GA4とUAの比較:メリット・デメリット・移行方法

執筆・編集 板浪 雅樹2005年から WEB 業界一筋。500サイト超を手がける SEO・WordPress のエキスパート。「公開後こそ本番」を掲げ、データ分析とユーザー視点で成果を引き出す運用を提案。

2005年に制作会社へ入社後、プログラマーからキャリアをスタート。サーバー構築・データベース設計で培った技術を強みに、WordPress テーマ/プラグイン開発やサイト移行の難案件を多数担当してきました。
2010年以降は SEO エンジニアとしても活動領域を拡大。コンテンツ設計・内部リンク最適化・高速化チューニングにより、競合の激しいビッグキーワードで上位獲得を実現してきました。
現在は TREVO のウェブディレクターとして、要件定義から運用改善まで一気通貫でリード。AI ライティングや GA4/Looker Studio を活用したレポーティング手法を開発し、「数字で説明できるサイト運用」をポリシーにクライアントの ROI 最大化を支援しています。
趣味/強み:筋トレとランニングで日々の集中力をキープ。複雑な課題を“仕組み”で解決するのが得意。
モットー:「サイトは資産。改善を止めた瞬間から価値は目減りする」
SNS:x(旧 Twitter)@TREVO_WEB
Googleアナリティクスは、Webサイトやアプリのユーザー行動を計測・分析するツールです。2020年10月に、新しいバージョンであるGoogleアナリティクス4(GA4)が発表されました。GA4は、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは大きく異なる仕様になっており、多くのユーザーが移行に戸惑っています。
GA4とUAの主な違い
- データの計測方法:GA4→ユーザーベース、UA→セッションベース
- Web・アプリデータの同時計測:GA4→可、UA→不可
- 指標の定義変更:GA4→エンゲージメントやイベントなど新たな指標が追加、UA→PVやEコマースなど従来の指標が廃止
- メニューの変更:GA4→探索や広告など新たなメニューが追加、UA→ユーザーや集客など細かいメニューが簡素化
- BigQueryとの連携:GA4→無料で可能、UA→有料版(GA360)で可能
GA4のメリット・デメリット
GA4のメリット
- ユーザーベースの計測方法により、異なる端末からのアクセスでも同一ユーザーとして判別できる
- Webサイトとアプリを横断したデータ計測が可能になり、オムニチャネル分析がしやすくなる
- エンゲージメントやイベントなど新たな指標により、ユーザー行動やニーズを詳しく分析できる
- 探索機能により、複数の切り口から分析を行いやすくなる
- 広告機能により、Google広告やYouTube広告と連携して効果測定がしやすくなる
- BigQueryと無料で連携できるため、生のデータを自由に分析できる
GA4のデメリット
- UAとは異なる仕様になっており、使い方や設定方法がわかりにくい
- UAで使用されていた指標やレポートが廃止されており、従来の分析方法が使えない
- UAからGA4へのデータ移行ができず、過去データと比較することが難しい
- まだ利用者が少なく、情報やサポートが不十分
UAのメリット・デメリット
UAのメリット
- 従来から使われている仕様であり、使い方や設定方法がわかりやすい
- PVやEコマースなど従来の指標やレポートが豊富であり、Webサイト分析に必要な基本的な情報が得られる
- 過去データを参照することができる
- 利用者が多く、情報やサポートが充実している
UAのデメリット
- セッションベースの計測方法により、異なる端末からのアクセスでは同一ユーザーとして判別できない
- Webサイトとアプリを別々に計測する必要があり、オムニチャネル分析がしにくい
- ページ遷移を伴わないイベントやエンゲージメントを計測することが難しい
- BigQueryと有料版(GA360)でしか連携できず、生のデータを自由に分析することが難しい
最後に、GA4へ移行する方法や注意点を説明すると良いでしょう。例えば、次のような内容になります。
UAからGA4へデータ移行について
現在UAを利用している方は、2023年7月1日までにGA4へ移行する必要があります。ただし、UAからGA4へデータ移行はできません。そのため、
- UAとGA4を併用しつつ徐々に移行していくこと
- GA4へ移行する際は新規プロパティを作成すること
- GA4ではイベント計測設定を見直すこと
が重要です。
- UAとGA4を併用しつつ徐々に移行していくこと
現在UAを利用している方は、急にGA4へ完全移行することはおすすめしません。まだ利用者も少なく情報も不十分ですし、過去データも引き継げません。そのため、
「現在はUAとGA4を併用しながらデータ収集・分析を行う」
ことがおすすめです。これにより、
- GA4へ移行後も過去データを参照できる
- GA4へ移行後も従来通りの分析方法を使える
- GA4へ移行前から新たな指標やレポートを活用できる
- GA4へ移行前から使い方や設定方法に慣れておける
というメリットがあります。
- GA4へ移行する際は新規プロパティを作成すること
UAからGA4へ移行する際は、
「既存プロパティではなく新規プロパティを作成する」
ことがおすすめです。これにより、
- UAプロパティはそのまま残せるため過去データも参照可能
- UAプロパティから自動的にイベント計測設定も引き継げる(一部手動設定も必要)
- UAプロパティから自動的に広告連携設定も引き継げる(一部手動設定も必要)
というメリットがあります。
- GA4ではイベント計測設定を見直すこと
UAからGA4へ移行した場合でも、
「イベント計測の設定を見直す」
ことが必要です。なぜなら、GA4ではイベントの仕様や定義が大きく変わっているからです。
GA4では、イベント計測の設定方法は次の2つに分かれます12。
- Googleアナリティクス管理画面で設定する方法
- Googleタグマネージャーで設定する方法
Googleアナリティクス管理画面で設定する方法
Googleアナリティクス管理画面で設定する方法は、自動収集イベントの一部や推奨イベントに適用できます。この方法は、コードを変更する必要がなく、簡単に設定できます。
例えば、ページのスクロールやファイルのダウンロードなどの自動収集イベントは、管理画面でオプションを有効化するだけで計測できます。また、購入や検索などの推奨イベントも、管理画面でイベント名やパラメータを入力することで計測できます。
Googleタグマネージャーで設定する方法
Googleタグマネージャーで設定する方法は、カスタムイベントや一部の推奨イベントに適用できます。この方法は、コードを変更する必要がありますが、より柔軟に設定できます。
例えば、クリックやフォーム送信などのカスタムイベントは、Googleタグマネージャーでトリガーとタグを作成して計測できます。
動画エンゲージメントやサイト内検索などの推奨イベントも、GoogleタグマネージャーでJavaScript APIサポートを有効化して計測できます。
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