「古い記事は削除」って本当? Googleコアアップデートの真実を徹底解説!

投稿日:2025.03.19.
更新日:2025.04.12.

SEO

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板浪 雅樹
執筆・編集 板浪 雅樹

2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」

執筆記事:記事一覧ページ
SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB

今回は、2025年3月に行われたGoogleコアアップデートと、それに伴い話題に上りがちな「古い記事は削除した方が良いのか?」というテーマについて取り上げます。
この記事を書くきっかけとなったのは、最新のGoogleアップデート情報(詳しくは「【2025年3月版】Googleコアアップデートまとめ」をご覧ください)と、Google検索セントラルでの公式アナウンスです。
そこでは以下のような内容が紹介されました。

「SEO に悪影響があると耳に挟んだ、などという理由で、ページ要素を削除するような『その場しのぎの修正』は避けましょう。
代わりに、ユーザーにとって意味があり、長期的に持続可能な変更に焦点を当ててください。
コンテンツの削除は最終手段であり、そのコンテンツが修正不可能だと判断した場合にのみ検討すべきことです。」

https://developers.google.com/search/updates/core-updates?hl=ja

「SEO対策のためには古い記事を削除しておけ」とよく言われるものの、Google公式のスタンスは「安易に削除に走るべきではない」と示唆しています。

では、削除した方が良いとされてきた情報は“嘘”なのか、あるいは部分的に誤解があるのか。本記事では、記事やページを削除するメリット・デメリットと、その代替策となる更新・統合・noindexなどの具体的手法をできる限り詳しく解説していきます。

■ 結論(簡潔版)

まず最初に結論をお伝えすると、古い=削除すべき」という短絡的な判断はリスクが高く、むしろページの価値を最大限に活かせるか見極めることが重要」です。
不要なコンテンツを放置するとサイト全体の評価が下がる一方、安易に削除すると被リンクやトピックの深みを失いかねません。
Googleも「その場しのぎの修正」には否定的で、長期的にユーザーにとって有益な状態に作り変えられないと判断したときに初めて削除を検討するのが望ましいとしています。

なぜ「古い記事は削除した方が良い」と言われるのか?

古いページや情報量の少ないコンテンツを削除すると、サイト全体の品質スコアが上がる可能性があることや、クロールバジェットの節約などが理由としてよく挙げられます。

検索エンジンへのアピール

低品質なページが減れば、残ったページの評価が相対的に高まりやすい

ユーザーエクスペリエンスの改善

不要な記事が少なくなれば、情報が見つけやすくなる

キーワードカニバリゼーションの回避

同じテーマを扱う記事が乱立せず、評価が集中しやすい

これらは実際にメリットとなりうる要素で、だからこそ「古い記事=削除」というセオリーが広まった側面があります。

Googleが示す「削除は最終手段」の真意

2025年3月のコアアップデートの解説では、「SEO に悪影響があると思い込みで削除」するのを避けるようにと警告しています。以下がその背景です。

被リンク・トラフィックの損失リスク

古く見える記事でも、意外と被リンクを獲得している、あるいは独自のキーワードで少ないながらトラフィックを稼いでいる場合があります。削除すると、そうした評価やユーザー流入を手放すことになりかねません。

サイトテーマの深さを損なう可能性

古い記事であっても、サイト全体の歴史や専門性を証明する役割を担っていることがあります。過去からの流れや蓄積があることで、検索エンジンはそのサイトをトピックに対して「網羅的・信頼できる」と評価する場合もあるのです。

内部リンク構造の破壊

ページを削除すれば当然、内部リンクが切れ、クローラーやユーザーが他ページへスムーズに移動できなくなるおそれがあります。検索エンジンが評価するサイト内構造に悪影響を与えるかもしれません。

本当に削除が必要なケースとは?

では、どのような状況で削除が妥当なのでしょうか。Googleも「修正不可能なら削除を検討すべし」と言及していますが、具体例を挙げると次のようなケースが考えられます。

  • 時代と合わなくなり、事実誤認を招く内容(修正も難しい)
  • 全く読まれておらず、被リンクがなく、テーマとも無関係
  • 重複コンテンツが多数あって、内容の統合に値しないレベルの低品質記事
  • ブランドイメージにそぐわない、古いキャンペーンや不適切表現のあるページ

こうした場合は、もはや修正するよりも削除(あるいは別ページへのリダイレクト)のほうが適切なケースが多いといえます。

削除以外に考えられる選択肢

「なんとなく古いから削ろう」という結論に飛びつく前に、できるだけページを生かす道を検討するほうがベターです。たとえば、以下のような対応策があります。

 更新・リライトする

コンテンツの内容自体は価値があるが、表現やデータが古い場合、最新情報やキーワードを盛り込みつつリライトすれば「新しい記事」として蘇る可能性があります。

 統合して1つにまとめる

類似テーマの記事が散在している場合には、単一の充実した記事としてまとめることで、キーワードカニバリゼーションを解消します。その際はリダイレクト(301など)を適切に設定して、評価や被リンクを引き継ぎましょう。

 noindexで非公開化

内部的には残しておきたいが、検索結果には表示したくない場合、noindexタグやパスワード保護などで検索クローラーから外すという選択肢もあります。

アーカイブ化

古いものの歴史的・参考的価値がある場合は、メインのコンテンツから切り離し、「アーカイブ」として保持しておくとよいでしょう。ここでも検索には載せない設定(noindex)を組み合わせることも可能です。

欧州・北米でのコンテンツ削除トレンド

欧州や北米のSEOコミュニティでも、コンテンツプルーニング(不要ページの削除)はサイト品質向上の一手法として認められていますが、「データに基づく判断」が大前提です。
北米では特にGoogle AnalyticsやSearch Console、Ahrefsなどを活用して、被リンクや流入状況を詳細に分析し、削除するかどうかを決めるケースが増えています。
欧州ではGDPR(一般データ保護規則)の観点から、個人情報を含むコンテンツを削除せざるを得ない場面もあり、SEO以外の視点も絡んで複雑化しがちです。

まとめ

結局、「古い記事は削除した方が良い」という情報は、一部正しく、一部誤解もあるというのが実情です。確かに、あまりにも時代遅れで誰にも読まれていない記事が大量に残っているのは問題ですが、それを機械的に全部削除してしまうと、大切な被リンクや歴史的コンテキストを失うリスクも伴います。

  • Googleが公言しているように、削除はあくまでも最終手段です。
  • まずは記事を改修・統合・noindex化するなど、別の策を講じられないか検討しましょう。
  • どうしても修正できない内容やブランドにそぐわない記事であれば、適切なリダイレクトなどの技術的対処を行いつつ、削除を実施するとよいでしょう。

TREVOでは、スタッフブログをはじめ、サイト全体で定期的にコンテンツ監査を行い、情報が古くなっている記事を洗い出してはリライト・統合・noindex化、最終的にどうしようもない場合のみ削除…といったフローで運用しています。
皆様のウェブサイトにおいても、無理に削除するよりまずは活かす道を探ることをおすすめします。特にGoogleが指摘するように、ユーザーにとって長期的な価値を高めるためにどうコンテンツを再構成できるか、ぜひ検討してみてください。

▼ 参考情報

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