ヘッダーメニューに何を表示すべきか? 重要ページの取捨選択術

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ヘッダーメニューは、ユーザーがサイト内を移動するための「道しるべ」となる最重要ナビゲーション要素です。特に日本のウェブサイトは、企業・サービスごとに情報量が多く、複雑になりやすい傾向があります。そのため、UI(ユーザーインターフェース)UX(ユーザーエクスペリエンス)を考慮したヘッダーメニュー設計が、ユーザー満足度や目標達成(お問い合わせや資料請求、購買など)に大きく影響します。

本記事では、大量のページを抱えるウェブサイトであっても、見やすく・使いやすく・成果につながるヘッダーメニューを実現するためのポイントを詳しく紹介します。特に「トップレベルに掲載するページの取捨選択」にスポットを当て、なぜそのページを入れるのか/入れないのかを明確にしながら解説します。

ヘッダーメニューの基本原則

シンプルかつ直感的にする

ヘッダーメニューはサイトの入り口。複雑なアニメーションや装飾を過度に使うと、ユーザーが混乱しやすくなります。「探しやすさ」「分かりやすさ」を第一に考え、できるだけシンプルで直感的に理解できるデザインが望ましいです。

デザインと配置の一貫性

ページごとにヘッダーメニューのレイアウトや配置位置が異なると、ユーザーは迷子になってしまいます。すべてのページで共通のヘッダーを表示することが、ユーザーの混乱を防ぎ、信頼感を高めるポイントです。

視認性と可読性の確保

背景色とのコントラストや文字サイズ、余白(ホワイトスペース)などを十分に確保し、どこがナビゲーションなのか一目で分かるようにしましょう。特に文字と背景色のコントラスト比は、[JIS X 8341-3:2010 (https://webhistory.jsa.or.jp/mss listings/JIS X 8341-3.html)] などのガイドラインで4.5:1(標準テキストのAAレベル)以上が推奨されています。

補足(色コントラストに関する修正

WCAG([Web Content Accessibility Guidelines (https://www.w3.org/TR/WCAG21/)])では、通常文字に対して4.5:1を、やや大きめの文字(14pt以上の太字など)では3:1を推奨しています。以前は「3:1をAレベル」とする記述も見られましたが、通常文字の最低基準は4.5:1が正確です。

ユーザー中心のラベル

「記事」「動画」「その他」といった曖昧なラベルではなく、ユーザーが欲しい情報や目的を直感的に捉えられる言葉を使うのがベストです。専門用語も極力避け、誰が見ても分かる言葉を選ぶと、クリック率・誘導率の向上につながります。

モバイルファースト

多くのユーザーがスマホからサイトを訪れる現在、モバイル表示の最適化は必須です。タッチ操作で押しやすいボタンサイズ、左右の配置バランス、縦長画面での省スペース考慮など、「スマホでストレスなく使えるか」を念頭に置きながら設計しましょう。

アクセシビリティへの配慮

日本では[JIS X 8341-3 (https://waic.jp/docs/jis2016/understanding/201604/)がアクセシビリティガイドラインとして広く知られています。ヘッダーメニューにおいてもキーボード操作でのアクセスやスクリーンリーダー対応ができるよう、正しいHTMLの構文とARIA属性を使ったコーディングが重要です。

よくある相談:「どのページをアピールすればいいか分からない」

「どのページをアピールすればいいか分からない」

お客様からよくある相談として、

  • 「トップメニューに載せたいコンテンツが多すぎて整理できない…」
  • 「ユーザーは何を求めているんだろう?」

といった声があります。

ここで大事になるのが「ページの取捨選択と優先順位付け」です。ドロップダウンメニューなしでトップレベルのヘッダー項目を整理する場合、本当に載せるべき項目は何かを突き詰めて考えなければ、メニューが煩雑になり、かえってユーザーを逃してしまう可能性があります。

ヘッダーメニュー(ドロップダウンなし)に載せるページ選びのポイント

ユーザーの目的を最優先に考える

  • ユーザーは何をしにサイトへ来るのか?

  • どんな情報を一番探しているのか?

たとえば、採用サイトであれば「募集要項」「エントリーフォーム」が最重要かもしれません。ECサイトであれば「商品一覧」「キャンペーン情報」が筆頭に来るでしょう。ユーザーが一番求めているページを外してしまうと、離脱リスクが大きくなります。

ユーザー目線を把握する方法

  • アクセス解析(Google Analyticsなど)でよく閲覧されるページを調査

  • サイト内検索ワードから、ユーザーが探している内容を推測

  • ヒアリングやユーザーテストで直接意見を聞く

参考:Google アナリティクス (https://marketingplatform.google.com/about/analytics/)

ビジネス側のゴールと照らし合わせる

ユーザーニーズに加えて、ビジネス目標(売上アップ、ブランディング強化、問い合わせ獲得など)も重要です。たとえば、「今期は問い合わせを増やしたい」という目標があれば、「お問い合わせ」「サービス概要」をトップメニューに配置し、ユーザーがすぐに行動できるよう誘導します。

このように、ユーザー視点とビジネス視点の両方でページを選定することが大切です。

情報の重要度・優先度を分類する

「なんとなく全部トップメニューに入れたい…」という気持ちは分かりますが、ページ数が多すぎると逆に見にくくなるのが現実です。

  • 最優先(必須)
    ユーザーが最も必要とするページ、ビジネス目標を達成する上で必須なページ

  • 二次優先(あれば便利)
    ユーザーにとって有益だが、最優先ほど緊急ではないもの

  • 掲載を見送る(下層や別導線に配置)
    トップレベルではなく、テキストリンクやフッターナビ、別ページへのバナー誘導で十分なページ

トップメニューは5〜7項目程度に絞る(ただし厳密な「7±2ルール」は誤解に注意)

よく「ナビゲーション項目は7つ以内に」という話が出ます。これは「7±2の法則(ミラーの法則)」という人間の短期記憶に関する心理学的知見から派生した目安です。
ただし、UI設計では必ずしも7以下にしなければならないというわけではなく、あくまで「できるだけ少数に整理する」意識が重要です。8つ、9つ必要な場合はやむを得ないですが、ユーザーが混乱しないように適切なラベリングや視覚区分をする配慮が求められます。

参考:The Magical Number Seven, Plus or Minus Two (http://www.musanim.com/miller1956/)

他の導線との併用も検討する

トップメニューだけではカバーしきれないページや情報量がある場合は、

  • 検索ボックス(サイト内検索)

  • フッターメニュー

  • サイドバーやアイコンリンク
    などの補助導線を組み合わせることで、煩雑になりがちなトップレベルのメニューをスリム化できます。

実践例:トップレベルのメニュー構造を考える手順

サイト全体のページ一覧を洗い出す

まずはサイトマップや既存ページリストを作り、どのようなページがあるかを把握。

ユーザーの目的とビジネス目標を軸に、優先度をつける

「絶対に必要なページ」「あった方がいいページ」「下層でも良いページ」などに仕分け。

仮のメニュー構造を作り、社内・クライアントで検討

5〜7項目をベースに、大項目と下層ページの紐づけを整理。

ドロップダウンを使わない場合は、下層ページへの動線が分かりやすい別設計(サービス一覧ページへ誘導するなど)を考える。

アクセス解析やユーザーテストでフィードバックを得る

実際に運用してみて、ユーザーが使いにくそうであれば迷わず再調整。

A/Bテストなども有効。

定期的に見直す

ビジネス目標や流行りのキーワード、サービス内容が変われば、メニューも見直しが必要。

トップレベルの項目を厳選した成功例

スタートアップ系コーポレートサイト

「事業紹介」「採用情報」「会社概要」「お問い合わせ」の4つだけに厳選しており、メニューが非常に分かりやすい。

下層ページは各大項目のクリック先で補完するため、トップで迷うことがない。

ECサイトのトップメニュー

カテゴリ数が多いECでも、トップレベルは大きな商品カテゴリを5つ程度に絞って掲載。

さらに「その他カテゴリー」は一覧ページ(商品一覧/ブランド一覧)へ誘導させ、そこから詳細カテゴリへアクセスできるように。

例として、大型ECサイトの[楽天市場 (https://www.rakuten.co.jp/)] や[Amazon (https://www.amazon.co.jp/)] などはトップページ上部に厳選された分類や検索バーを設置して、まずはカテゴリか検索へ誘導し、細かいページは別画面で探してもらうUIになっています。

大学系ポータル

たとえば[東京大学 (https://www.u-tokyo.ac.jp/)] の場合、トップレベルに「大学案内」「入学案内」「教育」「研究」「国際共創」「社会連携」と大きくカテゴリを分けています。

さらにスクロールすれば、在学生・卒業生向けのページへ行くための導線が別枠で表示されるなど、「トップメニューに必要以上を詰め込みすぎない」工夫が見られます。

ドロップダウンやメガメニューを使う場合との違い

本記事は「ドロップダウンを含まないトップレベルメニュー」をメインにしていますが、実際には情報量が非常に多い大規模サイトだと、メガメニュードロップダウンメニューを取り入れるケースも多いです。

しかし、ドロップダウンを使うかどうかを問わず、「トップレベルに何を置くか」の考え方は共通しており、まずは

  • ユーザーが何を探しているか

  • ビジネスとして何を見せたいか

  • どの項目を優先すべきか(利用頻度、成約率、問い合わせ率など)
    をしっかり見極めて、メニュー数をできる限り絞り込むのがポイントです。

参考:Mega Menus Work Well (https://www.nngroup.com/articles/mega-menus-work-well/) (Nielsen Norman Group)

アクセシビリティとテストによる継続的改善

JIS X 8341-3準拠の重要性

日本のアクセシビリティガイドライン[JIS X 8341-3 (https://waic.jp/docs/jis2016/understanding/201604/)]にあるように、誰にとっても使いやすいウェブサイトを目指すことは企業の責務にもなりつつあります。キーボード操作や支援技術への対応、コントラスト、フォーカスインジケータの設計などは、ヘッダーメニューでも必須の検討事項です。

ユーザーテスト・A/Bテスト

  • ユーザーテスト
    実際のターゲットユーザーに操作してもらい、どのページを探すか・操作に迷っていないかを観察する。

  • A/Bテスト
    トップレベルの項目数を変えたパターン(6項目vs.8項目など)や、ラベルの違いをテストして、コンバージョン率や離脱率を比較する。

こうしたテストやデータ分析は、[Nielsen Norman Group: A/B Testing (https://www.nngroup.com/articles/ab-testing/) ] などでも推奨されており、デザインの良し悪しを客観的に検証できる手法として有効です。

ページ取捨選択の要点

  • ユーザーが最も必要とするページを軸に選ぶ
  • ビジネス目標を反映し、誘導したいページを優先表示
  • 5〜7項目程度を目安に、メニューを過度に増やさない
  • 下層ページや別導線(検索・フッター・バナーなど)と組み合わせて全体をカバー
  • 定期的なアクセス解析やユーザーテストで改善を続ける

ドロップダウンを使わずにトップレベルでページを整理するのは、情報が多いサイトほど「難しく感じる」かもしれません。しかし、利用者目線に立った徹底的な整理は、結果として「分かりやすさ」「使いやすさ」を高め、サイト全体の成果アップにもつながります。

理解を深めるためのポイント

  • 「入れたい情報を全て突っ込む」と「ユーザーに届けたい情報を厳選する」は別物です。

  • サイト運営者自身が「本当に必要な情報」「ユーザーが探している情報」を把握していないと、トップメニューがただの「リスト」になってしまいます。

  • 大規模サイトであればあるほど、「トップレベルは少なく、下層ページでそれを補う」という設計が有効です。

  • 常にアクセスデータユーザーの声をもとにアップデートし続ける姿勢が大事です。

まとめ

ヘッダーメニューは、サイトの第一印象や使いやすさを大きく左右する、極めて重要な要素です。とりわけトップレベルのメニュー構成は、ユーザーが素早く目的を達成できるか、企業や組織がアピールしたいコンテンツを的確に届けられるかの鍵を握っています。

「ページ数が多い=メニューを全部載せる」ではなく、ユーザーが欲しい情報を素早く見つけられるためにどんな設計がベストなのか――。ビジネスゴールとユーザー目線の両面から「取捨選択」の判断を丁寧に積み重ねることが、最終的なゴールへの近道です。

今後も、アクセス解析やユーザーテストを通じて、メニューの配置や見せ方を柔軟に改善していきましょう。
本記事が、トップメニューの改善やヘッダーナビゲーションのUI/UX設計におけるヒントとなれば幸いです。

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経歴: 映像制作の専門学校を卒業後、映像制作(編集・撮影)でのアシスタント、カーナビゲーション用の3DCG制作、PS2用の3DCGゲーム背景制作、16ミリフィルムのデジタル変換業務等を経てWEB制作部門のある会社に就職。株式会社TREVOでディレクション、SEO対策、CMS開発、3DCG制作、映像制作を担当

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