当時(2014年10月17日掲載当時)、WordPressのピンバック機能を悪用したDDoS攻撃が増加していると報告されていました。特に7月に一度増加傾向が見られ、10月に再び同様の被害が拡大していると指摘されていた状況です。
[今度はWordPressが踏み台に、Pingback機能を悪用しDDoS攻撃]
目次
ピンバック機能とは?
WordPressのピンバック機能は、他のブログ記事などで自分のサイトが言及された際、自動的に通知を受け取る仕組みでした。これは「トラックバック」に似た機能で、本来はサイト同士のつながりやコミュニケーションを促進するためのものです。
しかし、当時はこの仕組みが悪用され、DDoS攻撃の踏み台として利用されるケースが問題視されていました。DDoS攻撃とは、攻撃者(スパマー)が多数の端末を使って特定のサイトやサーバーに過剰なアクセスを集中させ、サービス停止や表示不能を引き起こす手法です。
もしあなたのWordPressサイトがピンバック機能を有効のまま放置すると、
- 自サイトがDDoS攻撃の標的となる
- さらには、他サイトへの攻撃の踏み台として悪用される
このようなリスクがありました。
当時の対策方法
2014年時点では、ピンバック機能を無効化することが推奨されていました。WordPressバージョン3.5以降では初期設定でピンバック機能が有効になっていたため、以下の設定変更で無効化を行います。
Pingback機能を利用しない設定にする
- WordPress管理画面で「設定」をクリック
- 「ディスカッション」を選択
- 「投稿のデフォルト設定」を確認
- 「他のブログからの通知 (ピンバック・トラックバック) を受け付ける」のチェックを外す
- 「変更を保存」をクリック
既に投稿済みの記事へのピンバック無効化
- 「投稿」をクリック
- 「投稿一覧」を選択
- すべての投稿を選択(タイトル横のチェックボックス)
- 「一括操作」から「編集」を選び、「適用」をクリック
- 「トラックバック/ピンバック」の項目を「許可しない」に変更
- 「更新」をクリック
こうしてピンバック機能を無効にしておくことで、当時は自分のサイトが攻撃に利用されるリスクを軽減できました。
当時との比較と現代的視点(2024年)
2014年当時の記事では、ピンバック機能の悪用が大きな問題となっており、その機能を無効にすることでリスク回避を図る方法が主な対策でした。
しかし、2024年現在では、WordPressやプラグイン、ホスティングサービス全般が大幅に進化しています。以下の点が異なります。
セキュリティ強化ツールの充実
WordPress向けセキュリティプラグイン(Wordfence、iThemes Security、Sucuriなど)が普及し、DDoS攻撃やピンバックの悪用を自動的にブロックする機能が一般的になっています。
ホスティングサービス側での対策
多くのホスティングサービスが、DDoS対策やWAF(Web Application Firewall)を導入しており、サイト側での対応がなくても一定の防御機能が働く場合があります。
ピンバック自体の利用減少
現在では、SNSや他のフィード機能が普及し、ピンバックやトラックバックはあまり使われないため、初期設定で無効化されているケースもあります。
E-E-A-TやUX重視のSEO対策
検索エンジンはユーザー体験やサイトの信頼性、専門性をより重視するようになり、セキュリティ対策もサイト評価に間接的に影響します。当時は、DDoS攻撃回避の話を直接SEOと関連づけていませんでしたが、現在では安全なサイト運用はユーザーの信頼獲得、ひいては良好な検索評価につながると考えられます。
当時の指摘で不十分だった点
「WordPressのピンバックを無効にすればOK」という単純な対策だけでなく、サーバー側やプラグインでの多層的なセキュリティ対策についてはほとんど言及していませんでした。
現在の視点から見れば、セキュリティは総合的なアプローチが必要であり、当時の記事では対策が限定的でした。
まとめ:今の時代も通用するSEO対策としての評価
ピンバック機能を無効化してセキュリティリスクを下げることは、10年前も今も有効です。ただし、2024年現在では、より包括的なセキュリティ戦略(WAF、CDN、セキュリティプラグイン、定期的なアップデートなど)を講じることが標準的な対策になっています。
当時の方法自体が「間違い」だったわけではありませんが、現代の環境ではそれだけでは不十分な場合が多いです。また、当時はSEOとの直接的な関連性が明確には示されていませんでしたが、現在のSEOではユーザーに安全で信頼できる環境を提供することが評価に影響する可能性があります。
したがって、このピンバック無効化対策は、今でもセキュリティ上の基本的な措置として有用ですが、より広範なセキュリティ対策と組み合わせて実施することが理想的です。
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衣川知秀