2015年当時、「ヴェニスアップデート(Venice Update)」は検索結果に地域性を強く反映するアルゴリズムとして注目されました。このアップデートは2012年2月27日に導入され、特定の地域や場所に基づいた検索結果表示を強化。ユーザーがどの地域から検索しているかを踏まえ、より関連性の高いローカル情報が上位に表示されるようになりました。
2021年2月17日にこの内容をブログにまとめた際、すでに「地域性を考慮したSEO」が重要であることは明確でした。しかし、現在ではこの流れはさらに加速しており、ローカルSEOはビジネスがオンライン集客を行う上で不可欠な戦略となっています。本記事では、当時の内容を振り返りながら、2024年現在のSEO環境や修正点、最新の対策ポイントを補足します。
目次
ヴェニスアップデートとは
当時(2015年~2021年)の理解
ヴェニスアップデート(Venice Update)は、ユーザーが検索した場所やIPアドレスをもとに、ローカルな店舗・サービス・情報を優先的に表示するGoogleのアルゴリズム更新です。例えば、「ホームページ制作」「カフェ」「ヘアサロン」といった一般的なキーワードを検索すると、検索者がいる地域に近いビジネスが上位表示されます。
当時の記事では、「大阪からの検索では弊社が4~6位程度に表示されるが、名古屋から検索すると1ページ目に現れない」など、地域による検索結果の大幅な変動事例を示しました。さらにローカルなサービス運営者にとっては、これが大きな影響を及ぼすことが述べられていました。
当時の誤解または補足不足
当時の記事では「IPアドレスを使った地域判定」に重きを置いていましたが、現在ではスマートフォンの位置情報やロケーション履歴、Wi-Fi、GPS情報などを複合的に用いてより正確なローカル結果が表示されます。
また、「Googleマイビジネス(現:Googleビジネスプロフィール)」の存在には当時も触れていましたが、2024年現在、Googleビジネスプロフィールや構造化データ、NAP(Name, Address, Phone number)情報の正確性がローカルSEO成功のカギとなっています。
最新動向への言及不足
当時はヴェニスアップデートの影響を受けて「ローカル検索結果が変わる」という現象を強調していましたが、現在では「ローカル検索パック(いわゆるマップパック)」や「音声検索」「モバイル検索最適化」「Core Web Vitals(ページエクスペリエンス指標)」など、地域性だけでなくユーザーエクスペリエンス全般を考慮した対策が必須になっています。
大阪の固定IPで「ホームページ制作」を検索結果
弊社のリンクが「ホームページ制作」での検索結果が4番目に表示されています。
東京の固定IPで「ホームページ制作」を検索結果
東京で検索するとまったく違う検索結果が表示されています。
地域性に特化した広告が表示されていますが、こちらは昔から地域によって表示が違ったのでそのままだと思います。
大阪の固定IPで「カフェ」を検索結果
検索結果の右には、大阪の地図が出てカフェの位置が出ています。
東京の固定IPで「カフェ」を検索結果
コチラでは、固定IPを契約している東京八王子近辺のカフェが検索結果に表示されています。
現在のSEO対策とローカルSEOの重要性
2024年時点でのポイント
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の最適化
業種カテゴリの正確な設定、住所・営業時間・電話番号といったNAP情報の整合性維持、顧客レビュー対応は、ローカル検索結果での上位表示に有利です。
ローカライズされたコンテンツ制作
単に「ホームページ制作」ではなく、「大阪でのホームページ制作」や「名古屋の〇〇サービス」のように、対象地域を明確化したコンテンツが有効です。ランディングページやお問い合わせページに地域情報を盛り込むことで、検索エンジンへローカル性を明確に示せます。
構造化データの活用
レビュー、所在地、ビジネス情報を構造化データ(Schema.orgなど)でマークアップすることで、検索エンジンがコンテンツを理解しやすくなり、ローカル検索結果で有利に働くことがあります。
モバイルフレンドリー&ユーザーエクスペリエンス最適化
地域性だけでなく、モバイル対応、表示速度(Core Web Vitals)、UI/UX改善など、総合的なユーザーエクスペリエンス強化がSEO全般で必須です。ローカル検索ユーザーは外出先でスマホから検索するケースが多く、これらの対策は欠かせません。
ローカルリンク構築とローカルコミュニティの活用
地域に関連したウェブサイトやメディア、ローカルイベント関連サイトからのリンクを獲得することで、Googleに「地域に根ざした信頼性のあるビジネス」として認識されやすくなります。
このように、地域の特性がでた検索結果がIPアドレスやスマホによって変わってくることになります。
こうなってくると、どの地域にターゲットを絞って検索順位をあげていくかという事も重要になってきます。
今後、SEO対策はより大変になってくると同時、ホームページを運営している会社は、よりコンテンツ重視のページ作りを考えて行かないといけなくなります。
地域性を考えたSEO対策が求められる時代
2021年2月17日当時の記事では、ヴェニスアップデートによって地域性が検索結果に強く反映されること、そして「全国的なSEO戦略」から「地域性を考慮したコンテンツ制作やサイト運営」へとシフトする必要があることを指摘していました。
その指摘は今でも有効であり、むしろ現在では地域性に加え、ユーザーエクスペリエンス、モバイル対応、ビジネスプロフィールの管理、そして音声検索対策など、より総合的で精緻なローカルSEO戦略が求められています。
まとめ
当時からの変遷
2012年に始まったヴェニスアップデートは、当初からローカルSEOを意識した戦略の必要性を示していました。2021年2月17日の記事執筆時点でも、地域性重視のコンテンツ制作とSEOが重要とされていました。
現在の視点
2024年現在、ローカルSEOはさらに発展・細分化しています。Googleビジネスプロフィールの最適化、構造化データ、モバイル対応、コアウェブバイタルへの対策など、多面的な取り組みが必須です。
今後の対策
地域ごとに異なる検索結果に適応するため、目的の地域に合わせたコンテンツ配信やサイト最適化を行うと同時に、ユーザー体験全般の向上にも注力することで、持続的な検索上位表示が可能となります。
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板浪雅樹