってきました。
業種も規模も様々なクライアントと接するなかで、私たちが大切にしてきたのは「相手の立場で考えること」です。
大阪という土地柄もあってか、クライアントは良い意味で「遠慮がなく、実利に厳しい」方が多く、
「それ、ほんまに効果あるん?」
「見栄えだけよくてもしゃあないやろ」
といった本音のやり取りを何度も重ねてきました。
そういった現場で培った感覚は、今も私たちの制作スタンスに息づいています。
- 伝わることを最優先に
- ごまかさず、丁寧に向き合う
- 企業と一緒に成長するホームページを考える
これからもTREVOは、大阪で、そして全国で、本当に価値のあるホームページ制作を追求していきます。
15年にわたるWebの変遷を振り返るこの記事は、単なる歴史の整理ではなく、
私たちTREVOがどのように考え、選び、進んできたかの記録でもあります。
技術は進化しても、人に伝える姿勢は変わらない。
これが、私たちが目指す「これからのホームページ制作」です。
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大阪のホームページ制作会社TREVOでは、ホームページ制作に関する情報を掲載しています。最短2日で仮サイトを公開するサービスやSEO対策に特化したホームページ制作、オリジナルホームページデザイン、ライティング、リスティング広告、WEBマーケティングなどのサービスをご紹介しています。