知りたい数字がすぐ見つかる!Data Commonsで公共データをとことん活用

投稿日:2025.04.03.
更新日:2025.05.01.

サービス

株式会社TREVOの月額制ホームページ制作サービス
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板浪 雅樹
執筆・編集 板浪 雅樹

2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」

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SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB

2015年6月26日に、Googleが提供する公共データの視覚化ツール「Google Public Data Explorer」について紹介した記事を公開しました。
当時は、ホームページ制作においてマーケティングに活用するための資料(公共データ)を収集するのが一苦労だった中、Google Public Data Explorerを使うと世界各国の統計情報を簡単にグラフ化できるのがとても便利でした。

ところが、最新の状況を調べると、Google Public Data ExplorerはすでにData Commonsに置き換えられていることがわかりました。本記事では、2015年当時の記事内容を振り返りつつ、現在(2024年時点)においてはどのようなサービスや機能が使われているのか、そしてData Commonsへの移行や新機能について詳しく解説します。

Google Public Data Explorerとは?

20150626

2015年当時の概要

2015年当時、Google Public Data Explorerは「大量の公共データをグラフ化できるサービス」として人気を集めていました。以下のような情報が取得・可視化できました。

  • インフラ・健康・公共部門・労働・教育・環境・社会開発・経済政策・金融部門・貧困などの大分類で、さらに細分化された統計データ。

  • 世界銀行、OECD、ユーロスタットなど、主要な国際機関や各国の機関が提供する多彩なデータセット。

  • 必要な項目を選択し、折れ線グラフ・棒グラフ・地図などで可視化できる。

  • カスタマイズしたグラフをURLで共有したり、ブログやウェブサイトに埋め込むことが可能。

当時の記事で取り上げた公共部門の項目では、GDP比の債務や軍事費、関税など、政策や財政状況を比較・分析するのに役立つデータが含まれていました。サイト制作やマーケティング資料を作る際に、こうした信頼性の高いデータを視覚的に示せるのが大きなメリットでした。

Google Public Data Explorerの現状

最新の調査によると、Google Public Data ExplorerはすでにData Commonsに置き換えられ、公式にはサポートされなくなりました。かつてのURLにアクセスすると「Public Data ExplorerはData Commonsに移行しました。DataCommons.orgをご覧ください」というメッセージが表示されることからも、Googleが利用者にData Commonsへ移行するよう推奨していることが分かります。
https://datacommons.org/

加えて、2024年現在、Wikipediaの「Google Public Data Explorer」に関するページも2015年10月30日にアーカイブされており、それ以降大きな更新が行われていないことが確認されています。

Data Commonsへの移行:経緯と新機能

移行の背景

Googleは、ただデータを視覚化するだけのツールから、「公共データをより包括的・統合的に扱うプラットフォーム」への進化を目指し、Data Commonsへの移行を段階的に進めてきました。Public Data Explorerをメインで運用するのではなく、より強力な知識グラフ(Knowledge Graph)を活用できるData Commonsに焦点を移したわけです。

Data Commonsとは?

  • 2018年5月に公開され、Schema.orgなどのウェブ標準を確立した開発者の一人、ラマナサン・V・グハ氏の設立によるプロジェクト。

  • 公共のデータを統合し、セマンティックウェブの仕組みで一元的に管理するのが特徴。

  • 研究や政策立案に必要なデータを、単なる「視覚化ツール」ではなく「知識グラフ」の形で提供するプラットフォーム。

Data Commonsの特徴と機能

Data Commonsは、Google Public Data Explorerと比べて以下の点で大きく進化しています。

知識グラフアーキテクチャ

異なるデータソースを標準化し、エンティティ同士の関係をリンクさせることで、より複雑なデータを横断的に閲覧・分析可能。

自然言語クエリ

2023年には、大規模言語モデル(LLM)を活用した自然言語フロントエンドが導入され、「国ごとのGDPは?」など自然な文章で質問すれば答えを引き出せる。

多彩なAPIアクセス

REST、Python、Pandasなど複数のAPIを提供し、プログラムからデータを取得・分析しやすい。

広範なデータソース

国連、世界銀行、OECD、米国国勢調査局、CDC、FBI、NOAAなど、より多くの公的機関や学術機関のデータが追加され、カバレッジが拡大。

拡張とコントリビュートが可能

ユーザーが独自にデータを追加したり、カスタムインスタンスを構築したりできる柔軟性がある。

Google Public Data Explorer vs. Data Commonsの比較

下記の表は、両プラットフォームを簡単に比較したものです。

機能Google Public Data ExplorerData Commons
現在のステータスData Commonsへ置き換えられ非推奨アクティブに進化中のプラットフォーム
主な機能視覚化に特化統合された知識グラフからの多彩な分析と視覚化
データ構造/アーキテクチャ個別のデータセットごとの扱いSchema.orgに基づく知識グラフで一元管理
データ統合ユーザー任せの部分も大きいスキーマ整合とエンティティリンクで自動統合
自然言語クエリなしあり(2023年~)
APIアクセス埋め込み用のURLやリンク程度REST, Python, Pandasなど複数のAPIをサポート
データダウンロードや操作ユーザーデータのアップロードや埋め込み特定メトリックのダウンロード、知識グラフへの貢献
データソース世界銀行、OECDなど主要国際機関が中心国連、米国国勢調査局、CDC、FBIなどさらに拡大
基盤技術視覚化ツール知識グラフ+セマンティックウェブ+LLM

2015年当時の「公共データ活用」と今(2024年)の活用法

2015年:視覚化ツールとしてのPublic Data Explorer

当時の記事では、Google Public Data Explorerを使って国別の経済指標や公共部門のデータを簡単にグラフ化できるメリットを紹介しました。たとえば、「軍事費のGDP比」「中央政府の債務(GDP比)」などを可視化し、プレゼン資料やWebサイトのコンテンツに活かせる点が大きな魅力でした。

また、カテゴリ(インフラ、健康、公共部門など)が整理されていて、主要国の比較も簡単にできるため、マーケティングや調査資料に最適だったのです。

2024年:Data Commonsでさらに高度な分析

現在では、Data Commonsを利用することで、より広範かつ最新のデータにアクセスできます。以下のようなケースに対応できます。

自然言語でのクエリ

「世界の人口動態を国別に比較」など、文章で質問してグラフを自動生成してくれる。

プログラムでの大量データ分析

REST APIやPythonライブラリを使えば、大規模データセットを自動取得し、機械学習や統計解析に組み込むことが可能。

データの継続的アップデート

最新の経済指標や気候データ、公共機関の統計などが継続的に追加・更新され、ユーザーがそのまま活用できる。

Data Commonsの活用事例と注意点

  • 研究・教育:学術研究や学生の課題など、大規模な国際比較が求められる場面で、信頼できるデータを手軽に使える。

  • 政策立案:自治体や政府機関が、地域住民向けのデータを分析する際に役立つ。

  • メディア・報道:統計情報をビジュアル化した記事や特集コンテンツを作成しやすい。

  • 企業のマーケティング:ターゲット市場の経済指標や人口動態などを把握し、戦略立案に活用できる。

一方で、Data Commonsにはデータセット全体の一括ダウンロードができない場合があるなど、一部制限事項も存在します。また、自然言語クエリにはまだ制約があり、複雑な質問に対応できないケースもあるため、必要に応じてAPIや手動のクエリを併用する必要があります。

まとめ

2015年6月26日の記事を振り返って

2015年6月26日当時は、Google Public Data Explorerが多くの公共データを集約・可視化できる便利なツールとして紹介されていました。インフラ、教育、公共部門など、数多くのカテゴリからデータを選んで簡単にグラフ化できたことが大きな魅力でした。

最新のData Commonsでの公共データ活用

現在は、Google Public Data ExplorerがData Commonsに完全移行したことで、データの統合度や分析機能、APIアクセスなどが格段に強化されています。大規模言語モデルを活用した自然言語クエリにより、専門家だけでなく一般ユーザーでも大量データを扱いやすくなっている点が特筆すべき進化です。

もし公共データを活用してWebサイトやマーケティング資料を作りたい場合、あるいは政策立案や学術研究のために国際比較したい場合は、ぜひData Commonsをチェックしてみてください。今後も新しいデータセットや機能が追加され、ますます強力なデータ活用プラットフォームへと進化していくことが期待されています。

参考リンク(2024年現在)

以上が、2015年6月26日の記事をベースにした「Google Public Data Explorer」から「Data Commons」への移行と最新情報に関するまとめです。公共データを使ったマーケティング、研究、政策立案を考えている方にとって、ますます便利な時代になっています。ぜひ活用してみてください。

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