アクセス解析の重要用語と意味・効果|サイト改善に役立つ指標一覧

執筆 TREVOスタッフ株式会社TREVOのブログは、Web制作の現場で日々奮闘しているスタッフが、企画・デザイン・開発・SEO・運用まで幅広いテーマで執筆しています。

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監修 板浪 雅樹2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」
SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB
Webサイトのアクセス解析を始めようとすると、専門用語が多くて戸惑うことはありませんか?アクセス解析には、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール、ヒートマップツールなど様々なツールがあります。それぞれに独自の指標や用語が登場し、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、基本となるポイントさえ押さえれば、数値データを理解してWebサイト改善に活かすことができます。
本記事ではアクセス解析で重要な用語を、難易度や用途別に「基本用語」「知っていると便利な用語」「より詳細な分析向けの用語」に分けて整理します。各用語の意味や効果(活用法)を初心者にもわかりやすいよう平易な言葉で解説し、具体例も交えて説明します。また、最後には早見表(用語一覧表)も用意していますので、記事全体のまとめとしてお役立てください。
まずは基本となる指標・用語から見ていきましょう。
基本用語(アクセス解析の第一歩)
アクセス解析初心者がまず押さえるべき基本的な指標・用語です。Webサイト全体のアクセス状況や成果を把握するために欠かせないものばかりなので、最初にしっかり理解しておきましょう。
Googleアナリティクスの基本指標(サイト全体の閲覧状況)

Googleアナリティクスとは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。自社サイトに計測タグを設置して利用します。Webサイトへの訪問者数やページ閲覧数、ユーザーの行動パターンなど過去のデータを可視化でき、サイト運営の現状把握と改善方針の検討に役立ちます。
詳しくは「Googleアナリティクス徹底活用ガイドの記事一覧」で詳しく解説記事を連載しています。
ユーザー(Users)
サイト訪問者数を示す指標です。単純に「何人の人がサイトに来たか」を表します。
例えば1ヶ月間にサイトを訪れたユーザー数を確認すれば、どれだけの人数がサイトを利用しているかがわかります。
Googleアナリティクスでは同一人物がスマホとPCから訪問しても可能な限り1人にまとめて計測されます
セッション(Sessions)
訪問の単位を表す指標です。1人のユーザーがサイトに訪れ、ページを閲覧して回り、最後に離脱するまでのひと続きの流れが「1セッション」です。
基本的に30分以上操作がなかった場合や日付が変わった場合に新しいセッションが開始されます。
セッション数を見れば、サイトで発生した訪問の回数が把握できます。「1回のセッションで平均何ページ見られているか」などを分析することで、ユーザーの行動フローを掴むことも可能です。
ページビュー(PV)
ページ閲覧数のことです。サイト内の特定ページが表示(閲覧)された回数を表します。
ユーザーがページを開くたびに1ページビューとカウントされ、同じユーザーが複数ページを閲覧すればその分PVも増えます。
例えばユーザー数に比べてページビュー数が多ければ、1人のユーザーが何ページも閲覧していることになり、サイトの回遊性が高い(積極的にサイト内を移動している)と判断できます。
直帰率(Bounce Rate)
訪問者が最初の1ページだけ見てサイトから離脱した割合です。全セッションのうち「1ページしか見ずに直帰(サイトを去った)した割合」を示し、この数値が高いと「ユーザーが求める情報とサイト内容にギャップがある可能性」があります。
例えば直帰率が80%と高い場合、訪問者の大半が最初のページで満足できずに離れていると考えられ、コンテンツ内容や導線の改善が必要かもしれません。なお、GA4(新しいGoogleアナリティクス)では従来の直帰率の代わりに「エンゲージメント率(Engagement Rate)」を用いる設計になっています。エンゲージメント率は「サイトで積極的な行動があったセッションの割合」を示す指標で、GA4では「10秒以上サイトを閲覧した」「2ページ以上閲覧した」「コンバージョン(後述)した」等の場合にエンゲージメントありと判断します。
GA4で直帰率を見る場合は、このエンゲージメント率の逆数(直帰率=100%-エンゲージメント率)として算出されます。
Googleサーチコンソールの基本指標(検索パフォーマンスの把握)

Googleサーチコンソールとは、Googleが提供する無料のSEO支援ツールです。あなたのサイトが検索エンジンにどう認識・評価されているかを知るための「サイトの健康診断書」のような役割を果たします。具体的には、検索クエリごとの掲載順位やクリック数、表示回数、CTRなど検索パフォーマンスのデータ、サイトのクロール(巡回)状況やインデックス状況、モバイル対応の問題、セキュリティ上の問題などがレポートされます。SEO対策を行う上で不可欠なツールです。
「2015年からの進化、初心者向けGoogle Search Consoleの使い方ガイド」でも詳しくGoogleサーチコンソールについて解説しています。
インプレッション(Impressions)
検索結果での表示回数のことです。あなたのサイトのページがGoogle検索結果に何回表示されたかを表します。例えば「〇〇 地域名」といった検索であなたのサイトが100回表示されれば、それが100インプレッションになります。露出度とも言え、インプレッション数が多いほど「検索結果に頻繁に登場している」ことを意味します。
クリック数(Clicks)
検索結果からあなたのサイトがクリックされた回数です。インプレッションのうち、ユーザーが実際にサイトを訪問する行動(クリック)につながった数を示します。
例えばあるページが検索結果に1000回表示され、50回クリックされたなら、そのページのクリック数は50になります。
クリック率(CTR:Click Through Rate)
クリック率(CTR)=クリック数 ÷ インプレッション数 × 100(%)で算出される割合です。つまり「表示されたうち何%がクリックされたか」を示す指標で、検索結果での訴求力を測るのに使います。例えばインプレッション1000・クリック50ならCTRは5%です。
一般的に検索順位が高いほどCTRも高くなる傾向があり、1位表示の平均CTRは約28.5%、2位15.7%、3位11.0%とも報告されています。CTRが低い場合は「タイトルや説明文(スニペット)が魅力的でない」「検索意図に合っていない」などが原因として考えられ、タイトルの書き方改善等でCTR向上を図る余地があります。
平均掲載順位(Average Position)
サイトが検索結果で表示される平均的な順位を指します。サーチコンソールではクエリ(検索キーワード)ごとやページごとの平均順位を確認できます。
例えば平均掲載順位が「3.5」のページであれば、概ね検索結果の3~4位あたりに表示されていることがわかります。平均順位は複数の検索クエリや日々の変動をまとめた数値なので厳密な指標ではありませんが、大まかな検索順位の傾向を把握するのに役立ちます。一般的に平均掲載順位が1桁台であれば上位表示できている優良なページと言えるでしょう。
ヒートマップツールの基本(ユーザー行動の可視化)

ヒートマップ(Heat Map)
ユーザーの行動を色で可視化する分析手法です。Webページ上でユーザーがどこにマウスを動かしたか、どこをクリックしたか、ページのどこまで閲覧したかなどのデータを収集し、頻度が高い箇所を“熱い”色(赤やオレンジ)で、低い箇所を“冷たい”色(青)で表示します。これによりユーザーの関心がどこに集中しているか一目で把握できるのが特徴です。数値だけでは発見しにくいページ内の課題も、ヒートマップなら「よく見られている部分」「ほとんど見られていない部分」が直感的に理解できます。
例えば、あるボタンが赤く表示されていれば「多くのユーザーがクリックしている」ことが、逆に重要な情報があるセクションが青くなっていれば「ほとんど見てもらえていない」ことがわかります。このように専門知識がなくても直感的にユーザー行動を分析できるため、初心者にも活用しやすいツールです。
クリックヒートマップ
ヒートマップの中でもユーザーのクリック箇所を可視化するものです。ページ上のどのリンクやボタンがどれだけクリックされたかが一目でわかり、人気のある要素は赤く、そうでない部分は青く表示されます。
例えば「クリックできない画像が誤って押されている」場合でもヒートマップ上に反応が現れるため、ユーザーがどこをクリックしたいと思ったかまで分析可能です。どの要素がユーザーの注意を引いているか、逆に意図したボタンがあまりクリックされていない場合は配置やデザインを見直すなど、UI改善のヒントが得られます。
スクロールヒートマップ(スクロール到達度)
ユーザーがページのどこまでスクロールしたかを示すヒートマップです。特に縦長のページでは、ページ下部まで読まれているかを把握することが重要です。スクロールヒートマップでは、例えばページの50%の高さまで読んだユーザーが全体の何%か、といった情報が色分けで表示されます。多くのユーザーが途中で離脱する位置(終了エリア)も可視化されるため、重要なコンテンツがその地点より下にあって届いていない場合は配置を上部に移すなどの対策が考えられます。
ヒートマップには他にも種類がありますが、基本的な使い方としては上記のクリック状況とスクロールの深さを押さえておくとよいでしょう。
以上が基本的な用語と指標です。ここまでで、サイト全体の訪問者数や閲覧数、訪問直後の離脱状況、検索エンジン経由での表示・クリック状況、そしてページ内でのユーザーの動きがざっくりと掴めるようになります。次の章では、さらに一歩進んだ便利な用語を見ていきましょう。
知っていると便利な用語(分析の幅を広げる指標・概念)
基本用語に続いて、アクセス解析に慣れてきたらぜひ知っておきたい指標や概念を紹介します。これらを理解すると、データの読み解き方がより深まり、具体的な改善策を立てやすくなります。
Googleアナリティクス – 分析に役立つ指標や機能
離脱率(Exit Rate)
ページごとの退出割合を示す指標です。直帰率が「サイトに入って最初のページで離脱した割合」だったのに対し、離脱率は各ページでそのページを最後にサイトから去った割合を示します。例えば「お問い合わせ完了ページ」の離脱率が高いのは正常ですが、途中の「商品紹介ページ」の離脱率が極端に高ければ、そのページに改善すべき問題があるかもしれません。離脱率の高いページを特定し内容改善することで、サイト全体の目標達成率向上につなげることが大切です。
平均ページ滞在時間
ユーザーが特定のページにとどまっていた平均時間です。ページを開いてから次のページに移動するまでの時間を計測しています。例えばあるページの平均滞在時間が「2分30秒」なら、訪問者は平均して2分半そのページを見てから他のページに行くか離脱するということです。一般に平均滞在時間が極端に短いページは「コンテンツがわかりにくい」「ユーザーの期待する内容ではなかった」可能性があります。逆に長い場合はユーザーが興味を持って読み込んでいると判断できます。ただしコンテンツの種類によって適切な時間は異なりますので、直帰率など他の指標と併せて判断すると良いでしょう。
平均セッション時間(平均訪問時間)
1回のセッションあたりの平均滞在時間です。サイト全体でユーザーがどれくらいの時間を過ごしているかを示します。
例えば平均セッション時間が「3分45秒」であれば、訪問者は平均して約3分半サイト内を閲覧している計算です。一般的に平均セッション時間が長いほどユーザーの関与度(エンゲージメント)が高い傾向といえます。ただしこの値はサイトの性質(ブログ記事を読むサイトなのか、すぐ目的を達成するサイトなのか)によっても異なるため、業種平均などと比較しつつ評価しましょう。
新規ユーザー・リピーター
Webサイトを訪れたユーザーの種別で、初めて訪問した人を「新規ユーザー(New User)」、過去に訪問経験がある人を「リピーター(リターニングユーザー)」と言います。Googleアナリティクスではクッキー等を用いてユーザーを識別しており、一度訪問した人が再訪問するとリピーターとカウントされます。
新規とリピーターの割合を見ることで、サイトのファン・常連客がどれくらいいるかや、新規顧客獲得状況を把握できます。例えば新規ユーザーが大半でリピーターが少ない場合、リピーター獲得のための施策(メールマガジンや再訪問促進コンテンツ)が考えられますし、逆にリピーター率が高ければロイヤル顧客が多いサイトと言えるでしょう。
流入経路(トラフィックソース)
ユーザーがどの経路からサイトに訪れたかを示す区分です。主な流入経路として以下のようなものがあります。
- オーガニック検索(Organic Search)
GoogleやYahoo!など検索エンジンの自然検索結果からの訪問です。検索経由の流入が多ければ、SEO(検索エンジン最適化)の効果が高いサイトと言えます。 - ダイレクト(Direct)
ブラウザのURL直接入力やブックマークからの訪問です。QRコードやメールのリンク経由など参照元情報がない場合もDirectに分類されます。特にスマホアプリ内ブラウザからの流入は参照情報が取れずDirectに計上されることがあるため、SNS経由が多いサイトではDirectが高めに出る傾向があります。 - リファラル(Referral)
他の外部サイトに貼られたリンク経由での訪問です。例えば他社のブログ記事に自社サイトのリンクが掲載され、そこから訪問が発生した場合などが該当します。Referral流入が多いということは、それだけ被リンク(外部からのリンク)が多いことを意味します。被リンクはSEOにおいて重要な評価要因の一つなので、Referralが多い場合は良質なリンク獲得が進んでいる可能性があります。 - ソーシャル(Social)
SNS(ソーシャルメディア)からの訪問です。FacebookやTwitter、Instagramなどの投稿・プロフィールからのリンク流入がこれに当たります。SNS経由のトラフィックが多いサイトは、ソーシャルメディア上での情報拡散やファンとの交流がうまくいっていると考えられます。 - 有料検索(Paid Search)
検索連動型の広告(リスティング広告)経由の訪問です。例えばGoogle検索結果の上部に表示される「広告」リンクからサイトに来たユーザーはPaid Searchに分類されます。広告出稿を行っている場合、この値が広告効果測定に役立ちます。
※この他にもEmail(メール経由)やDisplay(バナー広告経由)などのカテゴリがありますが、主要なのは上記です。
各流入経路のトラフィック数やコンバージョン数を比較することで、どのチャネルが効果的かが見えてきます。例えば「SNSからの流入は多いがコンバージョンに繋がりにくい」場合は、SNSでの訴求内容やターゲットを見直す、といった施策検討が可能です。
ランディングページ(LP)
ユーザーが最初に着地したページのことです。アクセス解析においては、訪問者が外部からサイト内に最初にアクセスしたページ全般を指します。ホームページのトップとは限らず、ブログ記事ページや商品ページなどがランディングページになることも多いです。ランディングページは訪問直後のユーザーの印象を左右し、その後の行動に大きく影響します。例えばランディングページでユーザーの関心を引き、そのまま他のページへ誘導できれば直帰を防げますし、逆にランディングページの内容が期待外れだと即座に離脱(直帰)されてしまいます。したがって、主要なランディングページごとの直帰率やコンバージョン率をチェックし、入口ページとして適切な内容かを評価・改善することが重要です。
コンバージョン(CV)
Webサイト上で事前に設定した目標行動が達成されたことを意味します。英語の “Conversion” は「転換」という意味で、サイト訪問者の行動がビジネスの成果に“転換”した状態を指します。具体例としては、ECサイトでの商品購入、サービスサイトでのお問い合わせフォーム送信、資料請求の完了、メルマガ登録などがコンバージョンにあたります。
コンバージョン数はそのサイトがビジネス上の目標をどれだけ達成できたかを示す非常に重要な指標であり、適切に計測・分析することが欠かせません。Googleアナリティクスでは、計測したい行動を「目標(ゴール)」として設定したり、GA4では特定のイベントを「コンバージョンイベント(キーイベント)」に指定することで、コンバージョン数をトラッキングできます。
コンバージョン率(CVR)
訪問者のうち何%がコンバージョンに至ったかを表す割合です。計算式は「コンバージョン率 = コンバージョン数 ÷ 全体のユーザー数(またはセッション数) × 100」です。例えば100人が訪れて5件の購入があればCVRは5%となります。CVRはサイトの最終成果の効率を示す指標であり、商品の購買率や問い合わせ率などを測ります。
一般にCVRが高いほどサイトの訴求力や使い勝手が良く、訪問者を効果的に顧客転換できていると言えます。CVR向上のためには、訴求メッセージの改善、UIの最適化、ターゲットユーザーの精査(適切な集客)など様々なCRO(コンバージョン率最適化)施策が考えられます。
イベント(Events)
ユーザーがサイト上で行う特定の行動を計測する仕組みです。通常のページビューでは計測されない細かなユーザーアクション(例:ボタンのクリック、動画再生、ファイルダウンロード等)を捉えることができます。UA(旧GA)ではイベントトラッキングとしてカテゴリーやラベルを設定して実装しましたが、GA4ではページ閲覧も含め全てがイベントとして扱われる仕組みに変わっています。
イベントを設定することで、例えば「どのボタンが何回クリックされたか」「動画が最後まで再生された割合は?」といったより具体的なユーザー行動の分析が可能になります。コンバージョンの計測もイベントを用いることで柔軟に行えるため、サイトの目標達成につながる重要な行動を見逃さず把握するためにイベント設定は非常に有用です。
Googleサーチコンソール – 便利なレポートと概念
検索クエリ(Search Queries)
ユーザーが検索エンジンで実際に入力した検索キーワード(語句)のことです。サーチコンソールの「検索パフォーマンス」レポートでは、サイトへのクリックや表示が発生したクエリ一覧を確認できます。これにより「ユーザーはどんな言葉でサイトにたどり着いているのか」が把握できます。たとえば「〇〇 価格」「〇〇 評判」といった具体的なクエリが多いことがわかれば、ユーザーの関心や意図を読み取ってコンテンツ最適化に活かせます。検索クエリ分析はSEOキーワード戦略の基本であり、どのクエリで順位が高い/低いか、CTRが良い/悪いかをチェックすることで、強化すべきキーワードや改善点が見えてきます。
クロール(Crawl)
Googleなどの検索エンジンのクローラー(ロボット)がサイト上のページを巡回して内容を取得する動きのことです。Googlebotがサイトのリンクをたどり、新しいページや更新ページを発見して読み込んでいく過程を指します。
サーチコンソールでは「クロールの統計情報」として、一定期間にクロールされたページ数やクロール時のレスポンスなどを確認できます。クロールされやすくする方法としては、サイトマップの送信、内部リンクの充実、ページ表示速度の改善、robots.txtで不要にブロックしない等が挙げられます。自サイトがきちんとクロールされているかは、検索結果に表示されるための第一歩なので重要なポイントです。
インデックス(Index)
クローラーが取得したページを検索エンジンのデータベースに登録すること、または登録された状態を指します。クロールされた全てのページが必ずしもインデックスされるわけではなく、Googleの定める品質基準を満たしたページのみがインデックス登録される点が重要です。サーチコンソールの「インデックス登録」レポートで、何ページがインデックス済みか、逆にインデックスから除外されたページはあるか(重複やnoindex指定など)を確認できます。
例えば自分のサイトの記事がなかなか検索結果に出てこない場合、このレポートでインデックス状況をチェックし、必要に応じてサイトマップ送信や問題修正を行うことになります。インデックスは検索結果に表示される前提条件ですので、サイト運営者は常に自サイトの主要ページがきちんとインデックスされているか注意する必要があります。
サイトマップ(Sitemap)
ウェブサイト内のページURLを一覧にしたXML形式のファイルです。サイト管理者が用意し、検索エンジンに提出することでクローラーに「このサイトにはこれらのページがありますよ」と伝える役割を果たします。特にページ数が多いサイトや、新しいサイトで内部リンクが十分でない場合、サイトマップをサーチコンソールから送信することでクロールの効率が上がりインデックスされやすくなります。サーチコンソールにはサイトマップ送信機能があり、送信したサイトマップ内のURLが何件インデックス登録されたかなどの確認も可能です。適切なサイトマップの用意と送信はSEOの基本的な技術施策のひとつです。
インデックスカバレッジ
サーチコンソールの「カバレッジ」レポートにおけるインデックス状況の総括です。サイト内のページが「有効(インデックス登録済み)」「エラー(問題があり登録不可)」「除外(意図的または重複などで除外)」「検出のみ(発見されたが未登録)」のどれに分類されているかと、その推移を表示します。
例えば「エラー」として特定のページがインデックス未登録になっている場合、その原因(サーバーエラー、noindexタグ付き、モバイルエラー等)も詳細に示されます。インデックスカバレッジのエラーは早期に対処し、ページが正しく検索エンジンに登録されるようにすることが重要です。また「除外」には意図通り除外しているページ(重複ページのcanonical指定など)の他に、意図せず除外されているページも含まれることがあるため注意が必要です。定期的にカバレッジレポートを確認し、インデックス数の推移や問題発生を監視しましょう。
モバイルユーザビリティ
モバイル端末での閲覧における使いやすさを指す用語です。サーチコンソールの「モバイルユーザビリティ」レポートでは、スマートフォンでサイトを閲覧する際の問題点(文字が小さすぎる、画面幅に収まっていない、クリック要素同士が近すぎる 等)を指摘してくれます。現在Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイルでの利便性は検索順位にも直接影響する重要な要素です。
例えば「タップ可能な要素(リンクやボタン)は最低でも48×48ピクセルのサイズが必要」など具体的なガイドラインも提示されています。モバイル対応状況が悪いとユーザー体験を損ね、結果的にSEO的にも不利になるため、発見された問題は早めに改善しましょう。
外部リンク(被リンク)
他のWebサイトから自サイトへのリンク(参照リンク)のことです。サーチコンソールの「リンク」レポートで、サイトへの外部リンク数や主要なリンク元サイト、リンク先ページなどを確認できます。被リンクはSEOにおいて非常に重要で、質の高いサイトから多くのリンクを得ているサイトは検索エンジンから高く評価されやすい傾向があります。レポートを見れば、どのサイトが自社サイトにリンクを貼ってくれているかがわかるため、想定外のスパム的なリンクがないか監視したり、逆に良質な被リンクを増やすヒントを得たりできます。例えば提携先企業や関連メディアからのリンクが増えれば、その効果で検索流入(オーガニック)の向上も期待できます。内部リンクと合わせ、外部リンクの状況も把握しておくと良いでしょう。
ヒートマップ – 多角的なユーザー行動の分析
熟読エリア(アテンションヒートマップ)
ページ内で特にユーザーの注目を集めている領域を示すヒートマップです。ユーザーがよく閲覧しているコンテンツ部分は赤く、あまり見られていない部分は青く表示されます。どの部分にユーザーの視線が集中しているかが視覚的に分かるため、ページ内のどこが一番読まれているかを把握するのに役立ちます。
例えば記事ページなら、冒頭は赤いが途中から青くなっている場合、後半まで読まれていない可能性があります。その場合、文章構成を見直して冒頭で興味を引く工夫をする、重要なポイントはページ上部に配置する、といった改善策が考えられます。
離脱エリア
ユーザーがページを離脱した最終地点を色で示すヒートマップです。ページ内のどの箇所を最後に見て離脱したかが分かります。例えば多くのユーザーが特定の段落で離脱していると分かれば、その段落に離脱のきっかけとなる要因(内容のミスマッチやリンクの不足など)がないか検証できます。離脱エリアの分析によって、「ユーザーがどこで興味を失ったのか」「どの位置で他のページへ行ったのか」が掴めるため、ページ下部でのCTA配置場所の検討や、離脱直前のコンテンツ改善に活かせます。
クリックできない箇所のクリック
ヒートマップ分析では、本来クリックできない要素にもユーザーがクリック(タップ)しようとした形跡が可視化されることがあります。
例えばただの装飾画像をユーザーがリンクと勘違いして何度もクリックしていると、そこがホットスポットとして表示されます。この情報はユーザーの意図とサイト設計のズレを示しており、場合によってはその画像自体にリンクを設定するか、「クリックできない」ことが直感的に伝わるデザインに変更する、といった対策が必要かもしれません。ユーザーが何を求めてクリックしたのかを推測し、UI改善に役立てましょう。
セグメント別ヒートマップ
ツールによっては、特定のユーザー層や条件でヒートマップをフィルタリングして表示できる機能があります。例えば「新規ユーザーだけのヒートマップ」と「リピーターだけのヒートマップ」を比較したり、流入元が異なるユーザー同士でクリックのされ方の違いを見る、といった分析が可能です。これによりユーザー属性ごとの行動パターンの違いを掴むことができます。もしヒートマップツールにセグメント機能があれば積極的に活用しましょう。例えば「検索流入のユーザーはページ下部のリンクまで到達するが、SNS流入ユーザーは途中で離脱している」といった発見が得られれば、流入経路に応じたコンテンツ戦略やページ構成の工夫につなげることができます。
以上、アクセス解析をより便利にする中級レベルの用語を紹介しました。これらを活用すれば、単に数値を見るだけでなく「なぜその数値なのか」「どう改善すべきか」を考えるヒントが得られるようになります。次はいよいよ、高度な分析向けの専門用語や概念を見ていきます。
より詳細な分析向けの用語(上級編)
アクセス解析にさらに慣れてきたら、専門的な分析や高度な最適化のための用語も理解しておくと役立ちます。ここでは上級者向けの概念やテクニック的な用語を紹介しますが、初心者の方も「こんな考え方があるのか」と流し読みするだけでもOKです。一通り目を通しておけば、いざ高度な分析が必要になった時にスムーズに対応できるでしょう。
Googleアナリティクス – 高度な分析指標と概念
セグメント(Segment)
膨大なデータから特定の条件で抽出した部分集合(群)のことです。セグメントはデータセットから特定のユーザーグループや行動パターンを抽出するフィルター機能と考えると分かりやすいでしょう。例えば「東京からの訪問者だけ」「モバイル端末を使っているユーザーだけ」「特定のページを閲覧したセッションだけ」といった具合に、条件に合致するデータだけを切り出して分析できます。
セグメントを使うことで、「新規ユーザーでは直帰率〇%だがリピーターでは×%」「購入に至ったユーザーの平均閲覧ページ数は?」など、より粒度の細かい比較分析が可能になります。GA4では「比較(Comparison)」機能として実装されており、UAの「セグメント」と概念は似ています。セグメント分析によりユーザー像の発見や課題抽出が格段にやりやすくなるため、上級分析には欠かせない手法です。
ディメンション(Dimension)
データの属性や切り口となる分類項目を指します。例えば「日付」「訪問地域」「使用デバイスの種類」「参照元サイト」「閲覧ページのタイトル」など、データをグループ化・カテゴライズするための情報がディメンションです。レポートでは行(Row)項目として表示されることが多く、「どの○○がどれだけ」という分析を可能にします。ディメンションを理解しておくと、データを様々な軸で切り分けて多角的に分析できるようになります。例えば「デバイス別のユーザー数」「参照元メディア別のコンバージョン率」「ページURL別の直帰率」等、ディメンションと指標を組み合わせることで具体的な分析が行えます。
指標(メトリクス、Metric)
数量や割合など数値で表される計測値のことです。セッション数・ユーザー数・ページビュー数・直帰率・平均滞在時間・コンバージョン数・コンバージョン率……これらは全て指標です。指標は文字通りサイトの状況を計測するための定量的な値であり、アクセス解析において欠かせません。
ディメンションとセットで使われることが多く、例えば「国(ディメンション)ごとのユーザー数(指標)」のように組み合わせて分析します。GAでは新たに指標を作成する「カスタム指標」機能もありますが、まずはデフォルトで提供される主要指標を正しく理解しましょう。
※まとめると、「セグメントで絞り込んだユーザーの指標を、ディメンション別に分析する」というのがGAで高度な分析を行う際の基本的な考え方になります。この3つ(セグメント・ディメンション・指標)の概念を押さえておくと、レポートの見方やカスタム分析の組み立てがスムーズになります。
アトリビューション(Attribution)
コンバージョンに至るまでの貢献度配分のことです。ユーザーがコンバージョン(目標完了)するまでには複数の接点(経路)を踏むことが多く、たとえば「Google検索→サイト訪問→(検討期間)→SNS投稿→再訪問→コンバージョン」のようなケースがあります。アトリビューション分析では、コンバージョン発生時における各チャネルの役割を評価します。従来は最後の接点(Last click)がすべての功績を持つとみなしがちでしたが、最初の接点(First click)がユーザーを連れてきた功績も大きいですし、中間のメールマガジンが後押ししたかもしれません。Googleアナリティクスには複数のアトリビューションモデル(ラストクリック、ファーストクリック、線形配分、減衰モデル等)が用意されており、異なるモデルでコンバージョン数の寄与を見ることができます。中小企業のサイトでも、広告やSNS、検索流入など複数チャネルを使っている場合は、このアトリビューションを理解しておくとマーケティング施策の効果検証に役立つでしょう。
コホート分析(Cohort Analysis)
ユーザーをある共通の特性(主に時期)でグループ化し、その後の行動を追跡分析する手法です。典型的には「初回訪問が2025年8月第1週のユーザー群」のように期間で区切ったグループ(コホート)ごとに、日数経過ごとのリテンション(定着率)やLTVを調べます。これにより「特定の期間に獲得したユーザーは定着しやすい/しにくい」「施策Aで集めたユーザーの購入継続率は平均より高いか低いか」など、ユーザーのライフサイクルに関する示唆が得られます。GA4ではコホート分析用のテンプレートレポートが用意されており、一定期間後の再訪率やコンバージョン率を測定できます。コホート分析はやや専門的ですが、リピーター育成や顧客生涯価値(LTV)向上を重視する場合に強力な手法となります。
LTV(顧客生涯価値)
“Lifetime Value”の略で、1人のユーザーが生涯(または一定期間内)にもたらす利益や売上の総額を指します。アクセス解析の直接の指標というよりマーケティング全般の概念ですが、GAでもユーザーの収益貢献度を分析する際によく使われます。例えばECサイトで新規顧客のLTVが平均1万円だとわかれば、顧客獲得にかけてよいコストの目安になります。GA4ではユーザーごとの収益データを連携することでLTVレポートを出すことも可能です。中小企業でもリピーター戦略を立てる際にLTVの考え方は重要なので、上級指標として覚えておくと良いでしょう。
ユーザーエクスプローラー
Googleアナリティクスの機能の一つで、個々のユーザーの行動履歴を確認できるレポートです。ユーザーごと(厳密にはクッキーIDごと)に時系列でどのページを見てどんなイベントを起こしたかが一覧できます。プライバシーの観点から個人を特定できる情報は表示されませんが、「代表的なユーザー像」の動きを詳細に追体験することでサイト改善のヒントを得られることがあります。たとえばコンバージョンに至ったユーザーの典型的な閲覧パターンを把握し、それを促すような導線設計を検討するといった使い方です。ただしユーザーエクスプローラーは分析対象がミクロになるため、通常は全体傾向を掴んだ上で補足的に用いるのがよいでしょう。
Googleサーチコンソール – 上級SEO管理の用語
構造化データ(Structured Data)
WebページのHTMLに追加する、検索エンジン向けのマークアップ(タグ群)のことです。商品のレビュー星評価やレシピの調理時間、イベントの日付など、コンテンツの意味や属性を検索エンジンが理解しやすい形式で記述するものです。サーチコンソールでは「エンハンスメント(強化機能)」レポートとして構造化データに関する項目(イベント、FAQ、パンくずリスト、製品、レビュー等)のエラーや警告を確認できます。構造化データを正しく実装すると、検索結果にリッチリザルト(強調スニペット)として星評価やサムネイル画像が表示されるなどのメリットがあります。上級者はサイトの種類に応じて適切な構造化データをマークアップし、検索結果での見栄え向上やクリック率向上を図っています。もしサーチコンソールで構造化データのエラーが出た場合は、早めに修正して正しい情報を検索エンジンに伝えるようにしましょう。
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)
Googleが提唱するページエクスペリエンス(UX)の重要指標群です。具体的にはページの表示速度やインタラクティブ性、視覚安定性を測る3つの指標(LCP:最大コンテンツ描画時間、FID:初回入力遅延、CLS:累積レイアウトシフト)からなります。サーチコンソールの「エクスペリエンス」レポートやPageSpeed Insightsで各指標の評価を確認できます。Core Web Vitalsはユーザー体験の質を定量的に評価するために用いられ、2021年以降ランキング要因の一部にも組み込まれています。
例えばLCP(ページ主要コンテンツの表示完了までの時間)は2.5秒以内が「良好」とされ、それを超えると「改善が必要」と判断されます。これらの指標を改善することでユーザー満足度が上がり、間接的にSEO評価も向上する可能性があります。上級者はサイト速度やコード最適化にも注意を払い、Core Web Vitalsのスコア改善に取り組んでいます。
手動ペナルティ(Manual Action)
Googleのウェブマスターガイドラインに違反したサイトに対し、Google社員が手動で科す検索順位の低下措置のことです。例えば不自然な被リンク操作や隠しテキスト、ハッキング被害によるスパム掲載などが発覚すると、検索結果におけるサイトの露出が大幅に制限されます。サーチコンソールの「セキュリティと手動による対策」欄で通知され、該当箇所の修正と再審査リクエストの提出が必要になります。一般的なサイト運営をしていれば滅多に受けるものではありませんが、万一この通知を見たら速やかに対応しましょう。手動ペナルティを解除しない限り、どんなに良いコンテンツを追加しても検索流入はほとんど期待できません。健全なSEO施策を行う限り恐れる必要はありませんが、「手動ペナルティ=深刻な状態」であることは頭の片隅に置いておきましょう。
セキュリティ上の問題
サイトがマルウェアに感染していたりフィッシング詐欺ページのホストに使われてしまった場合など、ユーザーの安全を脅かす事象が検出されると、サーチコンソールで通知が来ます。これも放置すると検索結果に警告表示が出たり、サイトが危険視されアクセスが激減します。サイト改ざんやウイルス混入は専門家の協力が必要な場合もありますが、運営者として知っておくべき用語です。もし「セキュリティの問題」警告が出たら具体的な内容(マルウェアの種類や被害ページ)を確認し、早急にサーバ管理会社やセキュリティベンダーと連携して対処しましょう。問題解決後、サーチコンソールから「問題の修正を確認」ボタンを押すことで再チェックを依頼できます。
ヒートマップ – 上級活用テクニック
複数ヒートマップの組み合わせ分析
ヒートマップは種類ごとに単体でも有用ですが、複数のヒートマップ結果を突き合わせて考察することで本質的な課題発見につなげることが重要です。例えば、クリックヒートマップを見て「肝心のコンバージョンボタンがほとんどクリックされていない」と気付いたとします。
このままだと「ボタンの色やデザインが悪いのでは?」と表面的な仮説を立てがちですが、そこで終了エリア(スクロールヒートマップ)も併せて確認してみると、実は「多くのユーザーがボタンのある位置までスクロールに到達していない」ことが判明するケースがあります。この場合、色を変えるよりもボタン自体をもっと上部に配置する方が有効施策となるでしょう。このように、一つのヒートマップだけで判断せず多角的にユーザー行動を分析することが、課題の本質を見抜くコツです。
A/Bテスト(スプリットテスト)
改善施策の効果検証手法として、2パターンのページを用意しユーザーの反応を比較するA/Bテストはぜひ知っておきたい概念です。アクセス解析で課題を発見したら、次は施策を実行して成果を測る段階に入ります。その際、元のページ(A案)と変更を加えたページ(B案)を並行して一定割合のユーザーに表示し、どちらがより良い指標(CVRや滞在時間など)を示すかをデータで確認します。例えば「問い合わせボタンを上に配置した場合と従来通りの場合で、コンバージョン率がどう変化するか」をテストする、といった具合です。A/BテストはGoogleオプティマイズなどのツール(※2023年で無償版提供は終了)や他社サービスを使って実施できます。ヒートマップやGAで気づいた改善点を本当に実施すべきか裏付けを取る場面で、A/Bテストの知識が役立ちます。
セッションリプレイ(ユーザー録画)
一部のヒートマップツールやUX分析ツールには、実際のユーザーの操作を動画のように再生できる機能があります。これはページ上でのマウスの動きやクリック、スクロールなどを時系列に追体験できるもので、匿名化されたユーザーごとのセッション記録です。セッションリプレイを見れば、ユーザーがつまずいている箇所(何度も同じ所を行き来している、クリックを連打している等)や迷っている様子が直感的にわかります。例えばフォーム入力で離脱が多いとき、そのセッションリプレイを見ると「住所入力欄でエラーに気づかず何度も戻って諦めている」という具体的な問題が発見できるかもしれません。数値データや静的なヒートマップでは掴みにくいユーザー体験の生の動きを知るのに非常に有用ですが、時間もかかるため問題が疑われる箇所に絞って活用するとよいでしょう。
以上、上級者向けの用語・概念を紹介しました。最初は難しく感じるかもしれませんが、「アクセス解析の基本→応用→発展」と段階的に知識を広げていけば、データから得られる洞察も格段に深まります。一度に全て覚えようとせず、必要に応じてこの記事を用語集・早見表として参照してください。それでは最後に、本記事で扱った用語を一覧表にまとめておきます。
アクセス解析 用語早見表
基本用語
| 用語(英語) | 意味・解説(日本語) |
|---|---|
| ユーザー (Users) | サイトを訪れた人数。何人の訪問者が来たかを示す。同一人物の再訪問は極力まとめて計測。 |
| セッション (Sessions) | 訪問の単位。一人のユーザーがサイト内で行った一連の行動の集まり。30分無操作や日跨ぎで区切られる。 |
| ページビュー (PV) | ページの表示回数。ユーザーがページを開くごとにカウントされる。サイトの閲覧ボリュームを表す。 |
| 直帰率 (Bounce Rate) | 最初の1ページだけ見て離脱した割合。高いと内容ミスマッチの可能性。GA4ではエンゲージメント率で代用。 |
| インプレッション (Impressions) | 検索結果で表示された回数。検索露出度合いを示す。数字が多いほど検索結果に頻出している。 |
| クリック数 (Clicks) | 検索結果からクリックされた回数。インプレッションのうち実際にサイト訪問に至った数。 |
| クリック率 (CTR) | クリック率=クリック数÷表示回数×100%。検索結果での訴求力指標。高いほどタイトル/説明が魅力的。 |
| 平均掲載順位 (Avg Position) | 検索結果での平均順位。概況を示す参考値。値が小さい(1桁など)ほど上位表示されている傾向。 |
| ヒートマップ (Heat Map) | ページ内のユーザー行動を色で可視化する図。よく見られる所は赤、そうでない所は青など直感的に把握できる。 |
| クリックヒートマップ | クリックされた箇所と頻度を示す図。人気のリンクや誤クリック箇所を発見でき、UI改善に役立つ。 |
| スクロールヒートマップ | ページのどこまで読まれたかを示す図。多くのユーザーが離脱する位置を把握し、重要情報の配置見直しに活かす。 |
便利な用語
| 用語 | 意味・解説 |
|---|---|
| 離脱率 (Exit Rate) | 各ページでそのページを最後にサイトを離れた割合。ページ単位の退出率。高いページは改善検討。 |
| 平均ページ滞在時間 | ページごとの平均閲覧時間。短い場合は内容の問題を示唆。長い場合は興味を持たれている可能性。 |
| 平均セッション時間 | 1セッション当たりの平均滞在時間。サイト全体でユーザーが過ごす平均時間。長いほどユーザーの関与度が高い傾向。 |
| 新規ユーザー・リピーター | 初訪問のユーザーと再訪問のユーザー。リピーター率が高いと常連が多い。新規/リピーター比率で集客・定着状況を分析。 |
| 流入経路(チャネル) | ユーザーがサイトに来た経路(Organic検索、Direct、Referral、Social、広告など)。 |
| ランディングページ (LP) | 訪問時に最初に開いたページ。着地ページ。直帰率やCVへの影響大。入口ページとして内容適切か要チェック。 |
| コンバージョン (CV) | 設定した目標達成(購入・問い合わせ等)。サイトの成果に直結する重要指標。ゴールやイベントで計測。 |
| コンバージョン率 (CVR) | 訪問者のうちコンバージョンした割合。サイトの効率の指標。高めることがビジネス成績向上に直結。 |
| イベント (Events) | 特定アクションの計測項目(クリックや動画再生等)。ページビュー以外の動きを捉え、詳細行動を分析可能。 |
| 検索クエリ | ユーザーが検索時に入力した語句。サーチコンソールで表示・クリックが発生したキーワードを確認可能。SEO施策立案の基本。 |
| クロール (Crawl) | 検索エンジンのクローラーがサイトを巡回しページ内容を取得すること。インデックスの前提プロセス。 |
| インデックス (Index) | クロールしたページを検索データベースに登録すること。登録されて初めて検索結果に表示される。 |
| サイトマップ (Sitemap) | 全URLリストのXMLファイル。検索エンジンにサイト構成を伝える地図。サチコから送信可能。クロール促進に寄与。 |
| インデックスカバレッジ | インデックス状況の要約。何ページが有効/エラー/除外かをレポート。問題ページは早期対応が重要。 |
| モバイルユーザビリティ | モバイル端末での閲覧のしやすさ。文字サイズ・配置などの評価。モバイル対応不備はSEOにも悪影響。 |
| 外部リンク(被リンク) | 他サイトからのリンク。サチコでリンク元や数を確認可能。良質な被リンクはSEO効果大。不自然なリンクには注意。 |
| 熟読エリア | ユーザーがよく閲覧した部分を示すヒートマップ。赤い箇所は注目度大。重要部分が青ければ配置や内容改善を。 |
| 離脱エリア | ユーザーが最後に見ていた箇所を示すヒートマップ。共通の離脱地点があればその直前内容に改善点がないか確認。 |
| 誤クリック箇所の分析 | クリックできないのにクリックされた箇所を把握。ユーザーが何をリンクと誤認したかが分かりUI改善に役立つ。 |
| セグメント別ヒートマップ | 特定ユーザー層や条件で絞ったヒートマップ。新規 vs 再訪など比較分析が可能。ユーザー属性ごとの行動差を把握。 |
詳細分析向け用語
| 用語 | 意味・解説 |
|---|---|
| セグメント (Segment) | データの一部を抽出する条件・フィルター。例:「モバイルユーザーのみ」など特定グループに絞って分析。 |
| ディメンション (Dimension) | データの属性・分類項目。例:国、デバイス、参照元、ページタイトルなど。指標と組み合わせ多角分析に用いる。 |
| 指標 (Metric) | 数値で表される計測値。例:セッション数、売上、滞在時間、CVRなど。サイト状況を定量評価する基本要素。 |
| アトリビューション (Attribution) | コンバージョンへの貢献配分。どの流入経路がどの程度寄与したか分析する考え方。ラストクリック以外の貢献も評価して施策検討。 |
| コホート分析 (Cohort Analysis) | 同時期など共通属性のユーザー群の長期行動を追う分析。初訪月ごとのリテンションやLTVを比較し、ユーザー定着や施策効果を評価。 |
| LTV(顧客生涯価値) | Lifetime Value。一人のユーザーが生涯にもたらす収益総額。マーケ投資判断やリピーター施策の指標として重視される。 |
| ユーザーエクスプローラー | 個別ユーザーの行動履歴を辿るGA機能。一連のページ遷移やイベントをユーザー単位で確認。典型的行動パターンの洞察に活用。 |
| 構造化データ | 検索エンジン向けマークアップ。ページ内容を構造的に記述することでリッチリザルト表示を可能に。サチコでエラー警告をチェック。 |
| コアウェブバイタル | ページ表示のUX指標群(LCP/FID/CLS)。速度・応答・安定性を計測。ランキング要因にも採用されており改善が重要。 |
| 手動ペナルティ | Googleから科される手動の検索順位低下措置。ガイドライン違反サイトが対象。サチコで通知確認し、修正・再審査が必要。 |
| セキュリティの問題 | マルウェア感染やフィッシングなどユーザー安全を脅かすサイト状態。サチコで警告。放置厳禁で迅速な対処とGoogleへの修正報告が必要。 |
| 複数ヒートマップ分析 | 複数種類のヒートマップ結果を突き合わせて考察する手法。例:クリックとスクロールを併せ見て課題の真因を探る。 |
| A/Bテスト | 改善案の効果検証のためページを2パターン用意し比較する手法。どちらがCVR等で優れるかデータで確認し、施策の有効性を判断。 |
| セッションリプレイ | ユーザーのサイト操作を録画・再生する機能。実際のマウス移動やクリックを追体験でき、UI上の躓きポイントを発見しやすい。 |
以上、アクセス解析における主要な用語を網羅的にまとめました。最初は情報量が多いですが、実際にツールを触りながら一つ一つ確認していくことで徐々に馴染んでくるでしょう。本記事の内容や早見表を参考に、ぜひ日々のアクセス解析とサイト改善に役立ててください。データを正しく読み解き、小さな気付きの積み重ねが大きな成果につながることを期待しています。アクセス解析の基本を理解するだけでも、様々な側面からサイトの状況を分析できます。 ぜひこれらの用語を味方につけて、効果的なWebサイト運営にチャレンジしてみてください。
まとめ
アクセス解析は専門用語が多く、最初は戸惑いやすい領域ですが、「ユーザー数」「セッション数」「直帰率」「コンバージョン率」といった基本指標を理解するだけでも、サイト改善の大きなヒントが見えてきます。さらに、Googleアナリティクス・サーチコンソール・ヒートマップといったツールを使い分けることで、サイトの課題発見から改善施策まで一貫して取り組むことが可能になります。
大切なのは、数値を「ただ眺める」のではなく、「どう改善につなげるか」という視点を持つことです。アクセス解析の知識は、中小企業のマーケティング担当者や経営者にとっても、確実に成果を出すための強力な武器になります。
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