企業ブログの正しい書き方と成果を出す方法【実務経験から解説】

執筆・編集 板浪 雅樹2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」
SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB
企業ブログは、ただ記事を更新すれば効果が出るものではありません。
正しい「書き方」を意識して運用することで、検索流入が増え、新規顧客との接点や既存顧客への情報提供にもつながります。私自身、これまで多くの企業ブログ運営を支援し、検索クエリ数の増加からアクセス数が伸びた事例を数多く経験してきました。大切なのは、SEOのためだけではなく「読者にとって有益な情報を届ける」という視点です。
本記事では、株式会社TREVOの板浪が実務経験をもとに、企業ブログの正しい書き方と成果を出すための工夫を具体的に解説します。
なぜ企業ブログが成果につながるのか
企業ブログは「更新して終わり」の活動ではありません。適切なテーマ選定や書き方を意識すれば、検索エンジンからの流入を増やすだけでなく、顧客との信頼関係を深める有効な手段になります。ここでは、私が実際に支援してきた経験も踏まえて、その理由をお伝えします。
検索クエリ数が増える → 流入数アップにつながる事例

企業ブログの最大のメリットのひとつは、検索クエリ数が増えることです。記事を公開するたびに新しいキーワードで検索結果に表示されるチャンスが増え、結果的にサイト全体の流入数が上がります。
私が支援した企業ブログでも、更新を重ねることで想定以上の検索クエリが拾われ、月間の流入数が大幅に増加しました。特に「専門用語の解説記事」や「よくある質問に答える記事」は効果が高く、1記事ごとに複数のキーワードから流入が見込める点が印象的でした。
情報発信を通じた信頼構築
検索から訪問してくれたユーザーにとって、役立つ情報が整理されているブログは「この会社は知識がある」「この会社なら信頼できる」という印象を与えます。特にBtoBの分野では、いきなり問い合わせや契約につながらなくても、記事を読んだことをきっかけに「情報を発信している企業」として記憶に残ります。
単なる商品紹介ではなく、業界のトレンドやノウハウを公開することで、営業担当が直接会う前から信頼を積み重ねられるのが企業ブログの強みです。
SEO効果だけでなく、既存顧客との関係強化にもなる
企業ブログは、新規顧客を集めるためだけのものではありません。既に取引のあるお客様に向けて「最新事例の紹介」や「サービス改善のお知らせ」を発信する場としても活用できます。
実際、既存顧客がブログを通じて新しい情報に触れ、それをきっかけに追加の相談やリピート受注につながったケースもあります。定期的な情報発信は「この会社は継続して活動している」という安心感にもつながり、契約を続けてもらう理由の一つになります。
企業ブログの基本的な書き方
企業ブログを成果につなげるには、ただ記事を更新するだけでは足りません。検索ユーザーが求める情報を的確に届け、信頼できる情報源として読んでもらうために、基本的な「書き方の型」を押さえておくことが大切です。ここでは、特に重要な三つのポイントをご紹介します。
読者像を明確にする(新規顧客向け/既存顧客向けを分ける)
記事を書く前に、必ず「誰に向けて書くのか」を明確にします。
新規顧客に向けては、会社やサービスをまだ知らない人でも理解できるように、専門用語をかみ砕いた説明や導入部分の丁寧さが求められます。
一方で既存顧客に向けた記事では、新しい機能の案内や事例紹介、業界の最新情報など「さらに安心して取引を続けてもらうための内容」を意識します。読者像を分けて記事を設計することで、記事の方向性がぶれにくくなり、成果につながりやすくなります。
有益な情報と実数値を盛り込む
読者にとって役立つ情報を書くことは大前提です。そのうえで「数字」を入れることで、記事の説得力が大きく高まります。
たとえば「アクセス数が増えました」と書くよりも、「検索クエリが増えたことで月間アクセス数が30%伸びた」という具体的な数値を示した方が、読者は納得しやすいものです。
TREVOでのブログ支援でも、実数値を含めて記事を書いたときの方が、問い合わせや資料請求につながる傾向が見られました。実務に基づいた数字や具体例は、信頼を得る大きな材料になります。
読みやすい構成(見出し・段落・図解・内部リンク)
どんなに内容が優れていても、読みづらければ読者は途中で離脱してしまいます。
見出しを効果的に配置し、1段落を長くしすぎないように意識することで、読者がストレスなく読み進められます。さらに、図やイラストを活用すれば情報が直感的に伝わり、理解度も高まります。
また、関連記事やサービスページへの内部リンクを適切に設置することで、読者の回遊率が高まり、問い合わせや資料請求といった次のアクションにつなげやすくなります。ブログ記事は単独で完結させるのではなく、サイト全体の導線の中で設計することが重要です。
TREVO流「成果を出す企業ブログの書き方」

企業ブログは「型」を守るだけでは成果につながりません。数多くのサイト運営や企業ブログ支援を経験する中で、私が特に意識しているのは「読者にとって価値があるかどうか」を常に基準にすることです。ここでは、板浪流の実践ポイントを紹介します。
読者に役立つ具体的な情報を書く
ブログ記事は、検索から訪れた人に「来てよかった」と思ってもらえるかどうかで価値が決まります。一般論だけでは読者の心には届きません。
たとえば「ブログを更新しましょう」ではなく、「月に4記事以上更新したサイトは、半年後の検索クエリ数が平均で20%伸びている」といった具体的な指針があると、読者は行動に移しやすくなります。小さなコツや実践のヒントを入れることが、記事を読んでもらえるかどうかの分かれ目になります。
数字や事例をできる範囲で公開する
企業ブログでは、可能な範囲で実数値や実例を出すことが信頼性につながります。抽象的なアドバイスよりも、数字があることで説得力が増すからです。
実際に私が支援した企業ブログでは、記事数を増やすとともに過去記事をリライトしたことで、検索クエリが大幅に増加し、結果的にアクセス数も上がったケースが複数ありました。数字や事例を出すことは勇気がいりますが、差別化にもなり「この会社は本当にやっている」と感じてもらえる大切な要素です。
SEOだけでなく「既存顧客への発信」としての意識を持つ
多くの企業が「新規顧客の獲得」だけを目的にブログを更新しがちですが、私は「既存顧客への発信」にも重きを置いています。既に取引のあるお客様が記事を読むことで、「この会社はしっかり情報発信している」と安心感を持っていただけます。
例えば、サービス改善のお知らせや、業界トレンドに関する記事は、既存顧客にとっても有益です。新規集客だけに偏らず、顧客との関係を強化する手段としてブログを活用することが、長期的な成果につながります。
ネタ切れしないためのブログ運用術
企業ブログを続けていくと、多くの担当者がぶつかるのが「何を書けばいいかわからない」という壁です。
しかし、ネタ切れは工夫次第で防げます。私は日々の制作や運用支援の中で、次の4つの方法を実践しています。
お客様からの質問をストックして記事化する
実際の業務でお客様からいただく質問は、ブログの題材として非常に価値があります。質問はすでに「ユーザーが知りたいこと」そのものであり、検索需要とも一致している可能性が高いからです。私は質問を日常的にリスト化してストックし、ブログの企画リストとして活用しています。
FAQに近い形の記事は、検索からの流入だけでなく既存顧客のサポートにも役立ちます。
タイムリーな質問は優先的に記事にする
同じ質問でも、時期によって注目度が高いテーマがあります。例えば「Googleアナリティクスの仕様変更」「SEOアルゴリズムのアップデート」など、タイムリーな質問は早く記事化することでアクセスの波に乗りやすくなります。
後から書くと情報が古くなり、検索上位に入りにくいため、スピード感を持って取り組むことが重要です。
過去記事をリライトして補足・最新化する
新しい記事を書くことだけが運用ではありません。過去の記事を見直し、古くなった情報を更新したり、新しい事例やデータを追加したりすることで、記事の価値は大きく高まります。
特にSEOの分野では数年前の記事がそのまま残っていると検索意図に合わなくなりやすいので、私はリライトを定期的に行っています。補足や修正を重ねることで、既存記事も資産として長く活用できます。
サーチコンソールでインデックス未登録の記事を見つけて改善する
Googleサーチコンソールを活用すれば、インデックスされていない記事や検索表示されにくい記事を発見できます。そのような記事は「タイトルが弱い」「内容が薄い」「内部リンクが不足している」などの理由があることが多いため、改善対象として優先的に見直します。
私は実際に、インデックス未登録の記事をリライトしたことで再登録され、アクセスが復活した経験があります。ブログ運営においては、公開して終わりではなく、サーチコンソールを活用して育てていく意識が欠かせません。
他社と差別化できる企業ブログの工夫
企業ブログは、多くの会社が同じようなテーマを扱うため「どこも似た内容になってしまう」という課題があります。
検索上位の記事を参考にしつつも、自社らしい視点を加えることで差別化が可能です。ここでは、私が実践している工夫を紹介します。
著者の意見をしっかり入れる(AIにない「人の視点」)
最近ではAIで生成された記事が増えていますが、読み比べると「無難な情報の羅列」になりがちです。だからこそ、著者の経験や意見を加えることが重要です。
私自身、AIを下書きに使うことはありますが、必ず「自分の考え」や「現場での気づき」を盛り込むようにしています。たとえば「更新頻度は多いほど良い」と書くのではなく、「実際に月4記事以上の更新を半年続けたお客様で検索クエリ数が20%増えた」という自分の経験を踏まえると、記事に説得力が生まれます。
WordPress運用・SEO改善・アクセス解析のノウハウを記事に反映
TREVOではWordPressを中心に企業サイトを運営しているため、SEO設定やアクセス解析の活用など、実務に根ざした情報を記事に盛り込むことができます。
例えば「内部リンクをどう設計すべきか」「リダイレクトの設定をどうするか」といった実際の現場で役立つ知識は、一般的なブログ記事では触れられにくい部分です。
こうした運用ノウハウを共有することで、単なる情報提供ではなく「実践的に使える知識」として差別化できます。
ChatGPTやAIを下書きに活用し、独自性を補完する
AIは「一般的な情報」を素早く整理するのに向いています。そのため、私は記事を書く際にAIを補助的に使い、自分の考えやお客様との実例を上書きして独自性を加えています。
たとえば、AIが生成した一般的な「ブログのメリット」を骨組みにして、そこに「TREVOで実際に行った改善事例」や「お客様からよくいただく質問」を差し込むと、唯一無二の記事に変わります。
AIと人の視点を組み合わせることで、効率的かつオリジナル性の高いブログ記事を作ることが可能です。
やってはいけない企業ブログの書き方
企業ブログは上手に活用すれば大きな成果につながりますが、方向を誤ると「誰のためにもならない記事」になってしまいます。ここでは、私が実務経験の中でよく見かける「やってはいけない書き方」を整理します。
日記のように主観的すぎる記事
企業ブログでありがちなのが「今日はこんなことがありました」という社内日記のような記事です。社員紹介や日常の一コマを伝える記事も悪くはありませんが、そればかりになると検索からの流入はほとんど見込めません。
読者が知りたいのは「自分に役立つ情報」です。主観だけの記事は、社内向けの記録にはなっても、外部ユーザーにとっての価値は薄くなります。
専門用語だらけで読者に伝わらない文章
専門分野を扱う記事ほど、つい専門用語を多用してしまいがちです。しかし、検索から訪れる読者の多くは業界知識が浅い人たちです。専門用語をそのまま並べても理解されず、結果として離脱につながってしまいます。
私は記事を書くとき、「初めて読む人にも伝わるか?」を常に意識しています。難しい言葉はできるだけ簡単に言い換え、補足説明を加えることが大切です。
情報の裏付けがない記事
「〜だと思います」「〜といえるでしょう」といった主観的な断定ばかりでは、読者に不安を与えてしまいます。裏付けとなるデータや事例を示さずに書かれた記事は、信頼性に欠けるためSEO的にも評価されにくい傾向があります。
可能な範囲で実数値や実例を示すことはもちろん、外部の公的データや業界レポートを引用するのも効果的です。情報の根拠を示すことで、記事の信頼度は格段に上がります。
成功する企業ブログ運営のポイント

社内体制を整えて継続更新する
体制が曖昧だと、更新が途切れたり“場当たり運用”になりがちです。担当(企画/執筆/校正/公開/分析)の役割を決め、編集カレンダーで四半期ごとのテーマと週次タスクを見える化しましょう。B2Bの調査でも、うまくいかない理由として「目標の不明確さ」「体制の不在」が上位で挙がっています。
つまり“誰が、何を、いつまでに、なぜやるのか”の合意が成果を分けます。
アクセス解析で効果測定・改善を繰り返す
GA4ではエンゲージメント率/エンゲージドセッションが基礎指標です。10秒以上の滞在・2ページ以上閲覧・主要イベント到達のいずれかを満たすセッションを“エンゲージド”と定義し、レポート(Engagement overview)で記事別の貢献を比較します。目標(問い合わせ・資料DLなど)をキーイベントとして計測し、見出しや導線(内部リンク/CTA)を改善→再計測のサイクルを回します。
新規向け記事=検索流入&エンゲージメント率、既存向け記事=既存セッションの再訪率&主要イベント到達を重視。人間の役に立つ“人中心”の内容になっているかも毎回チェックします。
Googleサーチセントラル記事「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
SNSやメルマガと連携して拡散する
“公開して終わり”はもったいない。Owned(自社:サイト/メール)・Earned(共有/被リンク)・Paid(広告)を組み合わせ、記事の要点を再編集して複数フォーマットで配信します。
特に自社のメールニュースは安定した到達チャネル、SNSは初速の可視化と再循環に強みがあります。
運用は、公開→SNS要約(1〜2枚のビジュアル+要点)→翌週にメールで深掘り、の順で“二段ロケット”にするのが効きます。
すぐ実装できるミニチェック
- 編集カレンダー:週1本の“検索意図A”記事+隔週1本の“既存顧客向けアップデート”。企画→執筆→校正→公開→分析の担当者を明記。
- 計測:GA4で主要イベント(問い合わせ/電話クリック/資料DL)を設定し、エンゲージメント率と併せて週次レビュー。
- 拡散:公開日にSNS、翌週にメール。Owned/Earned/Paidの三分類で配信先と再利用フォーマットを整理。
まとめ:企業ブログは“人に役立つ→測る→直す”を回すだけ
企業ブログは、検索順位のために書くのではなく、まず読者の役に立つ情報を丁寧に届けることが出発点です。Google も「人のための、信頼できるコンテンツ」を重視しており、これが評価の土台になります。
その上で、記事を公開して終わらせずに計測→改善のサイクルを回しましょう。GA4 では“10秒以上の滞在・2ページ以上の閲覧・コンバージョンのいずれか”を満たすエンゲージドセッションが基本指標になります。記事ごとのエンゲージメント率と主要イベント(問い合わせ・資料DL等)を確認し、見出しや導線、内部リンクを微調整していくのが近道です。
また、サイト内で関連記事やサービスページへ自然に橋渡しする内部リンク設計は、読者の理解もクローラビリティも高めます。記事単体で完結させず、サイト全体の“導線設計”としてリンクを配置してください。
最後に、検索は自動処理で、どれだけ基本を守っても即時インデックスや掲載は保証されません。だからこそ、定期更新とリライトで“今の読者にとっての価値”を保ち続ける運用が、長期的に最も効きます。
ご相談・資料のご請求
WEB無料相談(課題の整理から始めたい方へ)
「自社ブログを立て直したい」「何から手をつけるべきか整理したい」という方は、まずはお気軽にご相談ください。現状の記事・計測・導線を拝見し、優先順位付きの改善メモをお返しします。
大阪のホームページ制作会社TREVOでは、最短2日で仮サイトを公開できるスピード対応や、SEO対策に強いオリジナルデザインの制作サービスを提供しています。










