2014年当時、多くのサイト運営者は「ホームページ制作」や「ホームページ制作 大阪」といったビッグキーワード(検索回数が多く競合の激しいキーワード)で上位を狙うことを重視していました。
確かに、ビッグキーワードで上位表示を狙うことは、ブランド認知やアクセス増加の面で大切なSEO戦略の一つです。
しかし、その一方で月間検索数が少ない「スモールキーワード」を見落としているサイトも少なくなかったのです。当時は、こうしたスモールキーワードを体系的にとりこむ「ロングテールSEO」の考え方が注目されはじめていました。
ロングテールキーワードの効果(2014年当時の視点)
当時の一般的なデータでは、サイトへのアクセスの約6~8割が月間検索数1000件以下のロングテールキーワードから来ると言われていました。
さらに、ロングテールキーワードはビッグキーワードよりもコンバージョン率が高い傾向があり、平均20%以上のクリックや成約率が期待できるケースもありました。
弊社でも2014年9月のデータでは、ロングテールキーワードが全アクセスの約6割を占めていたため、ビッグキーワード一辺倒ではなく幅広いキーワードを攻略することの重要性が浮き彫りになっていました。
ロングテールキーワードを増やすためのアプローチ
ロングテールキーワード対策は、コンテンツをコツコツ増やしていく必要があり、その分コストや時間がかかります。当時から推奨されていたのは、
- CMS(コンテンツ管理システム)によるブログの定期更新
- 実績紹介やナレッジベースの充実
これらを積み重ねることで、ロングテールキーワードを含む多様なページを増やし、検索流入を拡大する戦略です。
また、当時よく用いられていた考え方として、
- TOPページでビッグキーワード
- カテゴリーページでミドルキーワード
- 個別記事ページでスモールキーワード
と階層的にキーワードを整理し、効果的に上位表示を狙う手法が紹介されていました。
このキーワード戦略は今も一定の有効性を持ちますが、2024年現在はより「検索意図」や「ユーザー体験」を重視する傾向があり、単純なキーワード階層戦略だけでなく、ユーザーが求める情報を深く分析し、それに応えるコンテンツ作りがさらに重視されるようになっています。
ロングテールキーワード選定時のポイント
行き当たりばったりでキーワードを増やしても、成果は限られます。当時から、自社ユーザーが実際にどのようなキーワードで検索しているかを調査し、それに即したキーワードを絞り込むことが重要とされていました。これは現在でも同様で、キーワードプランナーやサーチコンソール、SNS上でのユーザーの声を参考にするなど、データドリブンなキーワード選定が求められます。
まとめ・過去から現在への評価
2014年当時、ロングテールSEOについての話題は徐々に一般化しており、ビッグキーワード頼みのSEO対策では限界があることが指摘されていました。ロングテールキーワードを増やすためにブログやコンテンツを計画的に増やし、ターゲットキーワードを精査することは、当時としては先進的な考え方でした。
しかし、2024年の視点から見ると、当時はまだ「キーワード」や「コンテンツ量」への比重が強く、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)や検索意図、ユーザーエクスペリエンス(UX)といった要素への言及はそれほど強調されていませんでした。
とはいえ、ロングテール戦略そのものは今でも有効です。より細分化されたニッチなニーズに応え、ユーザーが求める情報をきめ細かく提供することは、現在のSEOでも効果的な手法です。ただし、当時以上にユーザーの目的や意図を深く理解し、それに合わせた質の高いコンテンツを提供する必要があります。
当時の結論である「ブログを書く時はどのようなキーワードで検索してほしいのか、誰が読者なのかを意識してコンテンツを作る」という点は、2024年の今でも通用します。ただし、それを補強するために、現在ではユーザーの満足度を高めるデザインやサイト速度、モバイル最適化、そして専門性と信頼性を示すエビデンスなど、より多面的な対策が求められています。
今後は、これらの要素を総合的に考慮したブログ・コンテンツ運用方法が、ロングテールSEOをより効果的に活用するカギとなるでしょう。
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