ウェブサイトの運営において、重複コンテンツはSEO上の大きな課題となります。重複したコンテンツが存在すると、検索エンジンはどのページを優先して表示すべきか判断できず、結果的に検索順位の低下やインデックスの除外といった問題を引き起こします。本記事では、canonicalタグを正しく設定することで重複コンテンツを防ぐ方法について詳しく解説します。
目次
canonicalタグとは
canonicalタグは、ウェブページのHTMLヘッダー内に記述されるタグで、検索エンジンに対して「このページの正規(canonical)なURLはこれです」と伝える役割を持ちます。これにより、同一または類似したコンテンツが複数のURLで存在する場合でも、検索エンジンが正しいページを認識しやすくなります。
<link rel="canonical" href="https://www.example.com/sample-page.html">
重複コンテンツが発生する原因
URLのパラメータやセッションID
ユーザーの行動追跡やフィルタリング機能などで、URLにパラメータが付与されると、同じコンテンツでも異なるURLが生成されます。
同一コンテンツの複数ページ
印刷用ページやモバイル専用ページなど、同じ内容が異なるURLで提供されることがあります。
wwwとnon-www、httpとhttpsの問題
サイトが複数のプロトコル(httpとhttps)やサブドメイン(wwwとnon-www)でアクセス可能な場合、それぞれが別のページとして認識されます。
canonicalタグの正しい設定方法
HTMLヘッダーへの記述方法
各ページの<head>
タグ内に、正規のURLを指定したcanonicalタグを挿入します。
<head>
<link rel="canonical" href="https://www.example.com/sample-page.html">
</head>
HTTPレスポンスヘッダーでの指定
サーバー側でHTTPレスポンスヘッダーにcanonical情報を含めることも可能です。これは主にPDFや画像などの非HTMLコンテンツで使用されます。
Link: <https://www.example.com/sample.pdf>; rel="canonical"
サイトマップでの指定
XMLサイトマップにcanonical情報を含めることで、検索エンジンに正規のURLを伝えることができます。
canonicalタグの実践例
パラメータ付きURLの統合
商品の並び替えやフィルタリングで生成されるパラメータ付きURLは、canonicalタグを用いて基本のURLに統一します。
<link rel="canonical" href="https://www.example.com/products">
モバイルページとデスクトップページの統一
レスポンシブ対応していないサイトでは、モバイルページとデスクトップページが別々のURLになることがあります。canonicalタグとalternate
タグを組み合わせて設定します。
<link rel="canonical" href="https://www.example.com/desktop-page.html">
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="https://m.example.com/mobile-page.html">
国際化サイトでの使用
多言語サイトでは、各言語ページに対してcanonicalタグを設定し、hreflang
属性と組み合わせて使用します。
<link rel="canonical" href="https://www.example.com/page.html">
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://www.example.com/en/page.html">
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://www.example.com/ja/page.html">
canonicalタグ設定時の注意点
クロスドメインでの使用方法
別のドメイン間でcanonicalタグを使用することも可能ですが、信頼関係のあるドメイン間でのみ行うべきです。
<link rel="canonical" href="https://www.otherdomain.com/page.html">
相対パスと絶対パスの違い
canonicalタグでは、必ず絶対パスを使用します。相対パスを使用すると、検索エンジンが正しく解釈できない場合があります。
ページ間の関連性と適切な指定
canonicalタグは、内容が非常に類似したページ間でのみ使用します。全く異なる内容のページに対して設定すると、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
canonicalタグと301リダイレクトの使い分け
違いと適切なシナリオ
canonicalタグ
- ユーザーには現在のページを表示しつつ、検索エンジンには正規のページを伝えたい場合に使用します。
301リダイレクト
- ページ自体を完全に他のURLに移行する場合に使用します。
両者を併用する場合の注意点
基本的にはどちらか一方を使用します。同時に使用すると検索エンジンが混乱し、意図しない結果を招く可能性があります。
canonicalタグの検証とトラブルシューティング
Google Search Consoleでの確認方法
Google Search Consoleの「URL検査ツール」を使用して、canonicalタグが正しく設定されているかを確認できます。
一般的なエラーとその解決策
誤ったURLの指定
正規のURLが間違っていると、検索エンジンはそのページを無視する可能性があります。正確なURLを指定しましょう。
複数のcanonicalタグが存在
一つのページに複数のcanonicalタグがあると、検索エンジンはどれを優先すべきか判断できません。必ず一つだけ設定します。
まとめ
canonicalタグは、重複コンテンツによるSEO上の問題を効果的に解決する重要な手段です。正しく設定することで、検索エンジンに正規のページを伝え、ウェブサイト全体の評価を高めることができます。定期的な確認と最適化を行い、効果的なSEO戦略を実践しましょう。
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