第5回:流入経路の分析で効果的な集客戦略を策定
さまざまなトラフィックソース(流入経路)を分析し、効果的な集客戦略へと結びつけるための具体的なポイントを解説します。オーガニック検索(SEO)、広告キャンペーン、ソーシャルメディア、リファラル流入などを的確に把握することで、より戦略的なマーケティング施策が可能になります。ここでは、Googleアナリティクス(GA4)を中心に、どのメニュー・レポートを参照すれば良いかを詳しく紹介します。
流入経路分析の重要性
あらゆるウェブサイトにおいて、ユーザーがどのチャネルを経由して訪れるかは、マーケティング戦略やサイト改善策を練る上で非常に重要です。オーガニック検索から多くのユーザーが来ているのか、SNS広告が成果を出しているのか、他サイトからのリファラル流入がコンバージョンにつながっているのかを正確に把握すれば、効果的な集客戦略を立案できます。
主な流入経路の種類とGA4で確認すべき項目
オーガニック検索(SEO)からの流入
確認方法:
- GA4にログインし、左メニューの「レポート」をクリックします。
- 「ライフサイクル」→「集客」を選択し、「概要」や「トラフィック獲得」を開きます。
- 「セッション獲得チャネル」レポートなどを確認し、「Organic Search」を選択すると、オーガニック検索からの流入数やセッション継続時間、コンバージョン発生率などが把握できます。
ポイント:
- オーガニック検索流入が多いページを特定することで、どのコンテンツが検索エンジンから評価されているかを判断できます。
- 「エンゲージメント」メニューで平均エンゲージメント時間やイベント発生率を確認し、検索ユーザーがどの程度サイトに満足しているかを分析します。
広告キャンペーン(リスティング広告・ディスプレイ広告)からの流入
確認方法:
- 「集客」→「ユーザー獲得」や「トラフィック獲得」のレポートを開きます。
- 「セッションソース/メディア」で
google/cpc
やdisplay
など、広告関連のトラフィックソースをフィルタリングします。 - UTMパラメータで付与したキャンペーン名(
utm_campaign
)を使用している場合、「集客」の「キャンペーン」レポートで特定のキャンペーン成果を確認できます。
ポイント:
- 広告クリック後のコンバージョン率やエンゲージメントを確認し、出稿したキーワードやバナーの効果測定に役立てます。
- 無駄な広告費を削減するため、コンバージョンに寄与しないキャンペーンを洗い出します。
ソーシャルメディアからの流入
確認方法:
- 「集客」レポートで、トラフィックソースを
facebook.com
、twitter.com
などのSNSドメインでフィルタします。 - または「集客」→「トラフィック獲得」レポートで、
Social
や特定のソーシャルメディアがセッションの獲得経路としてどれくらいの割合を占めているか確認します。
ポイント:
- ソーシャルメディア流入元別のエンゲージメント率やコンバージョン率を比較し、どのSNSが効率的な集客チャネルかを把握します。
- 動画コンテンツが多いSNSからの流入が増えた場合、そのコンテンツ領域を強化するといった戦略立案が可能です。
ダイレクトトラフィック(直接流入)
確認方法:
- 「集客」→「トラフィック獲得」レポートで
(direct)
と表示されるソースを確認します。 - ダイレクトトラフィックはブックマークやURL直打ちが主な要因ですが、UTMが設定されていないメールやPDF内リンクなどもダイレクトとして計測される場合がある点に注意します。
ポイント:
- ダイレクトトラフィックが増えている場合、ブランド認知度の向上やリピーター増加が考えられます。
- UTMパラメータの設定が不足している場合もダイレクト増加の要因となるため、キャンペーンURLのトラッキングを徹底しましょう。
リファラル(他サイトからの被リンク)からの流入
確認方法:
- 「集客」→「トラフィック獲得」で
referral
を選択すると、他サイトからのリンク流入を確認できます。 - 「セッションソース/メディア」や「参照元」ディメンションを用いて、特定のサイト(ブログメディアやニュースサイトなど)からの被リンク効果を分析します。
ポイント:
- 業界関連ブログや媒体からの流入が多ければ、そのサイトとのパートナーシップやコンテンツコラボを検討できます。
- リファラル元がコンバージョンに寄与している場合、そのサイトとの関係強化が有効です。
流入経路分析に役立つ主要指標
セッション数とユーザー数
確認ポイント:
- 「レポート」→「ライフサイクル」→「ユーザー獲得」や「トラフィック獲得」などで、特定チャネルのセッション数・ユーザー数を確認します。
- 新規ユーザーとリピーターの割合を分析し、マーケティング施策の定着度を測ります。
イベント完了数
確認ポイント:
- 「エンゲージメント」→「イベント」で、設定したコンバージョンイベント達成数やコンバージョン率を確認します。
設定方法は、前回の記事「第4回:コンバージョン(イベント設定)でビジネス成果を見える化」を参考に設定してください。
- 各流入経路別に比較し、最も効率的な集客チャネルを特定します。
ページ滞在時間とエンゲージメント率
確認ポイント:
- 「エンゲージメント」レポートで平均エンゲージメント時間やイベント発生率を確認します。
- 流入元ごとのエンゲージメント差を把握し、顧客満足度やサイト評価改善のヒントとします。
UTMパラメータでの詳細分析
確認ポイント:
- 広告やメール、SNS投稿にUTMパラメータ(
utm_source
、utm_medium
、utm_campaign
など)を付与し、「キャンペーン」レポートで特定の施策効果を追跡します。 - 成果の出ないチャネルやキャンペーンを特定し、リソース配分を見直します。
効果的な集客戦略立案のプロセス
現状分析とKPI設定
ポイント:
- まずは現状のトラフィックデータ(セッション数、コンバージョン率、エンゲージメント)を把握し、改善の余地がどこにあるかを特定します。
- 達成したいKPIを設定し、流入経路別に数値目標を立てると改善方針が明確になります。
ターゲットセグメントの明確化
ポイント:
- 流入元ごとにユーザー属性(地域、デバイス、年齢層など)を分析し、ターゲットにマッチしたチャネルへ注力します。
- 「ユーザー」→「ユーザー属性」レポートで、特定の流入経路から来たユーザー傾向を把握します。
チャネル別施策の検討と実行
ポイント:
- SEO対策強化、広告キャンペーンの最適化、SNSでのターゲティングやコンテンツ発信強化、リファラル元サイトとの連携など、チャネルごとの最適施策を考えます。
- UTMパラメータで各施策をトラッキングし、PDCAサイクルを回しながら改善を続けましょう。
PDCAサイクルでの継続的改善
ポイント:
- データ分析結果をもとに仮説を立て(Plan)、施策を実行(Do)、成果を計測(Check)、改善点を洗い出し(Act)、再度戦略をブラッシュアップする流れを継続します。
- Googleアナリティクスで定期的にレポートを確認し、トレンドや変化を把握し続けることが肝要です。
まとめ:データドリブンな戦略策定で継続的な成果向上
流入経路分析は、集客戦略立案において欠かせないプロセスです。Googleアナリティクスを使って、どの項目をどのように確認すれば良いかを明確にし、データドリブンな戦略策定を行うことで、成果を着実に向上させることができます。オーガニック検索、広告キャンペーン、SNS、リファラルなど、さまざまなチャネルを総合的に分析・改善し、ビジネス成長の礎を築きましょう。
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