ホームページのセキュリティ対策は万全ですか?今すぐ見直したい5つの基本と実例

執筆・編集 板浪 雅樹2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」
SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB
この記事は、2023年6月20日に公開した「ウェブサイトセキュリティの重要性と対策法」の内容を大幅に見直したリライト版です。
近年ますます巧妙化・多様化するサイバー攻撃の現状と、実際の現場経験、最新の調査レポートを反映し、
「自分の会社・サイトは関係ない」と思いがちな地域のお客さまや大阪で企業さまにも、今こそ見直していただきたいウェブサイトセキュリティ対策の本質と実践方法をまとめています。
企業規模や業種を問わず、すべてのウェブサイト運営者が“他人事ではない”という視点で、現場の実例・実践ノウハウも交え、幅広い方に役立つ内容を目指しました。
なぜ今ウェブサイトセキュリティが重要なのか
ウェブサイトがビジネスにもたらす価値とリスク
今やウェブサイトは、企業の“顔”とも言える存在です。新規のお問い合わせ、採用エントリー、既存のお客さまへの情報発信やサポート――あらゆるシーンで、ウェブサイトがビジネスに直結する時代になりました。とくに大阪をはじめとした地域の企業さまでも、「名刺代わり」から「集客・売上の中心」へと、その役割は大きく変化しています。
しかし一方で、ウェブサイトを狙うサイバー攻撃や不正アクセスも年々増加・巧妙化しています。ウェブサイトが担う情報や機能が増えれば増えるほど、もしもの時の「リスク」や「損害」も比例して大きくなります。
「自社サイトのセキュリティ対策なんてまだ早い」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、サイトの基盤から安心を――ホームページ制作サービスはこちら。セキュリティ設計は“サイト構築の初期段階”から考えるべき、ビジネスの根幹です。
セキュリティ対策の甘さが招く「実際の被害」
TREVOでも、地域のお客さまから「テンプレートが改ざんされて卑猥なページが勝手に作られていた」「管理画面に入れなくなった」といったご相談をたびたび受けています。実際、セキュリティ対策が不十分なまま運用していたことで、マルウェア感染や情報流出につながり、復旧に多くの時間とコストを要したケースも少なくありません。
中には、「小規模なサイトだから大丈夫」「うちは狙われるはずがない」という油断から、最低限のセキュリティ対策すら後回しになっている企業さまも見受けられます。しかし、攻撃者はサイトの規模や有名・無名を問わず、自動化されたツールで無差別に脆弱なサイトを探し出します。一度侵害されると、企業ブランドの毀損や取引先からの信頼低下、最悪の場合は法的責任や損害賠償に発展することもあり得ます。
ウェブサイトのセキュリティは、「やっておけば安心」ではなく、「やらなければ明日にも被害に遭うかもしれない」という現実的な危機管理の一環です。これは、個人事業主や小規模なショップ、地域密着型の企業さまにとっても例外ではありません。
今一度、自社サイトのセキュリティ対策を見直し、「守るべきものは何か」を考えることが、事業を継続し成長させる第一歩です。
現場から見える中小企業のセキュリティ課題と実例
テンプレート改ざん・マルウェア感染の実際
ウェブサイトのセキュリティ相談で、TREVOにもっとも多く寄せられるトラブルのひとつが「テンプレートの改ざん」です。とくにWordPressでよく見られるのが、base64などの関数を利用してソースコードが書き換えられ、気づかないうちに卑猥なページやカジノ系サイトが自動生成されてしまうという事例です。
この種の攻撃は、パスワードの使い回しや管理の甘さ、プラグインやテーマの脆弱性、もしくはサーバーの初期設定の不備など、さまざまな小さな“すき”が重なって発生します。特に「管理画面自体にアクセスできない」「サイト自体が表示されなくなった」など、業務に直結する重大な被害に発展することも珍しくありません。
実際、TREVOでも直近1年のうちに、テンプレートが改ざんされ、サイトがマルウェアに感染したというご相談を受けたことがありました。この時は、不審なコードを手作業で洗い出し、最後にWordfenceのマルウェアスキャンで総点検を行い、ようやく復旧にこぎつけたという経緯があります。
バックアップの重要性と復旧の現場
ここで強く感じたのは、「バックアップの有無が復旧スピードとコストを大きく左右する」という現実です。
上記の事例でも、お客さまが日常的なバックアップを取っていなかったため、クリーンな状態に戻すための調査・復旧作業が長期化し、結果的に通常よりも多くのコストがかかってしまいました。
最近はサーバー側のサービスとして「自動バックアップ」を標準で提供している場合も多いですが、設定や運用が“されているつもり”で実際は最新データが残っていなかった…ということも珍しくありません。さらに、WordPress専用の拡張機能や外部ストレージへのバックアップを組み合わせることで、「いざ」という時のダメージを最小限に抑えることができます。
セキュリティ被害は、「まさか自分のところが」というタイミングでやってくるものです。日々の運用のなかで「もしもの時の備え」を仕組み化しておくことが、安心・安全なサイト運営の出発点となります。
サイバー攻撃の歴史と進化と「脅威」は常に変化している
サイバー攻撃の発展と実際にあった事件
サイバー攻撃の歴史は、まさに「イタチごっこ」の連続です。初期は単純なウイルスやワームが主流でしたが、インターネットの発展とともに手法はどんどん巧妙化し、いまやAIや国家規模の攻撃も現実となっています。
例えば、世界中で話題になった「WannaCry」ランサムウェア事件(2017年)や、日本でも中央省庁のウェブサイトが改ざんされた事件(2000年)などは記憶に新しい方も多いかもしれません。
こうした事件の多くは「他人事」と思われがちですが、実際には小規模な地域の企業さまや個人サイトも“無差別”に被害を受けているのが現実です。
サイバー攻撃の目的は、金銭だけでなく、機密情報の窃取、サイトの改ざん、さらには社会的な混乱や政治的メッセージの発信に至るまで、多岐にわたります。どんな規模のウェブサイトも“例外”ではありません。
OWASP Top 10から見る最新脆弱性トレンド(2025年版動向)
ウェブアプリケーションの脆弱性を啓発する指標として世界的に指示されている「OWASP Top 10」ですが、最新の2025年版が“2025年前半に発表予定と公式サイトにて案内されています。
番号 | 脆弱性カテゴリ | 概要と特徴 |
---|---|---|
A01 | Broken Access Control(アクセス制御の不備) | ユーザー権限の設定ミスやURL操作で、本来アクセス不可な情報や操作が可能に。94%のアプリで確認されており最もリスクが高い (owasp.org, owasp.org) |
A02 | Cryptographic Failures(暗号化失敗) | 通信やデータの暗号化不備(平文転送、弱い鍵など)により、機密情報が漏洩しやすくなる |
A03 | Injection(インジェクション) | SQLインジェクションやXSSなど、ユーザー入力が不正実行される脆弱性。広く確認されており、依然として主要攻撃対象 |
A04 | Insecure Design(設計の不備) | 設計段階から十分なセキュリティ考慮がされていない状態。要求定義から脆弱性が入り込む余地あり |
A05 | Security Misconfiguration(設定ミス) | サーバー設定、フレームワーク設定、不要機能の有効化などによるリスク。90%近い出現率 |
A06 | Vulnerable & Outdated Components(古い部品利用) | 脆弱なライブラリやフレームワークを使用し続けることによるリスク。2017年より順位上昇 |
A07 | Identification & Authentication Failures(認証失敗) | 認証システムに弱みがあり、ID/パスワードの破られ、セッション管理不備などが含まれる |
A08 | Software & Data Integrity Failures(整合性不足) | ソフトウェア更新時やCI/CD、データ整合性チェックが不十分な状態。SSRFなど追加脅威も考慮される |
A09 | Security Logging & Monitoring Failures(ログ・監視の不備) | 異常検知やインシデント対応に必要なログ/監視が不足しており、攻撃発見が遅れる危険性あり |
A10 | Server-Side Request Forgery (SSRF)(SSRF) | フェッチ機能がユーザー入力をそのまま扱い、内部ネットワークへの不正アクセスを許す |
これらはまさに、「昔からあるが、だからこそ今も対策が必須」の脆弱性ばかりです。特に「Broken Access Control」は設計や権限設定段階での見落としが攻撃を許す重大な原因となるため、セキュリティ対策は実装ではなく“設計段階からの対応”がカギとなります。
また、最新2025年版に向けては、これら従来の項目に加え、より高度な攻撃(API、クラウド、モバイル、AI連携など)も視野に入れた内容になると予想されます。発表後には必ず内容を踏まえて見直すことを強くおすすめします。
攻撃者の動機とウェブサイトが狙われる理由
金銭目的、政治的・個人的動機
サイバー攻撃と聞くと、「一部の有名企業や大規模サービスだけが狙われるのでは?」と考えてしまいがちですが、実は地域のお客さまや一般企業のウェブサイトも日常的に標的となっています。その背景には、攻撃者側の“動機”が多様化している現実があります。
最も多いのが金銭目的の攻撃です。クレジットカード情報や顧客データの盗難、仮想通貨のマイニング、ランサムウェアによる身代金要求など、経済的な利益を得るためにウェブサイトが狙われます。
次に増えているのが、政治的・社会的な動機や“抗議・愉快犯”による攻撃です。
- 特定の団体や国の政策に抗議する「ハクティビズム(hacktivism)」
- 国家間のサイバー戦争やインフラ妨害
- 内部関係者による個人的な恨みや、技術力の誇示を目的としたケース
このように、現代のウェブ攻撃は「お金がとれそうな大きな会社」だけを狙うものではなく、「自動化された攻撃ツールで一斉に無差別スキャンをかけ、脆弱なサイトが見つかれば即座に標的にする」ことが一般的です。
つまり、「小規模だから大丈夫」「目立たないから安心」という油断こそが、最大のリスクになります。
代表的な攻撃手法
攻撃者がウェブサイトを突破するために使う手口も、年々進化しています。特に被害が多い代表的な攻撃手法は、次の通りです。
フィッシング
正規の企業やサービスを装ったメールや偽サイトで、ログイン情報や個人情報をだまし取る手法。従業員やお客さまが騙されて入力してしまうことで、不正アクセスの糸口を作られます。
ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)
IDやパスワードの全パターンを自動で試し、突破を狙う攻撃。短い・単純なパスワードや「admin」など予測しやすいアカウントが被害を受けやすくなります。
インジェクション攻撃(SQLインジェクション、XSSなど)
入力欄などに悪意あるコードを仕込むことで、データベースの不正操作やユーザーのCookie情報奪取などを実現する手法です。
→ 例えば、「お問い合わせフォーム」や「検索ボックス」などの脆弱性が狙われます。
DDoS攻撃(分散型サービス拒否攻撃)
世界中のコンピュータから大量のアクセスを集中させ、サイトやサーバーをパンクさせる攻撃です。これにより、サービスが一時的に停止してしまうことも。
他にも、セッションハイジャック(ログイン中のユーザーの権限乗っ取り)、ファイルアップロードの悪用、権限昇格、サプライチェーン攻撃(委託先や関連システム経由で本体を狙う)なども増えています。
ウェブサイト運営者が意識しておきたいのは、「自分のサイトが“偶然”狙われる」のではなく、「無差別スキャンと自動攻撃のターゲットになる」時代になっている、という事実です。
一度でも脆弱性が発見されれば、攻撃者の間で情報が拡散し、被害が連鎖するリスクも高まります。
この現実を知り、日々の運用・管理のなかで“穴”を作らないことが最良の防御です。
いま実践すべきウェブサイトセキュリティ対策
「セキュリティ対策」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実際は基本をおさえて、確実に運用することが最も重要です。ここでは、TREVOでも実際に提案・導入している対策を中心に、今すぐ実践すべき内容を整理してご紹介します。
脆弱性診断・ペネトレーションテスト
まず大前提として、自社サイトにどんな“穴”があるのかを知ることが第一歩です。
そのためには、定期的な脆弱性診断とペネトレーションテスト(擬似的な侵入テスト)の実施が有効です。
- 脆弱性診断:自動ツールやセキュリティベンダーによって、既知の脆弱性を洗い出します。
- ペネトレーションテスト:実際に“攻撃者の視点”で侵入を試み、実際のリスクを確認します。
中小規模の企業さまでも、年1回程度の診断や、CMSアップデート後の簡易スキャンだけでも実施する価値があります。
パッチ・アップデート運用
多くのセキュリティ被害は、「古いまま放置されたシステムやプラグイン」が原因です。
WordPress本体やプラグイン、サーバーソフトウェアなどには、日々新たな脆弱性が発見され、対策パッチが提供されています。
TREVOでは、納品後も定期的なアップデートの重要性をお客様にお伝えしています。
自動更新や通知設定を活用し、「気づいたら何年も更新していなかった…」という状態は避けましょう。
強固な認証とアクセス制御
管理画面へのアクセスを守る対策も欠かせません。TREVOで導入しているのは以下のような設定です:
- SiteGuardを使ったログインURL変更
- 管理者IDを「admin」以外に変更
- IPアドレス制限による接続元の限定(固定IP推奨)
- パスワードの強化(英数記号混合、12文字以上)
また、ユーザーごとの役割分担がある場合は、「最小権限の原則」を徹底することも大切です。
管理者は1人、一般スタッフは投稿や更新のみ許可など、操作権限を絞ることで被害範囲を限定できます。
WAF・ファイアウォール・SSL(HTTPS)など多層防御
セキュリティ対策は「一発必中」ではなく、“重ねて守る”ことが鍵です。
WAF(Web Application Firewall)
SQLインジェクションやXSSといったWebアプリへの攻撃をリアルタイムで遮断。サーバー会社の標準WAFやWordfenceなどが代表例。
ファイアウォール
ネットワークレベルで不正な通信をブロック。サーバー側で有効化されている場合が多いですが、設定状況を確認しましょう。
SSL/TLS(HTTPS化)
Let’s Encryptなどの無料証明書でも、通信の暗号化と「このサイトは安全です」という信頼表示につながります。
※SSLを導入しても、それだけで“安全”というわけではありません。証明書の更新や設定ミスによる脆弱性にも注意が必要です。
これらを組み合わせることで、仮に1つが突破されても、他がカバーする構造(多層防御)を実現できます。
バックアップ&復旧体制の重要性
実際にサイトが改ざんされた場合、バックアップがあるかどうかでその後の対応が大きく変わります。
TREVOでは、以下のような方針を取っています:
- サーバー会社の自動バックアップ機能を基本に利用(1日1回・7世代保持など)
- 必要に応じて、WP専用のバックアッププラグインやクラウド保存を併用
- 定期的な手動エクスポートや、復旧テストの実施を推奨
被害発生時には、バックアップから改ざん前の状態”に復元するスピードが命です。
バックアップは「取るだけ」で終わらず、「戻せる仕組み」として設計しておきましょう。
特にコーポレートサイトでは、売上やブランドイメージに直結するため、セキュリティ対策は“信頼”そのものを守る施策であり、攻撃される前に備えることこそがプロのサイトづくり「TREVOのコーポレートサイト制作サービスページ」もぜひ参考にしてください。
WordPressサイトのための実践的セキュリティ対策
日本の企業サイトでも非常に多く使われているWordPressは、その手軽さと拡張性の高さが魅力です。しかし同時に、世界中で最も狙われているCMSの一つでもあります。
TREVOでもWordPressでの制作が多くを占めており、実際に被害や改ざんの相談が持ち込まれるケースもあります。そのため、初期段階からの設計と運用に「実践的なセキュリティ対策」を盛り込むことが欠かせません。
TREVOが推奨するプラグインと初期設定
TREVOでは、WordPressサイト納品時に以下のセキュリティプラグインを導入・初期設定しています:
SiteGuard WP Plugin
https://ja.wordpress.org/plugins/siteguard/
管理画面へのアクセス保護、ログイン通知、ログインURLの変更、画像認証などを網羅
Wordfence Security
https://ja.wordpress.org/plugins/wordfence/
ファイアウォール、マルウェアスキャン、リアルタイム攻撃ブロック
All In One WP Security & Firewall
https://ja.wordpress.org/plugins/all-in-one-wp-security-and-firewall/
包括的にセキュリティ管理が可能。バックアップやファイル改ざん検出も含む
これらのプラグインは無料でも十分な機能が使えますが、サイトの規模や目的に応じて有料プランを検討するケースもあります。
SiteGuard、Wordfence等の活用ポイント
SiteGuardは、TREVOでの標準導入プラグインのひとつです。中でも効果が高いと感じているのは以下の機能です:
- ログインURL変更:WordPress標準の/wp-login.phpをそのままにしていると、ブルートフォース攻撃の入口になります。SiteGuardではURLの変更が簡単にできます。
- 画像認証追加:ログイン時に画像認証を追加することで、botによる総当たり攻撃を効果的に防ぎます。
- IP制限:管理画面にアクセスできるIPを限定。TREVOでは固定IPで制限をかける設定も導入しています。
一方、Wordfenceは「マルウェアスキャン」や「リアルタイムブロック」に強みがあり、改ざん検知や国外からの不正アクセスブロックにも効果的です。
管理画面保護(ログインURL・IP制限・管理者ID変更)
攻撃者の多くは、まずログイン画面を狙ってきます。
そこで、TREVOでは以下のような初期設定を必ず行っています:
- ログインURLを変更して、攻撃者に場所を教えない
- 管理者IDを「admin」から変更し、簡単に推測されないように
- IP制限を設定し、管理操作を行える範囲を明確に限定
この3点だけでも、多くの不正アクセスは未然に防ぐことが可能です。
バックアップ自動化の実例
WordPressは多機能な分、テーマやプラグインのアップデート、ユーザー操作によるトラブルが発生しやすいという特徴もあります。
TREVOでは、以下のような自動バックアップ体制を推奨しています。
- サーバー側のバックアップ機能(例:7日分保存、自動復元機能付き)
- WordPressプラグインによる定期バックアップ(例:BackWPup、UpdraftPlus)
- 外部ストレージ(Google DriveやDropbox)への保存設定
- 手動復元テストの実施(年1〜2回)
バックアップの自動化=復旧力の強化であり、攻撃や誤操作時の“最後の砦”となります。
「SSL=安全」ではない、運用の重要性
SSL証明書を導入してHTTPS化すると、ブラウザに「鍵マーク」が表示され、多くの方が「もう安全」と認識します。
しかし、SSLは“入口の暗号化”でしかなく、サイト全体の防御ではありません。
- 無料のLet’s Encryptを利用していても、更新期限切れで警告が出るケースも
- 証明書が適切に設定されていないと、SEOにも悪影響が出ます
- 通信は暗号化されても、サイトの中身(脆弱性、改ざん、マルウェア)には無関係
TREVOでは、SSL導入だけでなく、証明書の管理・更新・HTTPS強制リダイレクトなども含めてサポートしています。
セキュリティを整えることは、検索順位にもつながる「 SEO対策ページ」もぜひご覧ください。
未来を見据えたセキュリティ、AI・IoT・リモートワーク時代の新たなリスク
テクノロジーの進化により、私たちのビジネス環境は日々便利になっています。一方で、その利便性と引き換えに新しいセキュリティリスクも急速に拡大しています。今後のウェブサイト運営・企業活動においては、「今の対策」で満足せず、将来を見越した備えが求められます。
AIとサイバー攻撃の高度化
AIは便利なツールであると同時に、攻撃者の手に渡れば“極めて危険な武器”にもなります。
- AIによる攻撃自動化:膨大なIPアドレスのスキャン、脆弱性の発見、ブルートフォース攻撃の高速化
- AI生成のフィッシングメール:自然な文章や偽装URLを使い、ユーザーを巧妙に騙す
- 音声・画像・動画のなりすまし(ディープフェイク)による信用失墜や社内情報の流出
これまで「人の手では手間がかかる」ことで守られていた領域が、AIによって一瞬で突破される時代に突入しています。
つまり、“セキュリティの遅れ”が一気に致命傷となるリスクが高まっているのです。
クラウド・IoTのリスクと備え
近年、多くの企業が業務をクラウドに移行し、センサーやネットワーク家電といったIoT機器を導入するようになりました。
しかし、それらもセキュリティの穴となり得ます。
- クラウドストレージの誤設定:機密ファイルが全世界に公開されるリスク
- IoT機器の初期パスワード放置:ネット経由で乗っ取られ、不正アクセスの踏み台に
- 家庭のネットワーク環境:リモートワークによる“家庭経由の社内侵入”リスク
TREVOでも、Googleドライブの共有設定ミスや、IoT化された防犯カメラ経由でのアクセス懸念など、現場でのトラブル報告が増えてきています。
こうした新しいインフラを活用する際は、「便利」=「安全」ではないことを意識し、セキュリティ設計と運用をセットで導入することが不可欠です。
サプライチェーン攻撃・量子コンピュータ時代への適応
特に今後注目すべきなのが、サプライチェーン攻撃とポスト量子時代のセキュリティです。
サプライチェーン攻撃
自社ではなく、取引先のソフトウェアや委託先のシステムが突破口になる。たとえば、導入済みプラグインの開発元が改ざんされ、そこから自社サイトが侵入されるなど。
量子コンピュータによる暗号破り
現在のSSLや暗号技術の多くは、量子計算機の登場で一瞬で解読可能になる可能性が指摘されています。
現時点ではまだ“先の話”と思われるかもしれませんが、こうしたリスクに向けて世界では既に「量子耐性暗号」や「ゼロトラストセキュリティ」の導入が進められています。
日本国内でも、大手企業を中心に体制強化が進んでおり、中小企業・地域の企業さまにも徐々に波が広がっていくことは間違いありません。
未来のセキュリティは、「便利さに依存しすぎない」「常に見直す」という姿勢が鍵になります。
セキュリティ対策は“今すぐ・継続的に”見直そう
サイバー攻撃の被害にあう企業やサイトは、「油断していた」ケースが非常に多く見られます。
そしてその多くが、「自分のところは大丈夫だろう」「小さなサイトだから狙われないだろう」と思っていた方々です。
ですが、攻撃者は“セキュリティの甘いところ”から順に機械的に狙ってくるため、サイトの規模や有名無名は一切関係ありません。
「自分だけは大丈夫」と思わないで
TREVOに寄せられるご相談の中にも、「特に機密情報もないし、アクセスも少ないから大丈夫だと思ってた」とおっしゃるお客さまが少なくありません。
しかし実際には、そうしたサイトこそスパム配信・SEO汚染・マルウェア拡散の踏み台として利用されてしまうことがあります。
気づいたときにはGoogleから警告が出され、検索順位が消失していたという深刻な例もありました。
だからこそ、「自分は関係ない」ではなく、「誰にでも起こりうるリスク」という前提で備えることが第一歩です。
早めの対策・有料サービスも選択肢
無料プラグインや簡易設定でも、ある程度の防御は可能です。
しかし、攻撃やトラブルは年々巧妙化しており、“無料だけ”では限界があることも事実です。
- マルウェア対策やファイアウォールの有料オプション
- 信頼性の高いSSL証明書
- 専用WAF(Web Application Firewall)
- プロによる定期診断・運用サポート
特に企業の信頼やブランドを守るサイトにおいては、「数千円をケチったことで数十万円の損害が出た」という事態を避けるためにも、必要なところにはコストをかける判断が求められます。
最低限守るべきこと/プロへの相談タイミング
まずは以下の基本項目を、「本当にできているか」今すぐ確認してみてください:
- 管理者IDは「admin」以外か
- ログインURLは変更されているか
- 定期的なバックアップは設定済みか
- SSL証明書の更新期限は大丈夫か
- サーバーやプラグインのアップデートは滞っていないか
ひとつでも「分からない」「していない」があれば、すぐに対処を始めるタイミングです。
不安がある場合は、専門のWeb制作会社やセキュリティベンダーに相談することをおすすめします。
SEOやブランド価値にも直結
セキュリティ対策は「守り」だけでなく、ビジネスの信頼性を支える“攻め”の施策でもあります。
- Googleの検索評価基準には「安全性」が明記されており、SSL未対応やマルウェア感染は順位低下の要因になります。
- サイト訪問時に「安全ではありません」と表示されると、CV(お問い合わせや購入)率が大幅に低下します。
- 情報漏洩や改ざんが報道されれば、ブランドや企業の信用失墜につながる恐れもあります。
継続的な対策が未来の安心をつくる
セキュリティは一度設定すれば終わりではなく、「継続的に見直し、育てていくもの」です。
TREVOでは、お客さまのWebサイトを守るために、初期構築から運用フェーズまで一貫したサポートを提供しています。
セキュリティに不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
セキュリティの話題になると、「自社には関係ない」「大企業の問題」と捉えてしまう方も少なくありません。
しかしTREVOが大阪で多くの企業さまと向き合うなかで実感しているのは、「小さな対策の積み重ねこそが、ビジネスを守る力になる」という現実です。
テンプレートの改ざん、マルウェア感染、突然の検索順位低下――こうした被害は、中小規模のウェブサイトにも日常的に起こりうるものです。
逆に言えば、管理者IDの変更、バックアップの設定、SSLの更新といった些細な習慣が、大きなトラブルを防いでくれます。
TREVOでは、セキュリティ対策を“特別なこと”ではなく、“日常の一部”として扱う視点を大切にしています。
お客様との対話の中で、誤解をほどき、必要性を伝え、小さな行動を促していくこと。それが、私たちが現場で一番力を入れていることです。
「安全なサイト」は、単に危険を避けるだけでなく、ユーザーに安心して訪れてもらえる信頼の土台でもあります。
この記事を通じて、今一度ご自身のサイトを見直すきっかけにしていただけたら幸いです。
ホームページ制作や運用に関するお悩みがあれば、セキュリティからSEOまで一貫してサポートするTREVOまでお気軽にご相談ください。
大阪のホームページ制作会社TREVOでは、最短2日で仮サイトを公開できるスピード対応や、SEO対策に強いオリジナルデザインの制作サービスを提供しています。