文章というものを軽く考えている方も多いかと思います。
「大事なのは直接話すことでしょ!」という主張をする方もいますし、もちろん、それはそれで一理あります。しかしながら、それはあくまでも直接会って話すことができるという前提があってこそのものです。
今の時代、インターネットという便利なものがありますので、直接会わずとも文面のみのやりとりのみで関係が成り立っているというケースも少なくありません。そうなってくると、文章というのはその重要性を増していきます。
実際に、文章は人の心理に大きな影響を与えるものです。特に、よく知らない相手への印象は文章で決まるといっても過言ではありません。
人は相手を知るために無意識のうちに情報を集めている
普段意識している方というのはほとんどいないかと思いますが、もともと人間というのは相手を知るために無意識のうちに情報を集めているものです。
例えば、人を紹介してもらったとします。紹介してくれた人が相手のことをどのように言っているのか、目の前にいる相手の服装や表情、話し方はどのような感じなのか、どのような動きをするのか、メールなどでやり取りをするのであればその文面はどのような感じなのか・・・このようにさまざまな情報をかき集めて、相手がどういう人物なのかを判断していくのです。
情報源が少なければ少ないほどその情報源で印象が決まる
お互いに顔を知っていて、ちょくちょく会うことになる相手であれば、さまざまな情報源から相手の印象を決めていくことができます。しかしながら、今の時代では必ずしも相手の顔を知っていて、会う機会があるとは言い切れません。
というのも、インターネットによってどこの誰ともわからないような相手と交流することも多くなったのです。
相手が顔も公開しておらず、関連する画像や動画も公開していないとなると、相手の文章から相手の印象を判断していくことになります。SNSなどでのやりとりを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
お互いに顔も名前も知らない状態で、SNS上のやりとりのみで相手の印象を作り上げ、実際に会ったらガッカリした・・・なんて話は本当に山ほどあります。相手を判断する情報源が少なければ少ないほど、その情報源で相手の印象というのは決まってくるのです。
特に、今の時代はインターネットが普及したことによって誰もが匿名性を保ったままやりとりができるようになりました。そのため、印象が文章で決まることも多くなっているのです。
現実的に考えても、顔もわからない、名前や住所もわからない、細かい経歴もわからない、声や話し方もわからない、実際に会う機会もないとなってくると、文章でしか判断することができないのです。
文章で判断せざるを得ないといってもいいでしょう。情報源が少ないと、知らず知らずのうちに自分の願望なども反映されてしまうため、現実とのギャップに絶望するというパターンが起こってしまうのです。
個人同士でのやりとりに限ったことではない
よく知らない相手への印象は文章で決まるということですが、これは個人同士のやりとりに限ったことではありません。本人にその気がなくとも、ある程度の匿名性を保っている場合にはそれが個人であっても企業であっても同じように適用されるのです。
例えば、企業の場合、一部を除いてそこで勤めている方や役員の方がタレントさんのように積極的に顔を出すということはありません。これは言ってしまえば、その企業がどのような相手なのかわからない状態です。
そういう企業がSNSやブログなどで情報を発信したときの文章というのは、その企業の印象を大きく左右するのです。その企業のサービスもよく知らない、どのような人が勤めているのかも知らない、どのような人が役員をしているのかも知らない・・・こういう状態で発信された文章というのは、その企業についての唯一の情報源になります。
もし、その企業が感じの悪い文章を発信していれば、その企業の印象は一気に悪くなるでしょう。逆に、その企業が感じのいい文章を発信していれば、その企業の印象は一気によくなるのです。文章ひとつでも影響は大きいのです。
実際に会う機会というのもほとんどなく、よく知らない相手への印象というのはこのように文章で決まることが多いのです。逆にいえば、実際に会う機会のない相手をターゲットとしている方というのは、発信していく文章にかなり神経を使っていく必要があります。
最近ではインターネット上でも炎上と呼ばれる現象が頻繁に起きていますので、文章というのは誰にとってもよい印象を与えられるようなものにしておくべきですし、それを目指していかなければなりません。もちろん、あえて印象を悪くしておいて後からイメージアップを図るということも不可能ではありませんが、やはりリスクが大きいでしょう。
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