【完全版】2025年5月Google検索オフィスアワーまとめ|SEO対策・インデックスの実務ヒント

投稿日:2025.06.04.
更新日:2025.06.04.

SEO

株式会社TREVOの月額制ホームページ制作サービス
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板浪 雅樹
執筆・編集 板浪 雅樹

2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」

執筆記事:記事一覧ページ
SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB

Google検索で思うように順位が上がらない、インデックスされないページが増えている、サーチコンソールのレポートが読みにくい、そんな悩みをお持ちではありませんか?
今回のブログ記事では、2025年5月29日に配信された「Google検索オフィスアワー」の内容を実務視点で徹底解説しています。

Web制作やSEO運用に携わる方にとって、「検索エンジンの公式の考え方」を理解することは改善の第一歩です。
TREVOでは、こうしたGoogle公式の最新情報を常に把握し、SEO対策に反映するサポートを行っています。お困りの方は、ぜひSEO対策サービスページもご覧ください。

SEOの答え合わせは、Google公式にあり

Webサイト運営において、「検索順位が落ちた」「インデックスされない」といった問題は、ある日突然やってきます。そしてそれは、明確なエラーではなく「仕様変更」「評価基準の変化」など、Google検索の内部的な仕組みが関係していることも少なくありません。

本記事では、2025年5月29日に配信された「Japanese Google Search Office Hours(#Google検索オフィスアワー)」の内容を基に、実務に役立つヒントを抽出・整理しました。Google社員による11件の質問回答を通して、インデックス状況・トラフィック変動・タイトル表示・構造化データ・画像認識・サイト移転など、幅広い領域の最新動向を紹介しています。

SEOに携わる方はもちろん、「なぜか表示が減った」という現象にお悩みの方にも、きっと有用な情報があるはずです。

2025年5月のGoogle検索オフィスアワー注目ポイント

今回のオフィスアワーでは、以下のような「検索の見えづらい仕組み」に関する質問が多く取り上げられました。

  • GooglebotのIP制御とクローラビリティの影響
  • Search Consoleのインデックス総数が変動する理由
  • サイト移転時のURL再浮上・旧URLの残留問題
  • 意図しない検索結果タイトルリンクの表示
  • 画像のインデックス最適化や求人ページのボタン出力問題

単にFAQをなぞるのではなく、それぞれのトピックに対してTREVOの実務での経験や改善策も盛り込み、現場での応用がしやすい構成にしています。

「順位が下がった…」だけでは見えない真因を探る

検索順位の変動は、時に「評価が下がった」「品質が落ちた」と解釈されがちですが、実際には以下のような多様な要因が絡んでいます:

  • Google検索側のアルゴリズムやシステム更新
  • 構造化データやクローラー制御の技術的な設定ミス
  • 競合サイトの改善による相対的な順位低下
  • そして、Googleが自動で行うスニペット生成やタイトル書き換え

本記事では、それらの“見えにくい変化”に対し、Googleがどのように解釈しているかを把握しながら、どう対処すべきかを丁寧に紐解いていきます。

Q1. デスクトップとモバイルでURL正規化はどう設定すべきか?

質問内容

ECサイトを運営しています。PCサイトとモバイルサイトを持っており、URLは同一ですが、UIがそれぞれ異なります。商品ページにおけるカノニカルの設定について不明点があるので質問させてください。
PCサイトとモバイルサイトで商品ページの合計ページ数が異なる場合、カノニカルはどのように設定するのが良いでしょうか?

Googleの回答

このご質問に関してですが「PCサイトとモバイルサイトでUIが異なるものの、URLは同一である」との前提があります。つまり、1つのURLに対して異なるレイアウトがデバイス別に適用されている、いわゆるレスポンシブデザインもしくはダイナミックサービングのような構成であると読み取れます。

このような構成であれば、基本的にカノニカルタグはそのページ自身(=そのURL)を指すように記述することが適切です。たとえば、<link rel=”canonical” href=”https://example.com/product/abc”>のように、同じURLをカノニカルとして設定します。

一方で、「商品ページの合計ページ数が異なる」という点に関しては、質問者様の意図がやや不明瞭ではあるものの、恐らくページ分割(pagination)や、モバイル向けに省略された商品情報などを指しているのではないかと推察します。

いずれにしても、URLが同一である限り、そのURLをカノニカルとして設定することに問題はありません。

加えて、公式なガイドラインとしては「モバイルサイトとモバイルファーストインデックスに関するおすすめの方法」ページ(リンクはこちら)をご参照いただくと、より理解が深まるかと思います。

もし、今回の質問の意図が異なっている場合、次回のオフィスアワーやフォーラム等で詳しくご説明いただければ、より正確なご案内ができると思います。

TREVOの補足

TREVOでは、基本的にレスポンシブデザインを標準とし、canonicalの混乱を避けていますが、過去のサイトではPCとモバイルで分けていたものもありました。その場合、以下の点に注意しています。

  • canonicalはモバイルページが自身を指すように
  • desktopページには rel=”alternate” でモバイル版を示す
  • MFI環境では「モバイル版=正」の前提でHTML構造も統一

こうした整理が不十分なままだと、モバイル検索結果でインデックスされない・評価が落ちるといった現象が起こります。特にスマホ最適化に力を入れていない古いサイトでは要注意です。

Q2. インデックス登録レポートのURL数が減った理由は?

質問内容

以前まで、Search Consoleの「インデックス未登録(除外)」に多数表示されていたURLが、ある時点から一斉にサーチコンソール上に表示されなくなりました。

該当のURLは、削除やステータス変更(404や410)を行っていないことを確認しています。また、「インデックス未登録」以外の他のカバレッジステータスに移動した形跡も見られません。Search Consoleの解説によれば、「URLの総数は増えることはあっても減ることはない」「いずれかのステータスに必ず振り分けられる」と理解しています。

このような事象が起きた場合、以下のどちらの可能性が考えられるでしょうか?Google側の処理優先度の変更により、サーチコンソール上で可視化されなくなった。Search Consoleの仕様変更による影響で、レポート上の挙動が変わった。

また、このようにSearch ConsoleのレポートからURLが表示されなくなったことにより、インデックスやクロール状況に実質的な影響が出ているのか? それとも、あくまでレポート上の可視性の問題で、実際のクロールには影響がないのか?このあたりをご意見いただければと思います。

Googleの回答

まず、今回のご質問は非常に高度な内容であり、多くの方が気になる点でもあるかと思います。まず前提として、具体的なサイト情報が提供されていないため、一般論としての回答になりますが、ご了承ください。

ご質問の中で、「Search Console上でのURLの総数は増えることはあっても減ることはない」と理解されていたとのことですが、実際にはその認識は完全には正確ではありません

Googleは「URLを忘れる」ことがあります。
どういうことかと言いますと、Googleは1997年に検索サービスを開始して以来、何十億というURLをクロールしてきました。仮に、すべてのURLを記録し続けていたとしたら、それこそ天文学的なストレージが必要になってしまいます。

つまり、ある程度の期間アクセスがなかったり、重要性が低いと判断されたURLは、Google側で「忘れる(≒記録から削除される)」ことがあるということです。

この「忘れる」行動は、Search Consoleのレポート上にも影響します。

そのため、インデックス未登録だったURLが、ある時点からSearch Console上に一斉に表示されなくなったという現象は、処理優先度やシステム上の最適化によって、GoogleがそのURL群を記録から外した可能性があると考えられます。

また、Search Consoleはあくまでレポートツールであり、インデックスのすべてをリアルタイムで網羅的に表示しているわけではないという点も重要です。表示対象となるURL群の選定には、Google側の基準があり、それは常に変動しています。

したがって、今回のように突然レポートから消えたとしても、それが必ずしもインデックスやクロールの不具合を意味するものではない、という点は覚えておいてください。

ただし、もし本当に何らかの問題が起きている場合、Search Console上で別のレポートにアラートが出ていることが多いので、そちらもあわせて確認するのが良いでしょう。

TREVOの補足

実務では、サーチコンソールの数値だけで焦らないことが重要です。弊社でも、記事をリライトや追記したうえで「インデックス登録をリクエスト」し直すことで、検索結果に復帰した事例が多くあります。逆に、放置していても戻るケースも。インデックス数が減ったときは、クロール済み未登録との割合や構造の変化、内部リンクの状況を見直しましょう。

  • サーチコンソールの「URL検査ツール」でインデックス状況を確認
  • 「クロール済み – インデックス未登録」状態のページは、本文と構造を見直し
  • noindex が誤って入っていないか、canonicalが他のURLを指していないかを確認

一時的な減少ではなく、ページ設計上の欠陥があれば構造的な修正が必要です。焦らず、丁寧に要因を見極めましょう。

Q3. 運営ページのトラフィック減少は何が原因?

質問内容

最近、運営しているページのトラフィック数が減少していることに気づきました。そこで調べてみたところ、これまで自サイトのページが上位表示されていたキーワードで、他のページが上位に表示されるようになっていました。

その上位表示されたページには「AIサポート」と記載があり、AIによって記事が生成されたことがわかります。その記事はドイツにある美術館について紹介していたのですが、実際には存在しない美術館が含まれていて、事実とは異なる内容が書かれていました。
AIを活用して記事を作成すること自体に問題はないと思っていますが、なぜこのように明らかに誤った情報を含んでいるページがGoogleの検索結果で上位表示されてしまうのでしょうか?
これは、AIが生成したコンテンツが優遇されているということなのでしょうか?

Googleの回答

この件に関しては、具体的なサイトのURLとクエリ情報が添えられていたため、担当チームで実際の状況を確認しました。

そのうえで、考えられるすべてのシグナルを精査した結果、該当のAI生成記事については「非常に好意的に受け取られており、コンテンツに問題は見られなかった」との評価が返ってきました。

ご質問の中で「存在しない美術館が含まれている」とのご指摘がありましたが、確認したところ、翻訳上の解釈違いや文脈の切り取りによって誤解が生じた可能性もあるようです。実際には、実在する美術館の名前と、その特徴についての記述が正確に行われていたことが判明しました。

また、質問者様のサイトについても状況を確認したうえで、Google公式のサポートページである
Google検索トラフィックの減少をデバッグする
の「掲載順位のわずかな低下」の項目が参考になると考えられます。

特にこの中では、検索順位がわずかに下がるだけで、クリック率(CTR)やトラフィックに大きな影響が出ることがあるという点が明記されています。

つまり、AI生成であることが直接的な上位表示の要因ではなく、あくまでそのページが「Googleの検索品質評価の観点から、有益で関連性が高いと判断された」ために、上位に表示されているというのが現状の見解です。

TREVOの補足

このケースは、特に最近増えている「AI生成コンテンツ vs. 手動記事」という構図において、クライアントからもよく質問を受ける事例です。

私たちTREVOでも、競合がAI記事で上位に来ていることに焦るお客様もいらっしゃいます。しかし、AI生成=評価されるわけではなく、構成・内容・信頼性・構造化の有無など、評価軸は総合的です。

事実と異なる情報であっても、Googleがクロールした時点で“問題なし”と判定していれば、一時的に評価が高くなることもあります。

  • 自社のコンテンツを定期的に見直し、情報の信頼性や一次情報へのリンク強化を行う
  • 構造化データの整備や著者情報の明記で信頼性を補強する
  • サイト全体のE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を向上させていく

こうした「積み重ね」が、AIコンテンツとの差をつける大きな武器になります。

Q4. Google クローラーの IP 制御導入時のリスク

質問内容

大手ECサイトを運営しています。最近、Googlebotを装った偽のクローラーによる不審なアクセスが多発しており、それらのアクセスをブロックするために、GoogleクローラーのIPアドレスを判定し、アクセス制御を行いたいと考えています。

Googleが提供している公式のIPアドレスリストをもとにアクセスを許可する想定ですが、このリストの更新に遅れが生じた場合のリスクが気になっています。
たとえば、IP情報が更新されたことに気づかず、最新のリストへの反映が12週間ほど遅れた場合、正規のGoogleクローラーを誤ってブロックしてしまう可能性があるのか?
それによって、Googleの検索インデックスや表示順位に悪影響が出るのか?
このあたりのリスクについて教えていただけると助かります。

Googleの回答

まず、Googleクローラーに対するIPベースのアクセス制御についてですが、Googleでは正規のGooglebotかどうかを確認するための公式なIPリストを毎日エクスポートして公開しています。

このIPリストは、Googleの公式ドキュメントでも説明されているとおり、毎日更新されるJSONファイルとして提供されており、これを参照することで常に最新のIP範囲を取得できます。

ご質問にあったような、「IPリストの更新に12週間遅れてしまう」ケースに関してですが、その場合、新たに追加された正規のGooglebotのIPアドレスを正しく認識できずに誤ってブロックしてしまうリスクがあります。
このように、正規のGooglebotをブロックしてしまうと、最悪の場合、そのページがGoogle検索結果から除外されてしまう可能性もあるため、非常に注意が必要です。

したがって、IPアドレスによるアクセス制御を行う場合は

  • IPリストを毎日自動で取得・更新する仕組みを導入すること
  • 手動管理に頼らず、可能な限りスクリプトなどで自動同期すること

を強く推奨します。

特に、Googlebotを誤ってブロックしてしまうと、「クロール不能=インデックス対象外」となるため、アクセスやSEOに対する悪影響は避けられません。

TREVOの補足

弊社でも、過去にGooglebotに見せかけた不審なクローラー(例:検索順位チェックツールや外部監視ボット)への対策相談を複数受けたことがあります。
このようなとき、IP制御を導入する判断は間違っていませんが、「正規のGooglebotをブロックしないように細心の注意が必要」というのが現場での実感です。

  • CloudflareなどのCDNサービスを使ってアクセス制御する
  • IPリストの自動取得・キャッシュ更新スクリプトを導入する
  • .htaccessよりもサーバー側WAF(Web Application Firewall)で管理する

GooglebotのIPチェックを定期的に怠らないことで、SEOの健全性を損なわずにセキュリティを保つことができます。

Q5. スパム行為を発見した

質問内容

検索結果を確認していたところ、ある特定の名前と職業に関するクエリで大量の見覚えのない不明なサイトが表示されていることに気づきました。

表示されたページのタイトルとメタディスクリプションが異なっており、まるで「キーワードハック」のように見える状態です。これらは、私が知っている知人の名前と職業に関する検索でも多数確認されており、同様のパターンが他の名称でも広がっているようです。
このようなページは、おそらくスパム目的で量産されているサイトではないかと感じています。

しかし、Google検索結果に表示されている以上、正しい手段でどう対応すべきかが分かりません。
このような不正なスパムページに対して、Googleとして何らかの対応を取る方法はありますか?
また、何を根拠にスパムかどうかを判断しているのかも気になります。

Googleの回答

まず、いただいたご質問には具体的な氏名や検索クエリの情報が添えられていたため、我々のチームで状況を確認することができました。

調査の結果、今回のケースで表示されていた検索結果に関しては、日本において非常に一般的な姓や職業に関連するクエリであったため、Google側でこれをもって即座に「スパムである」と判断するのは困難でした。

つまり、表示されていたページがどれも機械的に生成されたとは限らず、一部は正規に存在するサイトや情報ページである可能性もあるということです。

一方で、もしユーザー側で「明らかにスパムである」「悪意のある操作が行われている」と判断できる具体的なページやURLがある場合には、Googleとしても正式な報告を受け付けています。

その方法としては、以下のGoogle公式フォームから、「スパム・フィッシング・マルウェアの報告」を行うことが可能です。

 スパムを報告する公式ページ

このページでは

  • スパムと疑われるURL
  • その理由(なりすまし、誤誘導、偽情報など)
  • 発見方法や影響の範囲

などを詳細に記載して、Googleの審査チームへ報告することができます。

特に今回のように、「名前+職業」というようなクエリで大量の不自然なページが表示されている場合は、報告する際にその点も明記することで、審査・対応がスムーズになる可能性があります。

TREVOの補足

このようなキーワードを意図的に埋め込んだ“疑似コンテンツ”によるスパム表示は、以前からBtoC系のクライアント(医療、美容、教育など)でしばしば見られました。
特に名前・資格・職業などのパーソナルなキーワードは、悪用されやすく、表示順位を荒らす温床になります。

弊社では以下のような対策を推奨しています。

  • スパムページを見つけたらすぐにGoogle公式フォームから報告
  • クライアントの名前や職業に関連する検索結果を定期的にチェック
  • Googleアラートを設定して、異常なインデックス変化を監視

SEOでの信頼性を保つためにも、悪質な情報からブランドや個人を守る体制づくりが大切です。

Q6. EC サイトで商品画像が認識されない

質問内容

自社で運営しているECサイトについて、Search Consoleの「公開URLをテスト」機能を利用して確認したところ、ページ上に配置している商品画像がすべて認識されていないことに気づきました。

画像の読み込みには「レイジーロード(遅延読み込み)」を使用していますが、その実装についてもGoogle検索セントラルのドキュメントに従って推奨されている方法で構築済みであることを確認しています。
それでもなお、Search Consoleのスクリーンショットでは商品画像が正しく読み込まれておらず、表示されていない状態です。
このような状況の原因として考えられることがあれば教えていただきたいです。
また、仮説として、ページのクロール処理に時間制限が設けられていて、タイムアウトにより商品画像の取得に失敗しているのでは? とも考えていますが、この点についてもご意見をいただけると幸いです。

Googleの回答

今回のご質問には対象ページのURLが添えられていたため、Googleのチームで実際の状態を確認することができました。
その結果、Search Consoleの「公開URLをテスト」機能において、スクリーンショット上で商品画像が読み込まれていない状況を再現することができました。

まず前提として、Search Consoleのスクリーンショットやレンダリング結果は、Googlebotがクロール・処理を行う際の「限定的な環境」で表示されるものであり、実際の検索インデックスとは少し異なるレンダリング条件で取得されています。

この点を踏まえたうえで、今回のように画像が認識されないケースで考えられる原因は、以下のようなものがあります:

  1. ページパフォーマンスの問題により、Googlebotのレンダリング時間内にリソースの読み込みが完了しなかった可能性
  2. JavaScript経由で遅延ロードしている画像のsrc属性が正しくHTML上に出力されていない
  3. robots.txtの設定や画像CDN経由のアクセス制御によって、botが画像へアクセスできていない
  4. 使用しているレイジーロードの実装が、Googleの仕様変更により非対応となっているパターン

特に、レイジーロードを使用している場合は、Googleがそれを正しく認識するために、<img>タグ内に適切なsrcやsrcset属性が含まれているかが重要です。JavaScriptでsrc属性を後から書き換えている構成だと、Googlebotが画像ファイルを取得できないことがあります。

ご質問内の「Googlebotのタイムアウトによって一部リソースの読み込みがされていないのでは?」という仮説についても、可能性は十分にあると考えています。ページが複雑だったり、リソースの読み込みに時間がかかる構成の場合、Googlebotが一部の要素をスキップしてしまうことはあります。

また、画像がインデックスに登録されているかどうかについては、Search Consoleとは別に「Google画像検索」で該当画像を検索したり、[site:URL] 検索で確認することで、インデックス状況をチェックすることが可能です。

TREVOの補足

弊社でも、商品画像やバナーが「Search Consoleのスクリーンショットに表示されない」と相談されることがありました。
その多くは、以下のいずれかのパターンでした:

  • JavaScriptベースでの画像差し替えによるsrc属性の欠如
  • HTML内での画像遅延読み込みがGoogleのbotに伝わっていない
  • 画像サーバー側のセキュリティ設定(例:IP制限、リファラ制限)によってbotが画像にアクセスできなかった

対応としては

  • <img>タグにsrcを明示的に書く(JavaScriptで差し込まない)
  • loading=”lazy”を使う場合でも、HTMLレンダリング完了前に画像がHTML内に存在するようにする
  • CDNや.htaccessで画像ファイルへのアクセスを制限していないか確認

特にECサイトでは、画像が表示されないと商品の魅力が正しく伝わらず、SEO的にも致命的です。定期的に「公開URLをテスト」でスクリーンショットを確認し、bot視点での表示チェックを習慣化することをおすすめします。

Q7. サイト移転による意図しない検索結果

質問内容

先日、当社サイトのリニューアルを実施しました。ドメインは変更せず、既存のURL構造を保ったまま、新しいデザイン・構成に移行しています。

リダイレクト設定については、301リダイレクトを適切に設定し、カノニカルタグも各ページに設置しています。にもかかわらず、特定のキーワードで検索すると、検索結果に表示されているタイトルやメタディスクリプションが、意図したページのものではなく、別のページの情報になっている状態が続いています。

この現象は、移転処理の過程でGoogleが一時的に評価中であることによるものなのでしょうか?
また、検索順位やCTR(クリック率)に悪影響が出ているように感じており、何かできる対処策があれば教えてください。

Googleの回答

今回のご質問では、対象のURLとクエリ情報も添付されていたため、実際に確認・デバッグを行うことができました。
調査の結果、該当するページではJavaScriptを用いたレンダリング処理や複数のリダイレクトが発生していることが確認されました。

具体的には:

  1. 最初にアクセスされたURLから、JavaScript制御によって別ページに一度遷移
  2. さらにそこから最終的なトップページへとリダイレクト
  3. 結果として、Googlebotが「トップページのHTMLソースを、該当コンテンツページの内容として認識してしまった」

という状況になっていました。

この状態では、リッチリザルトテストなどで対象ページをテストしてみると、表示されるHTMLソースやスクリーンショットがトップページの内容になってしまっていることが確認できます。

つまり、Googlebotが「ページを正しく読み切れていない」または「リダイレクトの結果を誤って評価している」状態と考えられます。
このような場合の対処法としては、以下のような改善策が考えられます:

  • JavaScriptによるリダイレクトや遅延表示を避け、できる限りサーバーサイドで処理する(SSR:サーバーサイドレンダリング)
  • リダイレクト回数を最小限にし、構造を単純に保つ
  • Search Consoleで「URL検査」を行い、インデックスされた内容と実際のページ構成に差がないか確認する
  • 該当ページの再インデックス申請を行う

時間の経過とともにGoogle側でも再評価され、正しい情報が反映されることがほとんどですが、構造的な問題(JSリダイレクトなど)を放置すると、再評価されにくくなるため、できるだけ早期に修正するのが望ましいです。

TREVOの補足

このような「意図しないタイトルや説明文が表示される」という相談は、リニューアル時に非常によくあるケースです。
弊社でも、WordPressテーマをリニューアルした際にJS制御でページ遷移を行っていた結果、Googlebotがトップページを「誤認識」し、全ページ同一タイトルになるという事象を経験しています。

その際に行った対応は以下の通り:

  • JSによるページ制御を廃止し、すべてSSRで処理
  • rel=canonical と og:title/meta description の見直し
  • 該当ページを「URL検査」→「インデックス登録リクエスト」で再申請

これにより、数日〜1週間で正しいタイトル情報に戻りました。
CTRに影響が出るほどの表示のズレは、SEO的にもマーケティング的にも大きな問題です。構造の簡素化とレンダリング最適化が何よりの対策と考えます。

Q8. 意図しないタイトルリンクが表示される

質問内容

自社のサイトをスマートフォンで検索した際に、意図していないタイトルが検索結果に表示される現象が発生しています。
このタイトルは、titleタグ・H1タグ・OGタグ(og:title)のいずれにも設定していない文言で、明らかに誤認識された内容となっています。

一方、PCで同じキーワードで検索した場合には、titleタグに記述した内容が正しく表示されているため、問題は発生していません。
すでに、Googleの「検索結果に関するフィードバック」フォームから該当内容を報告していますが、数週間経っても状況は変わっていません。
このような現象に対して、何か取るべき対策や確認すべき項目があれば教えてください。

Googleの回答

今回のケースについては、具体的なURLをもとにGoogle内部で検証を行ったところ、我々の環境ではご報告いただいたような現象(スマホ検索時に意図しないタイトルが表示される)は再現されませんでした。

そのため、時間の経過とともにGoogle検索結果が再評価され、問題が自然に解消された可能性が高いと考えられます。
とはいえ、検索結果に表示されるタイトル(=タイトルリンク)が意図と異なる内容になる原因として、以下のようなポイントが挙げられます:

  • Googleは検索キーワードやクエリの意図に応じて、titleタグ以外の要素(H1・OGタグ・内部リンクのアンカーテキストなど)を参考にタイトルを生成することがある
  • モバイルとデスクトップでクエリの解釈や検索体験の設計が異なるため、タイトルリンクの内容も変化することがある
  • 特に、構造的にページの最上部に「読み込み途中に一時的に表示される要素(例:ローディングテキスト)」がある場合、それが一時的にGooglebotにキャプチャされることがある

Googleがタイトルを動的に書き換える背景としては、ユーザーにとってより関連性が高いタイトルを表示しようとする最適化処理が働いていることが理由です。
そのため、もしこのような問題が再発する場合には、以下の公式ガイドをご確認ください。

 Google検索結果のタイトルリンクの変更とベストプラクティス

このドキュメントでは、Googleがどのような条件下でtitleタグ以外の要素を参考にしてタイトルを書き換えるのか、その仕組みと対策方法が詳しく説明されています。

TREVOの補足

このような「スマホだけで意図しないタイトルが表示される」ケースは、特にWordPressやSPA(シングルページアプリケーション)型のサイトでよく見られます。
弊社でも、以下のような原因で同様の事象が起きた経験があります。

  • <title>と<h1>が完全に異なっていたため、Googleが文脈的に適したH1を優先して表示していた
  • JSON-LDやOGタグで別のタイトルが記述されており、Googleがそれをtitleより信頼性が高いと判断していた
  • AMPページとの連携設定ミスにより、canonicalと異なるtitle情報が送信されていた

これらを解消するために行った対策

  • title・H1・OG:title・JSON-LD内の名称を統一し、意味のズレをなくす
  • AMP対応時の<link rel=”canonical”>設定の見直し
  • WordPressプラグインによるtitle出力の二重登録を修正

最も重要なのは、意図したタイトルをGoogleに確実に伝えるための構造を整えることです。

特にtitleタグとH1が食い違う場合、Googleは「よりユーザーに分かりやすいもの」を採用することがあります。
すべてのタグで意味を統一し、整合性を取ることが、検索結果での意図通りの表示につながります。

まとめ

今回のGoogle検索オフィスアワー(2025年5月29日)では、SEO実務者が現場で直面しやすい、技術的・構造的な課題とその対応方針について、非常にリアルなQ&Aが多く取り上げられました。

特に注目すべきポイントは以下の通りです:

  • インデックス登録状況の変化は、Search Consoleだけで判断せず、ページ内容や構造の変化、再クロール状況なども含めて総合的に捉える必要がある
  • AI生成コンテンツの上位表示は可能だが、それが「誤情報」だと感じた場合でも、Googleは独自のシグナルで評価している。E-E-A-Tや一次情報性の重要性は今後さらに増す
  • JavaScript制御や遅延読み込み、AMP設定のミスなど、開発・運用時の小さな構造の違いが、検索結果に大きな影響を与える
  • IP制御やタイトルリンクの仕様など、Googlebotの挙動を深く理解しないと、誤ったSEO対策になるリスクも

株式会社TREVOでは、今回のオフィスアワーで示されたような「実務とクローラーの認識のズレ」を、日々の制作・運用の現場で丁寧に修正・改善しています。

SEOは単なるテクニックではなく、「ユーザーとGoogle、両方の期待に応える情報設計」の積み重ねです。
そのためには、日々の小さな違和感(アクセス数減少、意図しないタイトル表示、画像未認識など)を見逃さず、正しく原因を探る技術力と観察力が求められます。

今回の配信内容も、SEO担当者やWebディレクター、サイト運用管理者にとって、明日からすぐに活用できる知識が詰まっていました。

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