2015年6月11日に書いた記事のリライト版です。この記事では、Appleが自社でウェブクローラー(Applebot)を開発し運用していたことに関する話題や、当時注目されていた「Apple独自の検索エンジン誕生か?」という憶測、そしてその後の経緯や現在の状況などについて、できるだけやさしく・詳しくお伝えします。
目次
Appleが開発していたウェブクローラー「Applebot」とは?
Applebotの発表当時の状況
2015年6月、Appleは自社のウェブクローラーであるApplebotの存在を公式に発表しました。ウェブクローラーとは、インターネット上のウェブサイトを巡回して情報を収集するためのプログラムのことです。一般的には、Googleの「Googlebot」やBingの「Bingbot」が有名です。
Applebotが明らかになると、「Appleは新しい検索エンジンを作ろうとしているのでは?」という憶測が広まりました。もしAppleが独自の検索エンジンを立ち上げるのであれば、Googleなど既存の検索エンジン向けのSEO(検索エンジン最適化)手法だけでなく、Apple専用のSEO対策が新たに必要になる可能性があると考えられたからです。
実際には検索エンジン目的ではなかった?
公式発表の内容
ところが、当時Appleが公開した情報によると、Applebotは「Siri」や「Spotlight」の検索候補に活用するために運用されているとのことでした。
- Siri: iPhoneやiPadなどで音声検索ができるAppleのAIアシスタント機能
- Spotlight: MacやiOSで、端末内・インターネット上の情報を横断的に検索できる機能
つまり、Applebotは「音声アシスタント機能」や「端末内検索」と連動してウェブ上の情報を取得する手段として活用している、という立場が公式には示されていました。このため、当時の推測であった「検索エンジン立ち上げ」を目的としたものではなさそうだ、という結論に落ち着いていました。
それでも気になるAppleの動向
SiriやSpotlight検索が拡大するとどうなる?
SiriやSpotlightなどが進化するにつれ、多くのユーザーがこれらの機能を使ってウェブ検索を行う可能性があります。もし実際にSiriやSpotlight経由の検索が広く普及すれば、Applebot向けの検索対策(いわゆるSEOの一種)も無視できない存在になっていくでしょう。
実際、Appleはユーザーの利便性向上のため、SiriやSpotlightをよりスマートにするために、ウェブ上の情報を引き続き分析・収集していると考えられます。
Applebotは今も動いている?
Applebotは現在も稼働中
主にSiriやSpotlightでの検索候補表示などに使われています。
独自検索エンジンの一般公開はなし
検索エンジン「Applen(仮称)」が本格的にリリースされる予定は、少なくとも現時点では公表されていません。
SEOへの影響
一般ユーザーが広く利用する検索エンジンとしてApplebotが活用されているわけではないため、GoogleやBingほどの大きなSEO対策は必要ないと考えられます。ただし、SiriやSpotlight経由の流入が重要になる可能性はゼロではないため、基本的なウェブ標準(モバイル対応やサイトの速度改善、アクセシビリティなど)を守ることが大切です。
参考リンク
Apple公式サポート: Applebotについて
(Applebotがどのようにウェブサイトをクロールし、情報を利用するのかが説明されています)
まとめ
こちらが、2015年6月11日に書いた記事のリライト版です。当時は「Appleも検索エンジンでGoogleに対抗か?」と大きな話題になりましたが、現状ではSiriやSpotlightの裏側を支えるクローラーとして利用されているのがメインで、一般ユーザー向けの大規模な検索エンジンとしては実現していないというのが事実のようです。
もっとも、Appleのことですから、今後もユーザー体験向上のための新しい技術を秘密裏に研究している可能性は十分考えられます。私たちとしては、引き続きAppleの動向を注視しつつ、適切な情報設計やサイト運営を行っていくことが大切でしょう。もしSiriやSpotlightからのトラフィックが増えれば、それに合わせた対応が必要になるかもしれません。
長文でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。何か気になる点や追加で知りたい情報があれば、ぜひお知らせくださいね。
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板浪雅樹

TREVOWP