サイト移転・ページ削除・HTTPS対応に必須!正しいリダイレクトの設定と注意点

投稿日:2023.02.28.
更新日:2025.06.09.

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WordPress

株式会社TREVOの月額制ホームページ制作サービス
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衣川 知秀
執筆・編集 衣川 知秀

デザイン歴 20 年超、500 サイト以上を監修。ブランド戦略をビジュアルへ昇華し、使いやすさと美しさを両立させる UI/UX が持ち味。

3DCG 専門学校卒業後、広告代理店で Web デザイナーとしてキャリアを開始。旅館予約システムや商店街プロモーションなど多業種案件で「伝わるデザイン」の基礎を固めました。
その後、制作部門のリーダーとして 5 年間にわたりチームマネジメントを経験。企画立案から撮影ディレクション、公開後の AB テストまで、クリエイティブとマーケティングの橋渡し役を担ってきました。
2013 年に TREVO を共同設立。現在はデザイン、UI ガイドライン策定やアクセシビリティ監修を担当。
最近の取り組み:AI 生成画像と手描きイラストを組み合わせたブランドビジュアル開発とプロトタイプ検証。
信条:私たちが目指すのは、ホームページ制作を通じてお客様がハッピーになること。そして、そのホームページを訪れるユーザーが心地よく、笑顔になれるような体験を提供し、世の中にポジティブな影響を少しずつ増やしていくことです。
執筆記事:記事一覧ページ

この記事は、2023年2月28日に公開した「リダイレクトの必要性と種類」という記事を、内容を大幅に見直して最新のSEO知識と実務経験を反映し、リライトしたものです。

SEOに強いサイト運営を目指す上で、「リダイレクト」は一見地味な存在かもしれません。
しかしその設定ミス一つで、検索順位やアクセス数に大きな影響を与えてしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、リダイレクトの基本から応用、さらにはWordPressでの実装例や注意点、Googleの最新推奨事項までを、実務の視点で詳しく解説していきます。

なお、SEO全般に関する基本方針やテクニックについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの【SEO対策】ページもあわせてご覧ください。

リダイレクトの仕組みとUXの視点

リダイレクトの仕組みとUXの視点

リダイレクトの基本とその仕組み

ウェブサイトにおける「リダイレクト」とは、あるURLにアクセスしたユーザーを、自動的に別のURLに転送するための仕組みです。
これは、ページのURL構造を変更した場合や、ドメインそのものを切り替える際に欠かせない技術であり、サーバー側もしくはブラウザ側で設定されます。

具体的には、ユーザーが古いURL(たとえば http://example.com/old-page)にアクセスすると、裏側でHTTPステータスコード(301や302など)を返し、ブラウザや検索エンジンに「このページは移動しました」と伝えたうえで、新しいURL(例:https://example.com/new-page)へ自動的に誘導します。

この転送処理は見た目には一瞬で行われるため、ユーザーの体感としては「古いページにアクセスしたのに、気づいたら新しいページが表示されている」といった形になります。
サーバーで設定されることが多いため、WordPressなどのCMSやApache/Nginxといったサーバー環境ごとに方法は異なりますが、目的は一貫して「古いURLから新しいURLへ、安全かつ確実に情報を引き継ぐこと」です。

なお、リダイレクトに使われる代表的なステータスコードには以下のようなものがあります。

ステータスコード意味用途例
301恒久的な移動(Moved Permanently)サイト移転・ドメイン変更時
302一時的な移動(Found)A/Bテストやキャンペーン用
307一時的な移動(メソッド保持)POSTを維持した一時転送など
308恒久的な移動(メソッド保持)APIやフォーム送信結果の転送
410完全削除(Gone)削除済ページを明確に通知

これらのコードを正しく使い分けることで、検索エンジンにも意図を明確に伝えられるため、SEOへの影響を最小限に抑えることができます。

Google公式ドキュメント・ブログの「リダイレクトと Google 検索」も参考になります。

ユーザーエクスペリエンスを守るためのリダイレクト

ユーザー目線で考えると、リダイレクトはまさに「迷子防止の案内板」のような役割を果たします。

例えば、あるページが移動されたにもかかわらずリダイレクトが設定されていない場合、ユーザーは「404 Not Found」エラーに直面することになります。
これは、目的のページにたどり着けないという強いストレスにつながり、「このサイトは使いにくい」と感じて離脱してしまうきっかけになります。

株式会社TREVOでも、これまでに「リダイレクトを忘れていてアクセス数が落ちてしまった」というご相談を何件も受けてきました。
中には「リニューアルはしたけれど、検索や外部リンクから旧ページに来た人が全く新しいページを見てしまって、混乱した」というケースもありました。

また、企業サイトでは営業資料やSNSで過去のURLが共有されているケースも多いため、リダイレクトが設定されていないと、せっかくの集客導線が無駄になってしまいます。
これを防ぐためにも、リダイレクトは「技術的な処理」ではなく、ユーザーに対するおもてなしの一環として捉えるべきです。

リダイレクトは、ユーザーの「探していたページにちゃんとたどり着けた」という安心感を支える重要な要素です。
特に大阪のお客さまや地域の企業さまからも、「ページの移転後にどうしておけばよかったのか分からなかった」という声を聞くことがありますが、リダイレクトの有無がUXとSEOに与える影響は非常に大きいといえるでしょう。

SEO対策におけるリダイレクトの重要性

SEO評価を引き継ぐための仕組みとリンクジュースの継承

SEOの世界では、あるページに集まった評価や被リンクの価値を「リンクジュース」と表現することがあります。
このリンクジュースを新しいURLへ正しく引き継ぐために必要不可欠なのが、301リダイレクトです。

たとえば、URLを変更した場合にリダイレクトを設定しなければ、検索エンジンは新しいページを“まったく新規の存在”として認識してしまいます。
その結果、旧ページで得ていたSEO評価がゼロにリセットされてしまうことも。

逆に、301リダイレクトを正しく設定すれば、旧ページの評価の多くを新ページへ引き継ぐことが可能です。
Googleも301リダイレクトを「新しいページが正規のURLであることを示す強いシグナル」と明言しており、SEO上の影響を最小限に抑えられるベストプラクティスです。

TREVOでも、大阪のお客様から「パーマリンクを変えたいけれど、SEO順位が落ちるのが怖い」というご相談を受けることがよくあります。
このようなケースでは、変更後すぐに301リダイレクトを設置し、サーチコンソールでリダイレクトの動作確認を行うという対応を取っています。

クロール効率の向上と404エラーのリスク回避

Googleなどの検索エンジンは、ウェブ上のページを巡回(クロール)し、インデックス化(登録)することで検索結果に反映しています。
しかし、リダイレクトが正しく設定されていないと、クローラーが404エラー(ページが存在しない)に遭遇し、サイト全体のクロール効率が下がってしまうのです。

検索エンジンには「クロールバジェット」と呼ばれる“巡回できる上限”があります。
不要な404ページやリダイレクトチェーンに時間を使ってしまうと、本来インデックスされるべき新規ページや重要ページが見逃されるリスクが発生します。

特に規模の大きなサイトや商品数の多いECサイトなどでは、1つの設定ミスがクロール全体の優先順位に影響を及ぼすことも。
TREVOでも、WordPressサイトの一部で404が多発していたケースに対し、リダイレクト設定を見直したことで平均クロール量が回復し、自然検索流入が改善された事例があります。

重複コンテンツ対策としてのリダイレクト活用

SEOにおいて、同じコンテンツが複数のURLに存在する状態は「重複コンテンツ」として問題視されます。
たとえば、https://example.com/page/ と https://example.com/page/index.html のように、同じページに別々のURLが設定されていると、検索エンジンはどちらを正規のページと判断すべきか迷い、評価が分散してしまいます。

このようなケースでは、正規URLに統一するための301リダイレクトが非常に効果的です。
Googleに「このURLが正しい評価対象です」と明示することで、SEO評価の集中と順位の安定化を実現できます。

また、企業サイトではキャンペーンや過去のお知らせ記事が複数カテゴリで重複して掲載されていることも多いため、WordPressでカテゴリ変更を行った後などは要注意です。
TREVOでは、そのようなときにfunctions.phpやプラグインを活用し、URLの正規化とリダイレクトルールを一括で適用しています。

HTTPS化(常時SSL)のリダイレクトがSEOに与える影響

近年、Webサイトの常時SSL(https化)はGoogleの評価基準のひとつになっています。
HTTPのまま運営されているページは、「安全でないサイト」と警告されるだけでなく、検索順位でも不利になるケースがあります。

このHTTPS化を行う際には、旧URL(http)から新URL(https)への301リダイレクトを必ず設定する必要があります。
リダイレクトを設定せずに放置すると、同一ページがHTTPとHTTPSの2つのURLとして重複コンテンツ扱いになり、SEOが分散してしまう可能性もあります。

WordPressサイトであれば、.htaccessファイルに以下のような記述を加えることでHTTPSリダイレクトが簡単に設定できます。

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]

TREVOでは、サイトリニューアル時にこの設定を初期段階で組み込むようにしており、「SEO対策」「セキュリティ強化」「ユーザーの安心感」という3つの観点で効果を実感しています。

リダイレクトの種類と選び方

リダイレクトの種類と選び方

3-1. 301、302、307、308、410:それぞれの使いどころとSEO影響
リダイレクトには複数の種類があり、それぞれが検索エンジンに伝える意味とSEOへの影響が異なります。目的に合ったリダイレクトを正しく選ぶことは、検索順位を保つ上で非常に重要です。

以下に代表的なHTTPステータスコードの違いと用途をまとめます。

ステータスコード用途・意味SEO評価の扱い主な使用場面
301恒久的な移動(Moved Permanently)評価をほぼ完全に継承サイト移転、URL構造の変更、HTTPS移行など
302一時的な移動(Found)評価は基本的に旧URLに残るキャンペーンページ、A/Bテストなど一時的な転送
307一時的な移動(メソッド保持)基本的に評価は継承されないフォーム送信後の転送、Ajax用途など
308恒久的な移動(メソッド保持)評価はほぼ継承されるAPIリダイレクト、フォーム処理結果の恒久転送
410コンテンツの完全削除(Gone)検索結果からの削除を促すページ削除後に代替コンテンツがない場合

多くのケースでは301リダイレクトが最も安全かつSEOに優しい選択です。
ただし、A/Bテストや期間限定キャンペーンのように「あとで戻す」前提であれば302、
不要なページを明確に削除したい場合には410を使うのがベストです。

TREVOでも「SEOを維持したままドメインを変えたい」というお客様に対しては、301リダイレクトを適用した上でSearch Consoleのアドレス変更ツールも併用することを強くおすすめしています。

サーバーサイドとクライアントサイドの違いと使い分け

リダイレクトは、どこで転送処理が実行されるかによって大きく2つに分けられます。

種類実行される場所特徴と影響
サーバーサイドサーバー(ApacheやNginx).htaccessや設定ファイルで実行。SEOにも正確に伝達される。最も推奨される方法。
クライアントサイドブラウザHTMLの<meta>タグやJavaScriptによる遅延転送。SEO評価が継承されにくい。

サーバーサイドリダイレクト(例:301、302)はGoogleも推奨しており、検索エンジンに明確に意図を伝えることができます。
WordPressで運用している場合も、.htaccessファイルやプラグインによってこのサーバー側のリダイレクトを設定できます。

一方、HTMLの<meta http-equiv=”refresh”>タグや、JavaScriptのwindow.location.hrefなどを使ったリダイレクトは、ユーザーが一度旧ページに到達してから遷移する形式のため、Googleが正しく評価しないことがあります。

TREVOでは、セキュリティ上の理由やSEO目的がある場合はクライアントサイド方式を避けるようご案内しています。

SEOに悪影響を与える非推奨なリダイレクト手法

一部のリダイレクト方法は、手軽さの反面、SEO的には大きなリスクを抱えています。代表的な非推奨手法は以下の通りです:

Meta Refresh リダイレクト

HTMLの<head>内に次のようなタグを記述して数秒後に自動転送する方法です。

<meta http-equiv="refresh" content="3;url=https://example.com/">
  • ユーザーがページを読み込んでから転送されるため、待たされる印象があります。
  • Googleはこの方式をスパム的とみなすこともあり、リンクジュースを正しく引き継がないリスクがあります。

JavaScriptリダイレクト

次のような記述でURLを切り替える方法です。

window.location.href = "https://example.com/";
  • JavaScriptが無効な環境ではリダイレクトが機能しません。
  • 検索エンジンのクローラーがJavaScriptを完全に解釈できない場合、SEO評価が失われる可能性があります。

TREVOでは「少しでもSEOに影響を与えそうな設定は、なるべく避ける」という姿勢で、サーバーサイド方式を基本とし、特別な理由がない限りクライアントサイドのリダイレクトは使用しません。

「簡単に済ませたいけど評価は落としたくない」といったご相談があるため、短期的な手軽さよりも、長期的な信頼性を重視した設定を推奨しています。

シチュエーション別の設定方法と実践例

シチュエーション別の設定方法と実践例

ウェブサイトの運用では、状況に応じてリダイレクトを活用する必要があります。
ここでは、TREVOでも実際によくご相談を受ける7つの代表的なケースについて、それぞれのおすすめ設定方法と注意点を解説します。

サイト移転・ドメイン変更時

サイト全体を新しいドメインに移行する場合は、旧ドメインの全URLを301リダイレクトで新ドメインへ転送する必要があります。

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old-domain\.com$ [OR]
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.old-domain\.com$
RewriteRule ^(.*)$ https://www.new-domain.com/$1 [R=301,L]

さらに、Google Search Consoleの「アドレス変更ツール」を使用してGoogleに正式通知を行うことで、インデックスの切り替えをスムーズに進めることができます。

TREVOでも、過去にドメイン移転後アクセスが激減したお客様に対し、この設定+サーチコンソール連携で数週間以内に検索流入を回復させた事例があります。

Google公式ドキュメントの「サイトを移転する方法:Site Moves and Migrations」も参考になります。

ページ削除/URL変更時

ページ削除時の戦略的判断フロー

個別ページの削除やURL構造の変更も頻繁に発生します。その際は以下を判断基準にします:

  • 新しい関連ページがある場合 → 301リダイレクト
  • 完全に削除して再利用予定がない場合 → 410 Gone(完全削除を明示)

301記述例

Redirect 301 /old-page.html https://example.com/new-page.html

410記述例(.htaccessの場合)

Redirect gone /old-page.html

削除されたページに関連性の高い代替ページがある場合は、ユーザーを誘導する意味でもリダイレクト設定が推奨されます。

HTTPS移行

HTTPからHTTPSへの移行は、SEO・セキュリティの両面で必須となっています。
このとき重要なのが、HTTPからの全アクセスをHTTPSに301リダイレクトすることです。

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]

TREVOではすべての新規構築案件で常時SSL対応を前提とし、この記述を.htaccessに組み込んでいます。

WWWありなしの統一

たとえば、https://example.comとhttps://www.example.comの両方が存在すると、検索エンジンは重複ページと認識してSEO評価が分散する可能性があります。

どちらか一方を正規URLとして決め、残りを301リダイレクトで統一しましょう。

wwwなし → あり の例

RewriteCond %{HTTP_HOST} ^example\.com [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.example.com/$1 [L,R=301]

また、WordPressを使っている場合は、管理画面の「設定 > 一般」でも正規URLを設定できます。

重複コンテンツ統合

カテゴリ・タグの違いなどで同じ記事が複数のURLで表示されるケースでは、重複コンテンツと判断されてしまいます。
この場合、1つの正規URLに統一し、それ以外は301リダイレクトすることで評価が集中します。

TREVOでは、WordPressで複数カテゴリを使っているお客様に対し、functions.phpで自動転送ルールを追加することで効率的な統合を実現しています。

モバイル対応

過去には、モバイル版とPC版でURLを分けていたケースがありました(例:m.example.com)。このような場合にはユーザーエージェントで振り分けて302リダイレクトを使うのが一般的でした。

しかし現在では、レスポンシブWebデザインが推奨されており、URLを分けるより1つのURLで画面幅に応じて表示を切り替える方式が主流です。

Googleも、URLの一貫性・クロール効率・SEOの観点から、レスポンシブデザインを高く評価しています。

A/Bテストやキャンペーン用途

短期間だけ特定のページに誘導したい場合、302リダイレクト(一時的転送)が適しています。

Redirect 302 /product.html https://example.com/campaign-version

注意点として、302を使った場合は元のURLが検索結果に残るため、キャンペーン終了後は必ず元に戻すか、301に切り替えるなどの処理が必要です。

TREVOでも、過去に302リダイレクトのまま放置されていたケースがあり、キャンペーン終了後も古い内容がGoogleに残り続ける問題を解決したことがあります。

CMS・サーバー別リダイレクト実装方法

リダイレクトの設定方法は、使っているサーバー環境やCMS(コンテンツ管理システム)によって異なります
この章では、TREVOでもよく使用している「Apache」「Nginx」「WordPress」に分けて、実践的な設定方法と注意点をご紹介します。

Apache環境での基本的な .htaccess 設定例

Apacheサーバーでは、.htaccessファイルを使ってリダイレクトを制御するのが一般的です。
この方法は即時反映され、サーバーサイドで処理されるためSEOに最も適しているとされています。

ページ単位の301リダイレクト

Redirect 301 /old-page.html https://example.com/new-page.html

ディレクトリごとのリダイレクト

RedirectMatch 301 ^/old-directory/(.*)$ https://example.com/new-directory/$1

ドメインごとのリダイレクト(サイト移転時など)

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old-domain\.com$ [OR]
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.old-domain\.com$
RewriteRule ^(.*)$ https://www.new-domain.com/$1 [R=301,L]

無限ループを避けるための注意点

.htaccessによるリダイレクトでは、「自分自身にリダイレクトしてしまう」設定ミスに注意が必要です。
TREVOでも、過去にリニューアル案件で無限ループが発生した事例があり、検証とバックアップで迅速に対応しました。
以下のような条件分岐を入れることで、ループを回避できます。

RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]

また、設定後は必ずブラウザのシークレットモードやcurlなどでHTTPステータスコードを確認しましょう。

Nginxでの rewriteルール設計と注意点

Nginxでは、Apacheの.htaccessのような分散設定は使えず、nginx.conf や仮想ホスト設定ファイルに直接記述する必要があります。

ドメイン全体をリダイレクト(例:HTTP → HTTPS)

server {
    listen 80;
    server_name example.com www.example.com;
    return 301 https://$host$request_uri;
}

特定ディレクトリを転送

location /old-dir/ {
    return 301 /new-dir/;
}

注意点

  • 設定変更後は必ずNginxの再起動またはリロードが必要です(例:sudo systemctl reload nginx)。
  • 書き間違いがあるとNginx全体が立ち上がらなくなるリスクがあるため、テスト環境で事前に検証することが大切です。
  • rewrite ディレクティブでは permanent(301)や redirect(302)などの明示も忘れずに。

TREVOでは、サーバー全体のパフォーマンスや拡張性を重視するサイトでNginxを使うことが多く、クライアントの要望に合わせてApacheと使い分けています

WordPressでのリダイレクト設定方法とおすすめプラグイン

WordPressでは、初心者でも簡単にリダイレクトが設定できる便利なプラグインがあります。
また、状況に応じて.htaccessやfunctions.phpで直接制御する高度な方法もあります。

おすすめプラグインとその使い分け

プラグイン名特徴と使いどころ
Redirection日本語対応。視覚的に転送ルールを管理可能。リダイレクト履歴も確認可。初心者におすすめ。
Yoast SEO(Pro)コンテンツ削除時にリダイレクト提案機能あり。SEO対策と一体化した管理が可能。
Rank Math SEO軽量かつ多機能。301, 302, 410など柔軟に対応。無料でも高機能。

TREVOでも最近はYoast SEOやRank Math SEOに備わっているリダイレクト機能を活用することが増えています
テーマやSEO構成と連携しやすく、プラグイン同士の競合も起きにくいため、運用時の安定性が高いのが特徴です。

functions.phpでの大量一括リダイレクト処理

ページ数が多く、ルールベースでリダイレクトを行いたい場合には、以下のようにfunctions.phpで設定することもあります。

add_action('template_redirect', 'custom_redirect_old_urls');
function custom_redirect_old_urls() {
  if (is_page('old-page')) {
    wp_redirect(home_url('/new-page/'), 301);
    exit;
  }
}

この方法は柔軟に条件分岐ができる反面、記述ミスがあると画面が真っ白になる可能性もあるため、バックアップを取ったうえで慎重に行います。

TREVOの実務ポイント

  • 小規模案件:Redirectionで手軽に管理
  • 中〜大規模案件:Rank MathやYoastでSEO全体と連動
  • 特殊なルールや大量一括処理:functions.phpや.htaccessで対応

実装時の注意点とベストプラクティス

実装時の注意点とベストプラクティス

リダイレクトは便利で強力な仕組みですが、設定ミスや運用上の不備によって大きなトラブルにつながることもあります。
ここでは、TREVOでも実際に経験した内容を踏まえつつ、SEOとユーザー体験の両面で気をつけるべきポイントをご紹介します。

リダイレクトチェーンと無限ループの危険性

リダイレクトチェーンと無限ループの危険性

リダイレクトチェーンとは、以下のように複数のページを経由して転送されてしまう構成を指します。

Page A → Page B → Page C → Page D

このようなチェーンが発生すると、検索エンジンのクロール効率が低下するだけでなく、最終ページの評価が途中で切れてしまう可能性があります。

さらに深刻なのが無限ループです。たとえば、A→B→A→B…というような設定ミスを起こすと、ユーザーも検索エンジンもページに辿り着けなくなります

実際にTREVOでも、WordPressの.htaccess設定時にリダイレクト先のURLを誤って自身に指定してしまい、アクセス不能になる事例が発生しました。
このときはすぐにFTPでファイルを修正し、サイトを復旧させましたが、制作現場ではよくあるミスでもあります。

対策ポイント

  • リダイレクトは最短1ステップで完了させる
  • 設定後はブラウザの開発者ツール(Networkタブ)でHTTPステータスを確認
  • 長期運用では定期的なURL構造の棚卸しも推奨

ページ表示速度とSEOを守るパフォーマンス最適化

リダイレクトが1回発生するだけで、ユーザーのブラウザとサーバー間に余分なリクエスト・レスポンスが生まれます。
この通信の積み重ねは、特にモバイルユーザーにとって大きなストレスとなります。

http://example.com → https://example.com → https://www.example.com → 最終ページ

このような冗長な転送ルートがあると、ページの表示速度が大きく低下し、直帰率が上がる要因となります。

TREVOの基本方針

  • 不要な中間リダイレクトは極力排除
  • URL設計をHTTPSかつWWW有無も含めて初期段階で確定
  • モバイルファーストでの表示速度改善(特にLCP、CLSなどのCore Web Vitals対策)を意識

リダイレクト設定は「最低1年」継続すべき理由

Googleのクローラーは、URLの変更やリダイレクトの認識にある程度の時間を必要とします
また、外部からの被リンクやブックマークなど、旧URL経由のアクセスは長期間残り続けるため、短期間でリダイレクトを解除してしまうのは大きなリスクです。

Googleのガイドラインでも「リダイレクトは少なくとも1年維持すべき」と明記されています。
TREVOでも、リニューアルやドメイン変更後のリダイレクトは、最低でも1年以上維持することを標準対応としています。

実務メモ

  • アクセス解析ツールで旧URLへのアクセスがほぼなくなるまでは維持
  • サーチコンソールでの「インデックス登録」状況を定期的に確認

UXに配慮した説明やリンク設計

リダイレクトが発生すると、ユーザーは意図しないページに飛ばされたと感じることがあります。
そのため、場合によってはリダイレクト先ページでの明示的な案内や、元ページでの一時的な通知が有効です。

特にBtoBサイトや問い合わせページの移動などでは、ユーザーの混乱を防ぐ意味でも以下の工夫が推奨されます。

UX配慮の具体例

  • リダイレクト先に「URLが変更されました」と簡単な文言を入れる
  • 古いページにはmeta refreshで数秒表示+リンクの明示
  • 重要ページは、移転後もリダイレクトだけに頼らず、他ページからの内部リンクの見直しも行う

リダイレクトを悪用しないためのセキュリティ対策

リダイレクトは非常に便利な技術ですが、悪意ある第三者がこの仕組みを悪用して不正なサイトに誘導するリスクもあります。
特に、オープンなフォームやクエリパラメータに基づくリダイレクトは要注意です。

TREVOでは、お客様のサイトで「URLにパラメータを付けて任意の外部サイトへ飛ばす」構造がないかを必ずチェックし、必要に応じてリダイレクト先のホワイトリスト管理を行います。

セキュリティ対策の基本

  • 外部URLへリダイレクトする場合は事前確認・ログ記録
  • WordPressでは不審なリダイレクト用プラグインを使わない
  • .htaccessやfunctions.phpの権限管理を適切に

リダイレクトの検証と監視方法

リダイレクトは「設定して終わり」ではなく、「継続的な確認と監視」が重要な運用要素です。
正しく動作しているかを見逃すと、SEO評価のロスやユーザー離脱、意図しないエラーを招く原因になります。

この章では、実務で役立つGoogle Search Console(GSC)や、ブラウザの開発者ツール・外部チェックツールを使った具体的な確認方法を解説します。

Google Search Consoleの活用法

URL検査ツール

Search Consoleの「URL検査ツール」を使えば、特定のURLが現在Googleにどう認識されているかを個別にチェックできます。

たとえば、旧URLを検査すると、新URLが表示された場合は「リダイレクトが認識された」ということになります。
ただしこのツールでは、HTTPステータスコード(301や302など)までは明示されないため、補助的に使用すると良いでしょう。

カバレッジレポート

GSCの「ページのインデックス」>「カバレッジ」では、リダイレクトに関する以下のような状況がレポートされます:

  • 「リダイレクトがあります」:設定通り動作していれば問題なし
  • 「リダイレクトエラー」:無限ループやリダイレクトチェーンなど重大な問題の可能性あり

TREVOでは、リニューアルや移転後のプロジェクトでSearch Consoleのエラーレポートを最低1ヶ月間は毎週確認するようにしています。

補足:削除ツールの注意点

GSCの「削除ツール」は一時的に検索結果からURLを非表示にする機能ですが、リダイレクトを設定したURLには使用しない方が安全です。
誤って新URLまで検索結果から消されるリスクがあります。

開発者ツール・外部チェックツールの利用

Chromeの開発者ツール(Networkタブ)

Google Chromeなどのモダンブラウザには、リアルタイムでHTTPリクエストを確認できる「開発者ツール」が搭載されています。

  1. 「F12」キーで開発者ツールを開く
  2. 「Network」タブを選択
  3. 該当URLにアクセス
  4. ステータスコード(301や302)やリダイレクトの流れを確認

これにより、「実際に何回リダイレクトされているか」や「どこでループしているか」などを詳細に検証することが可能です。

外部チェックツールの活用

以下のようなツールを使えば、ステータスコードやリダイレクトチェーンを可視化できます:

特に複数階層の転送がある場合や、リダイレクトチェーンの深さを可視化したいときに便利です。

TREVOでも納品前の最終チェックや、アクセス不良時の原因調査にこれらのツールを活用しています。

実務でのおすすめ運用サイクル(TREVOの例)

  • サイト移転・リニューアル時:設定後すぐにGSC+開発者ツールで確認
  • 1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後:インデックス状況やGSCエラーをモニタリング
  • 年2回の定期点検:古いリダイレクトの不要化やチェーン発生の再確認

まとめ

リダイレクトは一見すると単なる「ページの転送設定」に思われがちですが、実際にはSEOの継続性を守り、ユーザーの混乱を防ぎ、信頼されるサイト運営を実現するための非常に重要な技術です。

株式会社TREVOでも、これまでに多くのサイト移転・リニューアル・URL設計の場面でリダイレクトを活用してきました。
その中で感じているのは、「リダイレクトは危険にもなるが、正しく使えば最強の味方になる」ということです。

SEOの観点では…

  • 301リダイレクトを使えば旧URLの評価(リンクジュース)を新URLに引き継げる
  • HTTPS化、URL統一、削除ページの整理などサイトの健全性維持にも不可欠
  • 設定ミスによる無限ループやリダイレクトチェーンには特に注意が必要

UXの観点では…

  • 「404エラーで離脱」を防ぎ、ユーザーを迷子にしない
  • 意図しないページ遷移による混乱を減らし、信頼感のあるサイト体験を提供
  • モバイルやレスポンシブ対応とも整合性のある導線設計が可能

実務におけるポイント

  • 設定直後だけでなく、GSCや開発者ツールで継続的に監視すること
  • WordPressサイトではRedirection、Yoast、Rank Mathなどを使い分けて効率化
  • 複雑なルールは.htaccessやfunctions.phpで柔軟かつ慎重に対応

私たちTREVOでは、「リダイレクトが必要な場面=サイトの転機」と捉え、
単なる設定作業ではなく「次の成果につなげるための戦略的施策」として位置づけています。

特にSEOへの影響が気になる方は、ぜひ【SEO対策】ページもご覧ください。
ホームページの構成や運用全体を見直すご相談も、【ホームページ制作】【コーポレイトサイト制作】を通じて承っております。

最後に、「リダイレクトが不安だから放置する」のではなく、「不安だからこそ、確実に設定する」という姿勢が、これからのWeb運用には欠かせないと考えています。
設定の仕方ひとつで、検索順位もユーザー体験も大きく変わるのがリダイレクトです。

ぜひこの記事が、皆さまのサイト改善や運用判断の参考になれば幸いです。

TREVOは、SEOに強いホームページ制作に力を入れており、「剪定 大阪」や「注文住宅 枚方」などで検索上位を実現した実績があります。

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