2025年2月27日に開催された「Google検索オフィスアワー」は、Googleの現場から直接届く最新の情報や実践的なアドバイスが盛りだくさんのイベントです。今回の動画では、Google社員が実際のご質問に沿って、SEOやサイト運営に関するさまざまな疑問に回答しました。この記事では、動画の内容をもとに各質問のポイントを詳しく解説し、株式会社TREVOならではの視点や補足情報を加えながら、ウェブ担当者やサイト運営者にとって知っておくべき情報を網羅的にお届けします。
目次
- 1 メタディスクリプションは一意である必要があるか(1:40~)
- 2 URL検査ツールのスクリーンショット表示問題と修正の必要性(3:46~)
- 3 AJAXによる非同期処理のクロールについて(5:30~)
- 4 サイトトップがインデックス登録されない問題(6:48~)
- 5 身に覚えのないリダイレクトの発生(8:08~)
- 6 検索をより親しみやすくする取り組み(10:58~)
- 7 年齢確認ページの取り扱い(14:09~)
- 8 重複事業の記事をサブドメインで展開する際の順位の違い(15:22~)
- 9 特定ディレクトリ配下のdisallow解除について(17:34~)
- 10 Google Search Consoleのデータ変動について(19:19~)
- 11 まとめ
- 12 関連記事
メタディスクリプションは一意である必要があるか(1:40~)
動画内の回答概要
質問内容
ホームページや総合ページで同一のメタディスクリプションを使用しても問題ないか?
回答
ページごとに固有の説明を作成することが推奨されるが、全ページに個別の説明を設定する余裕がない場合は、主要なページ(ホームページや人気ページ)を優先すれば問題ない。
補足解説
メタディスクリプションは、検索結果に表示されるスニペットとしてユーザーのクリック率(CTR)に大きな影響を与えます。
一意性のメリット
ページごとに固有の説明を用意することで、各ページの内容がより正確に伝わり、ユーザーの意図に沿った情報提供が可能になります。
現実的な対応
すべてのページに対して個別のディスクリプションを用意するのが難しい場合は、重要度の高いページのみで対策を講じ、その他のページは共通の説明を利用することで運用コストを抑える手法も有効です。
URL検査ツールのスクリーンショット表示問題と修正の必要性(3:46~)
動画内の回答概要
質問内容
SPA(シングルページアプリケーション)で構築されたサイトのURL検査ツール結果で、HTMLは取得されているがスクリーンショットに背景色のみしか表示されず、コンテンツが確認できない場合、修正が必要か?
回答
このような事象は問題であり、テストツールでは500エラーが返されることも。Googlebotが正しくコンテンツをクロールできるよう、設定の見直しと改善が必要。
補足解説
SPAの場合、クライアントサイドでコンテンツが動的に読み込まれるため、レンダリングのタイミングによってはGoogleのクローラーが完全なコンテンツを認識できないことがあります。
対策
サーバーサイドレンダリング(SSR)の導入や、プリレンダリングの実施を検討しましょう。また、テストツールでのエラー表示は、実際のインデックス登録に影響を与える可能性があるため、早期の対応が求められます。
AJAXによる非同期処理のクロールについて(5:30~)
動画内の回答概要
質問内容
AJAXで非同期に呼び出しているコンテンツがGoogleクローラーにクロールされているか?
回答
Googleではレンダリング時にAJAXを用いていますが、ページの読み込みが遅い場合、非同期部分が除外される可能性があるので、ページ高速化の検討が必要。
補足解説
非同期処理で読み込むコンテンツは、ユーザー体験を向上させる一方で、クロールに時間がかかる場合があるため、以下の対策が有効です:
ページ速度の改善
ページ全体の読み込み速度を上げることで、Googlebotが完全なレンダリング結果を取得できるようになります。
適切な設計
必要に応じて、重要なコンテンツは初期HTMLに含めるなど、設計段階からクロールのしやすさを考慮しましょう。
サイトトップがインデックス登録されない問題(6:48~)
動画内の回答概要
質問内容
サイトトップがインデックス登録されないケースがあるが、その原因は?
回答
実際には、サーバーサイドレンダリング(SSR)の影響や、一時的なサーバーの不具合が原因となることがある。具体的なサイトによっては、設定やタイミングによりインデックス状況が変動するため、エンジニアやサイト構築担当と協議することが望ましい。
補足解説
サイトトップは通常、最も重要なページであるため、確実にインデックスされることが求められます。
原因の洗い出し
サーバーの設定、キャッシュ、SSL証明書の更新、または一時的なシステム障害など、さまざまな要因が影響している可能性があります。
対策
定期的なサイト診断とGoogle Search Consoleのエラー確認を行い、問題発生時には迅速に対応する体制を整えましょう。
身に覚えのないリダイレクトの発生(8:08~)
動画内の回答概要
質問内容
WordPressサイトにおいて、特定の投稿ページで「リダイレクトあり」という表示があるが、実際は正常にインデックス登録されているケースについて。
回答
URLの最後のスラッシュの有無により、別のURLとして認識されることが原因。リダイレクト自体は必ずしも問題ではなく、設定の確認と統一が重要。
補足解説
URLの末尾にスラッシュがあるかないかは、技術的には別URLとして扱われます。
統一性の重要性
サイト内リンクやcanonicalタグの設定により、どちらのバージョンを正式なものとするかを明確にすることが、SEO上の混乱を防ぐポイントです。
運用の注意点
リダイレクト設定が意図的かどうかを再確認し、ユーザーやクローラーに対して一貫性のある対応を心掛けることが大切です。
検索をより親しみやすくする取り組み(10:58~)
動画内の回答概要
質問内容
検索をより親しみやすくするための施策について、具体例として「安藤ケンサク」というゲームを挙げつつ、今後の取り組みの可能性を問う。
回答
安藤ケンサクについては初耳というコメントもあり、Googleとしては公式サービスではないため直接のコメントは避けるものの、ユーザーが理解しやすいコンテンツの提供(例:漫画コンテンツの導入など)に力を入れている。
補足解説
ユーザーが検索に対して親近感を持つようにするためには、従来の文字情報だけでなく、ビジュアルやストーリー性を持ったコンテンツの提供が効果的です。
漫画コンテンツの導入
複雑な仕組みや技術的な背景を、視覚的にわかりやすく説明することで、初心者にも優しい検索体験を提供できます。
ユーザーフィードバック
株式会社TREVOのクライアントやユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れることで、さらに魅力的なコンテンツ制作につながるでしょう。
年齢確認ページの取り扱い(14:09~)
動画内の回答概要
質問内容
年齢認証ページでリッチリザルトテストツールに「アイテムが検出されなかった」と表示される件について、構造化データの追加は必要か?
回答
Googlebotは年齢確認をトリガーせずにコンテンツをクロールできるため、基本的に構造化データの追加は不要。ただし、公式ドキュメントを確認することを推奨。
補足解説
年齢確認ページはユーザー向けのUIとして存在する一方、クローラーにとってはコンテンツの一部として扱われないことが望ましい場合もあります。
公式ガイドラインの確認
必ず最新のGoogle公式ドキュメントを参照し、どのような設定が推奨されているか確認することが重要です。
ユーザー体験とのバランス
ユーザーがアクセスする際の利便性と、検索エンジンに正しく情報が伝わることのバランスを見極めましょう。
重複事業の記事をサブドメインで展開する際の順位の違い(15:22~)
動画内の回答概要
質問内容
複数のサブドメインで運用している場合、重複するコンテンツがあるとどちらか一方が上位表示されにくくなるか?
回答
本質的には別サイトとして扱われるため順位はそれぞれで決まるが、同一内容を複数表示する意味は薄いため、どこに価値を集中させるかを検討すべきとのこと。
補足解説
同じ事業内容を複数のサブドメインで運用する場合、コンテンツの重複がSEO上の評価に影響を与える可能性があります。
コンテンツの差別化
できるだけ各サブドメインごとに差別化を図り、ユーザーにとって有用な独自コンテンツを提供することが理想的です。
戦略的な運用
もしあえて同様のコンテンツを展開する場合は、内部リンクやcanonicalタグを活用し、どのページを正規版とするか明確にしておくとよいでしょう。
特定ディレクトリ配下のdisallow解除について(17:34~)
動画内の回答概要
質問内容
プロフィールページなど、大量のページを一気にdisallowから解除する場合、スパムと誤認されるリスクはあるか?また、段階的な解除は可能か?
回答
リンクの問題ではなくクロールの問題であり、段階的に解除しても特段の問題はない。ただし、ロボットテキストの大文字小文字の区別など、実装時の注意が必要。
補足解説
ロボットテキストの設定変更は、一度に大量のページのクロール状況に影響を与えるため、慎重な運用が求められます。
段階的アプローチ
段階的に解除することで、急激なサイト内リンクの増加による不具合やスパム認識のリスクを最小限に抑えられます。
設定の正確性
大文字と小文字の区別など、細かな仕様に注意して実装することが、意図しないクロールエラーを防ぐポイントです。
Google Search Consoleのデータ変動について(19:19~)
動画内の回答概要
質問内容
1月16日頃から急激なデータ変動が見られる件について、Search Consoleの仕様変更があったのか、またその要因と今後の動向は?
回答
一部の指標に大幅な変動が見られるが、サイトによっては通常の変動の範囲内であり、グラフに注釈を加えるなどしてユーザーに情報提供をしている。大きな変更があったというよりは、変動自体は起こり得る現象。
補足解説
Search Consoleのデータ変動は、ツール自体の更新やアクセス状況の変動、アルゴリズムの調整など、複数の要因で発生します。
安定性の確認
長期的なトレンドと比較することで、単一の期間の変動が一時的なものであるかを判断できます。
ユーザーへの情報提供
サイト運営者は、こうしたデータ変動を正しく理解し、必要に応じてレポートや注釈で説明することで、クライアントや関係者への信頼性を向上させることが可能です。
まとめ
今回のGoogle検索オフィスアワー2025年2月27日の内容は、SEOやサイト運営における実践的な課題とその解決策について、非常に具体的かつ実用的なアドバイスが多数提供されていました。各質問に対するGoogle側の回答は、現状の技術的な背景や今後の運用のヒントが詰まっており、株式会社TREVOのクライアントやウェブ担当者にとっても大いに参考になる内容です。
株式会社TREVOでは、こうした最新の情報をもとに、サイト制作や運用の最適化をサポートしております。もし、今回の内容についてさらに詳しく知りたい、または具体的な改善策のご相談がある場合は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
今回のオフィスアワーのポイントを整理しながら、今後のサイト運用に活かしていただければ幸いです。引き続き、最新のGoogle関連情報やウェブマーケティングのノウハウを発信してまいりますので、今後とも株式会社TREVOのブログをよろしくお願いいたします。
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板浪雅樹