【徹底解説】2025年3月版Google検索オフィスアワー徹底まとめ
2025.03.31.
本記事では、2025年3月27日に公開された「Japanese Google Search Office Hours( #Google検索オフィスアワー )」の動画内容をもとに、ウェブ担当者やサイトオーナーに役立つ最新情報を詳しく解説します。今回も、Google社員による最新情報の紹介や、多岐にわたる質問への回答、さらにはGoogle検索セントラル ヘルプコミュニティのプロダクトエキスパートプログラムに関する特別企画が盛り込まれています。
動画を視聴する時間がない方や、要点だけを素早く確認したい方のために、動画のポイントを網羅した形でまとめています。ぜひ最後までご覧いただき、今後のサイト運営やSEO施策にお役立てください。
Q1. 新規ユーザーのアクセス減少に関する疑問
質問内容
広告運用を停止したところ、Analyticsで毎週400前後あったはずの新規ユーザーが激減。そもそも正しく計測できていないのでは?と疑問に思い、自分のIPアドレスを調べてみるとGoogleの「PR○○○」のような表記があった。レポートに影響を及ぼす可能性や、何らかの対策は?
回答概略
- 解析ツール(Googleアナリティクス)におけるIPアドレス除外やクローラーのブロック設定等の問題が想定される。
- Googleクローラーをブロックリストから除外した場合でも、すぐにレポートが“正常化”するとは限らない。
- 詳細は、Googleアナリティクス関連の公式フォーラムで尋ねてみると有益な情報が得られる可能性が高い。
TREVOの補足
運用フェーズが切り替わったタイミング(広告停止など)でアクセス動向が大きく変わることは珍しくありません。まずはIP除外設定やフィルタリングルールを再確認し、正しいデータ取得環境を整えましょう。
Q2. サイト内で生成されていないURLについて
質問内容
「自分のサイトでは生成されていないはずのURLを、Googlebotがクロールしてくる。これはなぜ?」
回答概略
- Googleはインターネット上で見つけたあらゆるURLをクロールの対象とする。
- GoogleがURLを“偽造”することはないが、どこか外部サイトから誤ったリンクが貼られている可能性もある。
- 特定URLをクロールさせたくない場合は
robots.txt
でブロックできる。
TREVOの補足
外部サイトや古いSNS投稿、あるいは自分の過去の開発環境などの名残がリンクとして残っているケースは少なくありません。Search Consoleの「リンク」レポートやログを見て、余計なURLがどこから参照されているか調べてみましょう。
Q3. 各種ツールのデータ不一致(Discover流入の計測)
質問内容
Discoverからの流入は、Googleアナリティクスでダイレクトとして分類されることが多いとよく言われる。
しかしSearch Console上のDiscoverクリック数が1万であっても、GAではオーガニックが約5,000、ダイレクト5,000と半々になっている。
つまり、一部がオーガニックで計測されている? 実際のところどうなのか?
回答概略
- サーチコンソールとアナリティクスは別ツール であり、データ定義や計測方法が異なる。
- 「Discover → ダイレクト」という一般的な傾向はあるが、状況次第でオーガニック扱いになるケースもあり得る。
- 不一致の背景や定義の違いは、公式ドキュメント「Search Console と Google アナリティクスのデータの不一致について」を参照。
TREVOの補足
Discoverによる流入は計測上、必ずしも一律にダイレクトと判定されるわけではありません。サーチコンソールの指標とアナリティクスの指標を比較する際は、それぞれの定義や集計タイミングをよく理解する必要があります。
Q4. 特定ページがインデックスされない問題(ノーインデックス設定の影響)
質問内容
弁護士ポータルサイトを運営しており、数万ページ規模。リリース直後、一部ページにノーインデックスが付いたまま公開してしまった。ノーインデックスを解除しても、なぜかクロールが進まずインデックスされない。サーチコンソールの手動リクエストではインデックスされるが、自然クロールに時間がかかっている?
回答概略
- 実際に確認した限りでは、質問者さんのサイトの多くは問題なく検索結果に登録されている可能性が高い。
- Googleがサイトの変更を認識・反映するまで一定の時間がかかる。
- サイト内のセクションやページによってクロール速度が異なる場合も多い。気長に様子を見ながらサーチコンソールも活用するのがよい。
TREVOの補足
大規模サイトでノーインデックス誤設定があった場合、解除後もクローラーが再確認するまで遅れが生じがちです。加えて、サイト内の構造やリンクの張り巡らせ方が重要です。内部リンクを適切に設定し、クロールしやすい構成になっているか再点検しましょう。
Q5. URL検査でソースコード一部が特殊文字に変換されている
質問内容
サーチコンソールのURL検査ツールでソースコードを確認すると、一部特殊文字(エンコードされた文字)が混ざっていた。こうした場合、何かSEO上のデメリットがあるのか?
回答概略
一般的なエンコードの範囲内であれば問題ない。
フロント側で文字化けが起こるわけでないなら、特にSEO上の影響はない。
TREVOの補足
JavaScriptやHTMLの実装で、エンティティコードなどが自動変換される場合があります。実際のレンダリングが問題ないなら、細かいエンコード差異はさほど気にしなくても大丈夫です。
Q6. PDFファイルをクロール対象外にしたい場合
質問内容
PDFファイルを検索結果に出したくない。だがノーインデックスタグやHTTPヘッダーを活用できず、パスワード保護もしたくない。試しに robots.txt
を使ったら、「ブロックされましたがインデックスに登録しました」というアラートが来た。これは以下A or Bどちらを意味する?
A:インデックスはされたが、今後検索結果には表示されない
B:インデックスはされているので将来的に表示されるかも
回答概略
- Aが正しい。
robots.txt
はクロールをブロックする手段であり、結果として本文が見えないため、通常は表示されない形になる。 - PDFファイルならば、HTTPヘッダーで
X-Robots-Tag: noindex
を返すのがベストプラクティス。 - どうしてもヘッダーが使えない場合、
robots.txt
だけで対処するケースもあるが、GoogleがURLを見つけるとメタ情報だけでインデックスが残ることがありうるので注意。
Q7. 検索結果のサイト名表示を変更したいが反映されない
質問内容
ECサイトのリブランディングに合わせてサイト名を変更したが、検索結果に新サイト名が表示されない。何か対処法はある?
回答概略
- Google検索に対してサイト名を指定する方法は公式ドキュメントを参照。
- 新しいサイト名の反映には時間がかかる場合がある。引き続きメタ情報や構造化データを適切に設定した上で、落ち着いて待ってほしい。
TREVOの補足
サイト名の変更は、検索結果の“見え方”に大きく影響します。ブランド変更時は、サイト構造やヘッダー、構造化データなどに十分配慮し、Googleに正しく新ブランドを伝えましょう。
Q8. 大手サイトとサービス名が似ている場合の対処
質問内容
大手サービス名と自社サービス名が酷似しており、サープ(関連する質問)に自社の問い合わせ先が表示されてしまうなどトラブル発生。電話が誤ってかかってくる。フィードバックしても改善されないが、こちら側で打てる手は?
回答概略(Google側回答は厳しめ)
- 可能であれば、他社ビジネスと似た名前を選ばないでほしい。
- Googleシステム側が異なるサービスであることを認識し、適切に切り分けるようになるかもしれないが、いつになるかは分からない。
- フィードバックを送り続けること以外、確実な対処法は提示できない。
TREVOの補足
名称が似通っている場合、Googleだけでなくユーザー側にも混乱が生じます。ビジネス面の工夫として、ブランディングを再検討する、問い合わせ用ページに大きく注意書きを入れるなど現実的な対策が求められます。
Q9. サーチコンソールの公開URLテスト&インデックスリクエストが使えない
質問内容
サーチコンソールにて、公開URLテストやインデックスリクエスト機能がエラーにより実行できない状態。実行回数の制限やサイト側の問題か、原因がわからない。
回答概略
- 現時点(収録時点)では該当の不具合は確認されていない。
- いま一度試してみてほしい。もし同現象が継続する場合は、改めて報告してほしい。
TREVOの補足
サーチコンソール側の一時的な不具合の場合も考えられます。時間を置いて再度トライするか、ブラウザを変えてみるなどの基本対処を試してみましょう。それでもダメな場合、Google公式フォーラムにスクリーンショット付きで質問すると解決に近づきやすいです。
Q10. アダルト判定の条件が不明瞭でサイトが再度判定を受ける
質問内容
メンズエステ関連サイトがアダルト判定を受け、修正しても再度判定を受ける。ガイドラインを見ても詳細条件は書かれておらず、確信部分がわからない。もう少し詳細を開示してもらえないか?
回答概略
- 既存のドキュメント以上に詳細を提示することはできない。
- SafeSearch(セーフサーチ)の判定に関する問題と考えられ、サイト内の文言やコンテンツが総合的に判断される。
- 具体的には「セーフサーチ ヘルプドキュメント」や「セーフサーチに関する問題を解決する」などが参考になる。
TREVOの補足
性的な意味合いを持つ用語や画像、表現があいまいに含まれると、意図しないアダルト判定を受けることがあります。SafeSearchの仕組み上、Googleは“あいまいなグレーゾーン”に対しても保守的に判定しがちなので、サイト内の文言や表現を慎重に見直す必要があります。
Q11. HTTPで閲覧できないサイトのSEO上の問題
質問内容
HTTPSプロトコルのみ閲覧可能で、HTTPでアクセスするとエラーになる。SEO的に不利になるか?
回答概略
- SEO上の大きな問題はない。
- ただしユーザビリティ的にはあまり好ましくないため、必要に応じてリダイレクトなどを設定し、HTTPアクセスを自動でHTTPSに誘導するのが望ましい。
TREVOの補足
GoogleはHTTPSを推奨していますが、HTTPで接続したときに完全にアクセスできない状態(リダイレクトなし)は、ユーザーが混乱する場合があります。サーバー設定でHTTP→HTTPSへリダイレクトを設定しましょう。
Google検索セントラル プロダクトエキスパートプログラム紹介
ここからは動画の後半に設けられた特別セクションです。検索セントラル ヘルプコミュニティで活躍中のプロダクトエキスパート(PE)たちが、プログラムの詳細を丁寧に紹介してくれました。内容をかいつまんでご紹介します。
プロダクトエキスパート(PE)とは?
Googleが各製品(検索、Gmail、Chromeなど)ごとに設置しているヘルプコミュニティで、ユーザー同士が質問&回答をする公式フォーラムが存在する。
そこで積極的に他ユーザーをサポートし、豊富な知識や経験で問題解決に貢献するユーザーに与えられる認定ステータスが「プロダクトエキスパート」。
検索セントラルでは主にSEOや検索インデックス、サーチコンソールの使い方などに関する質問が多い。
PEプログラムのメリット・特典
Google主催のサミット(PEサミット)に参加できる
- 世界各地(ロンドン、シンガポール、インドなど)で開催。
- 新機能やアップデート情報を先行で知るチャンス。
- 社員や世界中のPE仲間との交流・ネットワーキングが楽しめる。
オリジナルグッズや賞(アワード)がもらえる
- Googleロゴ入りパーカーやステッカー、マグカップなど。
- トラブルシューティングや活動貢献が認められると表彰されることも。
新機能のベータテスト参加やコミュニティマネージャーへの直接フィードバック
- サーチコンソールの未公開機能をいち早く試し、開発チームへ意見を送る。
- フォーラムで発生している大量のユーザー問い合わせを直接Googleへ報告できる。
活動内容の例
ヘルプコミュニティで他ユーザーの質問に回答し、問題解決をサポート。
FAQ・学習コンテンツを作成し、繰り返し発生する疑問を誰もが解決できるようにする。
コミュニティマネージャー(Google社員)へ問題報告や改善提案を行う。
新人PE(ブロンズ・シルバー)向けにメンターとしてアドバイスを実施。
PEのランクステータス
ブロンズ → シルバー → ゴールド → プラチナ → ダイヤモンド の5段階。
活動量・質・フォーラムへの貢献度などに応じてステータスが上がる。
サミットへのリアル参加はプラチナ以上が原則。シルバーでも一部オンライン参加は可能。
参加条件
検索やSEOが好きなこと
「人の役に立ちたい」という意欲があること
経験や知識は参加しながら身につければOK。
参加はボランティアベースで強制力はなく、好きなタイミングで質問に回答するスタイル。興味がある方は、まずコミュニティで回答を始めてみるのがおすすめです。
まとめ
今回のオフィスアワー(2025年3月27日版)では、ロボット関連復習シリーズやSearch Central Live Asia-Pacificの情報、そして全11件のQ&Aが紹介されました。さらに後半には、Google検索セントラル ヘルプコミュニティのプロダクトエキスパートプログラムが特集され、具体的なメリットや楽しみ方が詳しく語られました。
Q&A部分では、ノーインデックスの解除後にクロールがなかなか進まないケースや、PDFファイルをインデックスさせないためのベストプラクティスなど、多くのサイト運営者が抱えやすい疑問がカバーされました。
プロダクトエキスパートプログラムは、SEOに携わる方やGoogle検索に興味がある方にとって、非常に魅力的なコミュニティです。学びながら他ユーザーを助けることで、結果的に自サイトの知識・改善にも役立ちます。
TREVOでは、最新のGoogle検索情報やSEO、サイト制作における最適化ポイントを日々追いかけながら、お客様のビジネスをサポートしています。もし今回のオフィスアワーの内容で気になる点がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。今後もTREVOのブログでは、引き続きGoogle関連のトピックやウェブ制作のノウハウを紹介してまいります。
次回のGoogle検索オフィスアワー(2025年4月24日予定)も見逃せません。ぜひ最新情報をキャッチして、検索最前線の知見をアップデートしていきましょう!